カタカナチヨコ@山台明良
ジャンル:恋愛
「あのちょっと良いですか?」
ある日教室で、一人の女の子に話しかけられた。
時間は昼休みがもうすぐ終わる午後一時半。
「どうしたの、月築さん?」
とある事で、この学校で月築さんを知らない人はたぶんいないだろう。
月築さんは目を閉じ、手を胸の前で組む。
「ほ、放課後、話したいことがあるので……屋上に来てもらってもいいです……か?」
言葉の最後の方は、ほとんどかすれて聞こえていなかったが、なんとなく察した。
「もちろん……4時くらいで良い?」
「あ、ありがとうございます!」
彼女はとびきりの笑顔を僕に向ける。
「あ、屋上までは来れる?」
「なんとか大丈夫です……きっと」
「じゃあ職員室の前あたりで待ってるよ」
「わ、わかりました、よろしくお願いします!」
月築さんはそう言うと、ゆっくり自分の席へと戻った。
僕もゆっくりと自分の席へと歩いた。
着いた直後に、周りにいた友達に「何聞かれた?」と質問された。
「とりあえずよくわかんないや」
そう答えておいた。
**************
僕が月築さんについて知っていることと言えば、彼女が特別だということ、家がとてもお金持ちだと言うこと、そのくらい。
というか僕自身あんまり女子と話さない、という青春めいた高校生、というのもあるのだが。
その日の放課後、特に僕はやることもなかったし、断る義理もないので、月築さんの誘いを受けた。
「月築さん、こっち!」
僕は五分ほど前に職員室の前に着いていた。
月築さんはゆっくりと、僕の方へ向かってくる。
「うわっ」
その途中、彼女は廊下の段差に足を引っかけ、転びかける。僕は咄嗟に月築さんの体を手で支える。
「大丈夫?」
「あ、ありがと、だいじょぶ」
僕は月築さんの手をつかんだまま、彼女に話しかける。
「じゃあ屋上に行こうか」
「お、お願いします」
彼女はりんごみたいに赤面すると、おずおずといったように歩き始めた。
ゆっくりと歩き、屋上の扉を開ける。
「良い風……」
月築さんはそう独り言を言う。
「そう、いつもこんなんだよ?」
「わたし、あまりここに来ないから」
言ってからしまったと気づいた。自分のデリカシーのなさに気づく。
「と、とりあえずここじゃなんだし、もうちょっと向こうに行こう。」
きまずい雰囲気から脱するために、屋上の扉付近から中央まで一緒に歩く。
「こ、ここらへんでだいじょぶです……」
月築さんは小さい声でそう言う。
そうして僕は彼女の手を離す。ところで一体なんで僕は月築さんに呼ばれたんだろう?
さすがに告白っていうほど月築さんとからんでるわけじゃないし、かといって喧嘩を売られるほど月築さんがアグレッシブだとは思えない。
思案している僕をよそに、月築さんはその場で深呼吸する。
「……周り、誰もいないですよね?」
「うん、いまのところは」
正直に僕はそう答える。特に嘘を言うつもりは無いし。
月築さんはもう一度だけ、深呼吸をすると、とても小さな声で、辛うじて僕にだけ聞こえるような声で言った。
「か……」
「か?」
「…………カタカナを教えてくれますか?」
月築さんは生まれつき、目が見えないのだった。
普通目の見えない人は盲学校に行くというが、月築さんは別なのだろう。
噂はいろいろとあるが、親御さんが県の教育委員会の重鎮だとか、その教育委員会を金で買収したとかなんとか。そんなはずはないだろうが。
普通の授業はどうするのか、と転入してくる前にとても話題になった。なんせ点字の教科書なんてほとんど無いのだから。
しかしそれは杞憂に終わった。授業中、彼女の隣にはベテランの翻訳士がいた。数学はさすがに無理だが、社会科や理科の時、その人は月築さんの隣で点字を打っている。
そして、僕はその翻訳機を少々拝借した。
点字の打ち出し機でカタカナの形を打ち出していた。
「アから順にオまでがこれ」
「あ、これ偶にありますよね」
月築さんは手でよくカタカナの形を確かめる。
何回も何回も手でさすり、形を覚えているのだろう。
ふと、僕はそこで疑問にかられた。
「そういえば月築さん」
「なんでしょうか?」
隣の席に座る月築さんは首を傾げ、こちらの方に顔を向ける。
「なんでいきなりカタカナなんて覚えたかったの?」
すると、彼女は顔をりんごのように赤らめ、そっぽを向く。
「周り、誰もいないですよね?」
と、聞く。僕が、うん、と答えると、彼女は先ほどよりも小さな声で
「バレンタインデーに文字を書いてあげたいんです」
そう言った。
あれ、これ僕に教わってるってことは僕、もらえないパターンじゃない?
