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35:残酷な天使のテーゼ







 「ほら、よく言うじゃん。

  A君は、ルックス普通、性格良し、財力ダメ

  B君は、ルックス良し、性格ダメ、財力普通

  C君は、ルックスダメ、性格普通、財力良し

  どの人がタイプ?ってさぁ~。

  そしたら言うんだよ、付き合うのと結婚相手じゃ答えが変わるわよってさぁ~。

  けど、もうその時点で答え出てんじゃん!

  C君が結婚相手ってことだろ?

  つか、お金との結婚だよね?

  テレビの人みんなそうだし。

  相手のルックスなんてどうでも良くて、邪魔にならないくらいの性格なら、全部上方修正されんだよ。

  金だよ金。

  ダサいエスコートでもバックに金がありゃ、不器用で優しい人とか、慣れてなくて純粋とか、自分と周りへの言い訳のために美化されんだよ。

  いいよなぁ~、ドラ息子はよぉ。

  で、付き合うならB君だ。

  見栄え良くてバエルってヤツだよ、バエル。

  どこの悪魔さん?

  都合良く振り回されても、尽くす自分に酔っちゃったりするんだぜ?

  最悪、数又されても他は遊びとか、誘導して言わせて優越感に浸っちゃったりすんだぜ。

  怖ぇぇよな、女ってさ。

  つかさぁ~・・・

  A君、可哀想過ぎんだろっ!

  めっちゃいいヤツだぜ。

  クラスで委員長とかやって、嫌がる仕事をニコニコ笑顔でこなしちゃうよ。

  おはよーって、毎朝爽やかに声掛けてくれるよ!?

  貧乏でバイトとか掛け持ちして、妹や病弱なお母さんの面倒みてんのにさぁ。

  夜中に勉強して、隣で寝てる妹の顔見てニコッとするんだよ~。

  で、疲れてても一番早くに登校して、黒板拭いたりしてよぉ・・・。

  くぅぅぅ・・・

  くそぉぉ、Aくぅぅんっ!!

  愚痴くらい言ってくれよ?

  相談くらいのるぜっ!

  なんだってオレが手伝ってやんよっ!

  けど・・・

  そんな、A君は・・・

  ゼッテェー良い友達止まりなんだ。

  人望・信頼はあっても、絶対先に進めない童貞君なんだ。

  つか、B君に遊ばれたヤツの、その相談に乗ったりするんだぜ?

  そして、Aくんが私の彼氏だったら良かったのに・・・なんてリップサービスで、ウカレポンチになったりして、その気にさせられるんだ。

  絶対付き合ってくんないのに・・・

  で、やっと別れて、オレが幸せにしてやるって息込んでたら、ポッとでのマメタンクみたいな金持ちとリーソクで結婚されんだ・・・

  どうなってんよ?

  どーーなっちゃってんだよ!?

  オレ、Aくんを抱きしめてやりたいよ!!」



 コーヴァの街まで後少し。

 よく晴れた誰もいない街道をタラタラと歩きながら、サポ助に向かって[生体の神秘]について語っていた。



 <オマエがどうなってるんや?感情移入し過ぎやっ!なに?その極端な理論・・・アホとちゃうか?てか、ホステスさん感覚に慣れ過ぎや、ゲスい女ばっかりちゃうで。おる。ちゃ~んと見る目のある女性はおる。A君には絶対幸せになってもらう>


 「マジかっ!良かったぁぁ・・・A君、童貞捨てられるのか。もう誰もいないのかと思った。最悪、オレが抱かれても良いカマエだった。むしろ抱いて欲しい」


 <キモっ!そんなんA君は望んでないっ!望んでないよ・・・けど、えらい女性を悪者みたいに話してるけど、ぺーはんこそどうやねん?全く同じ状況で性別ひっくり返したら、ぺーはんなら、誰と付き合うねん?>


 ぐっ、

 考えたことなかった・・・


 <どやねん?性格良いそこら辺の人、性格悪いカンナちゃん、金持ってる女芸人。誰と付き合うねん?>


 「・・・・・カンナちゃん」


 <ほら見てみい!一緒やないか!ボロクソに言ってたゲスい奴らと同じやないか!」


 マ、マジか、

 知らなかった・・・


 <まぁけど、結婚となると男と女では求めてるモンがちゃうから答えは変わるかもな。男女差別のつもりは無いけど、やっぱり男には経済力、女には癒しってのが、一般的やし。この場合、Aさんが一番人気とちゃうか?>


 「・・・・・・・・・カンナちゃん」


 <ゲスい!今まで登場した人の中で、ぺーはんが一番のゲスやないかっ!>


 だ、だって、

 だってよぉ・・・

 嘘は、つけねぇじゃん


 「ふぅー、、、あれ?女芸人を抱きしめてやりたいって思わないぞ?あ、A君貧乏だし、二人が結ばれればバランス取れていい感じか」


 <はい、その発言もゲスいっ!謝って。ボクの心の友のA君に謝って。失礼極まりないわ。つか、ぺーはんを例えたら、ルックスダメ、性格ダメ、財力ダメになるんやろな。あ、今は鉱山から盗んで金もってるか>


 「なに、その猛者っ!?最凶じゃんっ!良いとこ無しじゃん!!え?オレってそうなの?どちらかと言えば、A君タイプなんじゃないの?」


 そんなことは無い!

 いくらなんでも言い過ぎだ。

 流石に納得は出来ない。


 <進んで残業とかする?>


 「超やんない。すぐ帰りてぇ」


 <貯金してた?>


 「自転車操業。ほぼほぼ消えてたね」


 <バレンタインで家族以外から貰ったことは?>


 「・・・あ、あるぜ!下駄箱に[小枝]入ってた」


 <それ、ちゃうな。カウント無しやわ>


 「え、マジで?オレのプライドなんだけど」


 <もう答え出てるけど最後にもう一つ。写真撮る際に中央で写ったことは?>


 「・・・ぅ、ぅう、、ヒック、、、、ない」


 <そういうことや。ぺーはんはABCのカテゴリーにも入れない、どうしようもない人やねん。ひっそりしよ。わきまえてこ。ほら?ダンゴ虫とかも石の下におるやろ?>


 ゲスを自覚する。

 知ってたけど、再確認。

 オレ、

 最低だ・・・


 <ほれ、元気だし。もうそろそろコーヴァの街が見えてくるで。最初に馬車で来たのが懐かしいわ>


 「うっへい。オマエが泣かしたんじゃねぇか!オレだってパワーストーン買った人並みに・・・ん?なんか街門、閉じてないか?」


 時刻はお昼過ぎ。

 こんな真っ昼間に門が閉じていた記憶などない。


 <ホンマや。なんかあったんかな?チョット気引き締めていこか>


 近付くにつれ、物々しい雰囲気が漂ってくる。


 「ふぅー、、、悪い予感しかしないぜ」


 オレは警戒を強めて街へと歩いて行った。







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