そんなことを思いつつ、僕は、青春だねぇ、と軽く笑いながら返した。
言った途端、月築さんは「誰にも言わないでくださいね!」と、彼女にはめずらしい、大きな声で叫んだ。
「こんな感じでできてますかね?」
月築さんはぎこちなくシャーペンを動かす。まずシャーペンを使うことが初めてだったらしく、持ち方から教えてあげた。
「んー……」
アイウエオ順に書き上げた字は綺麗……とはほど遠くもしかしたら小学生の方が上手いのかもしれない。
どういったら良いものか、そう悩んでいると、月築さんが首を傾げる。
「どうですか?」
僕は、悩みに悩んだあげく
「もっと練習した方が良いかもね」
と、本心を口にした。
なんせやはりスとヌの違いがわからない。
ツとシ、や、ンとソ、も違いがわからない。前二つはまだ良いとして、ンは彼女が書こうとしている『ハッピー・バレンタイン』という文の中に2つも含まれている。
「なら、もっともっと書きます!」
月築さんがやる気を出して、腕まくりをすると、どこからかクラシック音楽が流れる。
「うわ、すみません!」
月築さんの携帯だった。彼女は焦って通話ボタンを手探りで探し、通話する。
ぼくはその間、細かい部分をどのように教えたらいいのかを思案していた。
結局その日は他の習い事があると言って、月築さんはお付きの人と下校用の車で帰っていった。
その日からおよそ一ヶ月。
月築さんと僕は毎日学校に残り、カタカナの練習をしていた。
ときどき月築さんは習い事で帰ることがあった。
その種類も豊富で、ピアノ、ハープ、華道、バイオリン、さらにはバレエまで。
唯一習い事の無いらしい木曜日は、最終下校時刻まで残ってカタカナの練習をした。
「こんな感じですか!」
したり顔でカタカナを書き終える月築さんに、僕は少々あきれ顔で言う。
「じゃあちょっと触って確認してみようか」
今使っているのは、一昔前に流行った、文字が浮き出るボールペン。姉さんから借りたものだ。
それを賢明に触って形を確かめる月築さんだが。
「これはソですね!」
「ツを書いてたんじゃなかったっけ?」
「……そうでしたっけ?」
習得にはかなりの時間がかかりそうだった。
何回も何回も、繰り返して書いていたが、まぁぶっちゃけると、進展のしの字もみられなかった。
目が見えない、というだけで大きな障害なのだが、まず第一にカタカナの形を覚えないといけないのだった。
健常者が普段使うときには無意識に使っているが、月築さんは点字の方が慣れている。
そのかわりカタカナなんて未知の言語みたいだった。
「すこし休憩でもしようか」
「わかりました~」
月築さんはペンを置くと手を揉み始めた。持ち慣れないのに長時間使っていると、結構疲れるそうだ。
すこしのマッサージが終わると、彼女はバッグをさぐり、紅茶の入った水筒を取り出す。
○印の保温性の高い水筒だった。象○は有名な会社であり、月築さんのおじの会社である。なんだこの裕福すぎる家庭は……。
そんなことを思っていると、月築さんが紙コップを取り出し紅茶をついでくれた。
「今日はダージリンです」
「へー、良い香りだね」
「昨日もそれ言ってませんでした?」
月築さんは手を口に当てて、ウフフと笑うと水筒をバッグへと戻す。
コーヒー派の僕が紅茶の茶葉による違いなんてわかるはずがない。
そう言うと、彼女は「そのうち慣れてきますよ」とまた優雅にほほえんだ。
そして時は二月十二日。
この日も、僕と月築さんは教室でカタカナの練習をしていた。
今日は金曜日だが、習い事はお休みのようだった。
「そういえば月築さんこれはいつ渡すの?」
「それは十四日のバレンタインデーに決まってるじゃないですか!」
頬を赤く染めて手を当てる月築さん、恥ずかしがってるのか、ってか何を想像しているのか。
「屋上でチョコを渡すんだー、なんて言ってくれるかなぁ……」
うっとりする月築さんの前で、自分の心中は吐露せず、僕は彼女にこう言った。
「十四日、学校無いよ? 日曜日だし」
真っ赤から真っ青へと変わる彼女の顔は、申し訳ないが、かわいかった。
そして彼女の狼狽えぶりはすごかった。一例をあげるのならば、清楚で可憐なお嬢様の月築さんが、紅茶のポットからカップに紅茶をつがずに直で飲んだことだ。
およそ一リットル飲んだあとに言った言葉が。
「なんかこのコップ重いですねー」
だった。もちろん顔は真っ青のままだった。
「え、十四日って日曜日なんですか~?」
うわーん、と泣かんばかりに机にへたれ込む月築さん。
「なんとか月曜日に変えられませんかね?」
「いや、無理でしょ」
僕はばっさりと、それこそ短刀直入するがごとく、答える。
それを聞いた月築さんが顔をくしゃっと歪めたので急いで僕は話題を変える。さすがに泣かす訳にはいかない。
「ところで字はどこに書くの? 板チョコ?」
それとも、と言うと同時に彼女は椅子をひっくり返しながら立ち上がった。
驚いて彼女を見ると、彼女の顔色が青から白へと変わる。もはや病的だ。
「か……」
「か?」
呆然とする月築さんから出る言葉はだいたい想像がついていた。
「考えてなかった……」
「……あらら」
今の精神状態もおおよそ病的だった。
**************
「で、なんで僕がここにいるのでしょう?」
「えへへ、さすがに目が見えないとチョコを作るのも難しいので」
僕はキッチンにいた。
もっと正確に言うならば、月築家の豪邸の中にある第一キッチンにいた。ここは月築家の誰かが料理するときに使うところらしい。
そして目の前にはずらりと食材が並べられていた。
カカオ、塩、どこかの天然水、砂糖、バナナ、イチゴ、サクランボ、ミント。
「ちょっと待った月築さん」
「なんでしょうか?」
さも当たり前のようにカカオを持って手触りを確認していた彼女に質問する。
「これ、本場のチョコを作るの?」
「いえ?」
え、これ素でやってるの?
「一般の女子高校生が作るものを作るの?」
「もちろん、ほかに何があるのでしょう?」
参ったな、素か……。いまどきこんな天然な子がいるとは思わなかった。というかこんなベタな事をする子がこのご時世、二〇一四年にいるのか。
月築さん、と僕は呼びかけ、彼女にとっては残酷な事を言う。
「手作りチョコっていうけど、市販のチョコを溶かしただけで、カカオからは作らないよ?」
その数秒後、第一キッチンにカカオを床に落とす音が響いたのは言うまでもない。
気を取り直して、月築家ご令嬢専属の執事の星見さん(今年で六十歳)にコンビニまでガ○ナの板チョコを買ってきてもらう。
僕はあらためて月築家の財力を見せつけられたような気がした。
誰もリアカーで買ってこいなんて言ってねぇだろ……。
買わせてしまったこっちにも非はあると思うが、さすがに限度はあると思う。
アイランドキッチンのど真ん中に堆く積まれたチョコを見て内心思わずにはいられなかった。
「さぁはじめましょう!」
隣には芳醇なチョコの香りを一杯に吸って、若干テンション上がり気味の月築さんがいた。
「えーと、まずボールを用意してその中にチョコを入れます」
そして男子高校生による手作りチョコの作り方の授業が始まったのだった。
時間は午後八時半、はたしていつ終わるのだろうか……。
**************
午後十時、やっとチョコづくりの授業が終わった。
月築さんの隣では、必死に星見さんがメモを取っている。そして月築さんは若干寝かけていた。
「月築さん、これで終わりだよ?」
すると彼女はいつもと同じくらいの小さな声で答えた。
「……ラーメン……」
あ、これ寝てるわ。
「餃子…………メンマ」
しかも意外とポピュラーな組み合わせだなおい。
僕がこのまま寝かせておくか否か、を考えていると、隣でペンをスラスラと動かしていた星見さんが、一枚のルーズリーフを僕に渡す。そのまま何も言わずに月築さんを抱えて部屋から出て行ってしまった。
正直、ここにいても何もすることがないので紙を見てから帰ろうと思い折り畳まれたルーズリーフを見る。
『口べたなので手紙にて失礼します』
「かわいいなおい!!!」
たまらずつっこんだ。
『本日はこんなに夜遅くまでお嬢様に付き合っていただき誠にありがとうございます。私も若干興味本位であなた様がどんな方かを見極めるためにカカオを用意したり、リアカーでチョコを買ってきたりと、ご無礼をすみませんでした』
うん、ごめん一発殴ってもいい?
さすがにこれ口には出さなかった。
『玄関にお車をご用意させましたので、それにてお帰りくださいませ。本日は娘のために本当にありがとうございました。 父:月築 作之新』
「…………え」
あれ、執事に化けたお父様だったの…………hahaha.
これドッキリとかじゃないよね? なにかの冗談とかそんなんじゃないよね? 違うよね?
ってかお父様口べたなのかよ。
とりあえず僕は体の底から湧き上がる星見さん、改め月築父への大量のツッコミを抑え、玄関へと向かった。
ドッキリではなく、玄関には車が用意されていた。
リムジンだったが。
その考えは家に着き眠い目をこすりながら風呂に入っているときに発泡剤の泡のごとく浮かんできた。
僕はそれを電話するかどうか迷った。こんな夜遅くに電話するのもな、と思いやめたが。
チョコの作り方教えただけで、まだ彼女自身作っても居なければ、まだ文字も書いてなかったけど……。
月築さん寝ていいのだろうか?
ま、文字なんて簡単に書けるし平気か、と思い浴槽から出た。
このとき僕は自分の考えが甘いと気づく事はなかった。
**************
次の日、学校へ行くと月築さんは居なかった。
先生曰く、遅刻だろうということだ。
その日は四時間授業でぼくはいつもどおり授業を受け、いつもどおり友達と駄弁り、いつもどおり終礼を終えた。
けれども月築さんは結局学校には来なかった。
終礼のあとの掃除を終えると、周りは一気にバラの花が咲いたようにあまったるい雰囲気になる。
あちこちでバレンタインデーの本命チョコをあげたり、もらってうれしがったりしてやがる。
「おい、いくつもらった?」
下駄箱へ向かってと歩いていると、友達が3人ほどでたむろって僕の方へやってくる。
彼らはどうやらもらってないようだ。纏っている雰囲気がなんかもの悲しい。
僕は残念そうに親指と人差し指の先をくっつけそいつらに見せる。
途端に咲き誇った笑顔がなんかむかつくが、まあいい。
「やっぱりおまえ等も〇なのか」
「ああ……ここ4人あわせて〇だ」
青春まっさかりに悲しい現実もあったものだ。
「今日は四人でカラオケで熱唱しようぜ!」
「「「だな」」」
悲しい高校生はカラオケで熱唱しながら汗という名の涙を流すのである。
僕の隣を歩くやつなんかまだ学校出ていないというのに希望を捨てて「カラオケ、カラオケ♪」と気分上々に口ずさんでいた。
下駄箱にて。
「おう、おまえら何個だ?」
「察しろ、いまから野郎四人でカラオケだ!」
「うわー、残念だな、俺ちゃんと一つもらったぜ! チ○ルだが」
「義理じゃねぇかよ」
吹き抜けの構造になっている下駄箱ではそのような会話が飛び交っている。ちなみに〇個のやつがカラオケに行くのは、この学校にある謎の風習だ。
僕は、そういえば月築さんはチョコをあげられたんだろうか、と内心相手を恨めしく思い、自分の靴箱の扉を開けた。
「ん?」
そこには自分の革靴、体育館履き、運動靴、そして謎の茶色の箱。
箱を開けると一通の巻物が置いてあった。
『屋上にて待つ』
たった六文字が書いてあった。
「なんだ、お前呼び出しか?」
恨めしそうに僕を見る友人に、僕はそれを見せつけた。
「究極のツンデレか、モノホンかもしれない」
そして心の中で、もうひとつ、と付け足した。
友人達は「ま、がんばれよ」と半笑いで言うやいなや、カラオケへと繰り出していった。
僕はこんなことをする人を一人しか知らない。
**************
僕が屋上に行くと、僕が思ったとおりの人がいた。
「月築さん、だよね手紙入れたの?」
「あ、お手紙読みましたか? きっと星見さんが下駄箱に入れてくれてたと思うんですが……」
きっとそれは星見さんじゃない、あなたの父親だ。
心では何度もそう呟き、月築さんの目の前に立つ。
目の下には、化粧で少し隠れているものの、うっすらとクマができていた。
「月築さん寝てないの?」
「いえ、昨日の夜、寝てしまったみたいで……。夜中にずっと字を書いてました」
えへへ、と顔を赤らめていた。
どうやらやはりチョコの作り方を教えるだけではだめだったみたいだ。
「こんなみっともない姿を見せるのもアレなので、授業も休んじゃいましたし……」
しかもチョコを渡すためだけに学校に来たのか。
そんなことを内心羨みつつ、さすがは再寒月、立ち話してても寒いだけなので本題へとはいる。
「ところで、チョコは渡せた?」
「いえ、まだですよ?」
かなり驚いたような表情をする月築さん。僕何か言った?
「え、っていうかここまで来て気づかないんですか?」
しかもかなり心外そうに。
……あ、もしかして。
僕はふと思い立った。
「僕宛…………だったりする?」
おそるおそる聞いてみると、ビンゴだったのか、月築さんは顔を赤らめてそっぽを向いてしまう。
あ、なんだろうこの高揚感。
今、僕、めっちゃうれしい。
そんな僕の心中を察したかどうかは知らないが、質問するとすぐに月築さんは足の横に置いてあった学校指定のバッグから小さいが、綺麗なラッピングのされた箱をとりだす。
「あんまり、上手く書けてないかもなんですけど、精一杯書きました」
僕は、ありがとう、と涙ぐみながらそれを受け取る。恋愛耐性〇の僕にとって、このチョコはお涙必須の感動巨編もビックリなぐらい感動した。
箱を開けると、ハートの形をしたチョコ一枚ずつに、白いクリームで文字が書いてあり、読める順に並べられていた。
僕は目尻に涙を溜めて、それを読んだ。
ぶっちゃけあんまり成長してなくて、
不格好で、
それぞれの字のバランスもまちまちで、
それぞれの字の大きさも違ったけれど。
精一杯書かれていた。
『ハッピー、バレントタトン』
僕が目尻から涙を流すことなくその場でずっこけたのは言うまでもない。
カタカナってむずかしいよね!




