二次会
7年付き合って、いよいよ結婚しょうと
二人で式場選び、日取りも決め、招待客に招待状もだして、後は当日を
待つだけだった。幸せいっぱいな日々から
奈落の底に突き落とされたあの日
結婚式をするはずだった日に、捨てる事が出来なかった指輪を外す
そこから、、奈々未はおかしな体験をする。
目を覚ました私の薬指には、あの指輪じやない別物の指輪をつけていた。
彼が指輪をはめてくれたの?夢の中の出来事だと思ったのに。
真新しく出来た新名所は、駅近くの高層ビル15階スカイホール
夜の暗闇の中、大きなガラス張りの窓からは、
無数のネオンの灯りが、星屑の様に散らばり見ているだけで癒される
景色が広がる、それはそれは、素敵な眺めです。
クラッシックのピアノ演奏と共に、先ほどの雑音がウソの様で
薄暗い、、ここの空間は穏やかで、ゆっくりと時間が
静かに流れている、、そんな場所に奈々未は居ました。
ガラス張り付近の4人掛けテーブルは満席
でも幹事達の計らいで、その席は奈々未達、数名が座り
残りの同級生達は奥まった個室が用意されている
その席に、一緒だったゆう子達が集まっていました。
時間差で、変わる事になるであろう奈々未が座っている
素敵な眺めのテーブル席には、何故か北都、亜季、みきが一緒でした。
数分前の事
顔出しだけで、早く帰るつもりだった奈々未は、眺めを堪能したくて
直也に、そんなに長くいないから、先にテーブル席で良いか聞いた所
良いよ~との返事、ゆう子達には、その旨を伝え離れて座る事になるけど
ごめんねと言った後、その席に座り、外の景色を堪能、感激していると
椅子を引く音に気づき、振り返ると北都と亜季が、にこやかな顔で
奈々未を見下ろしていました。
「あれ、、?名月さん、、」
「あ!!どうも、ごんばんは」
「え、、と、、紹介してくれないかな北都?」
「ああ、、そうか、、まだこの時は、、、」
「は、、う、、ん?何、、?」
「あ、こちら、名月奈々未さん、高校が同じで、、」
亜季に、初めてだから紹介してくれと、背中を押された北都は
何か言いたそうでしたが急かされるまま、私を紹介する
その雰囲気は、何処となく変な感じを覚える奈々未でしたが
ぎこちない、その言葉を受け入れ、亜季の顔をまともに、真正面から見れず
少し顔を背けて、挨拶をしました。
「あれ?奈々未、何?照れてるの?」
「え?」
後ろから聴こえてきた声の方を見ると、みきが笑いながら歩いてきました。
「あ!!みき、、ち、違うよ!!」
後ろで見ていたみきは、奈々未が顔を背けて、話す様子を見て
照れているように感じたらしい。
「違うからね、、もう、、勘違いだよ!!フフッ」
「えぇ、、そうなの?アハハ!」
そんな他愛も無い話に、笑いが起こり和やかな再会の様子を
余り、面白く思わない二人がいます。
その一人は、直ぐ隣のテーブルに居る、不機嫌そうな顔のリナと
先ほど、奈々未だけが気付いた身体の透けた女が、落ち込んだ顔で
誰も気づかないであろう?入口付近にあるクローゼットの片隅に
佇み、奈々未達4人組を凝視ていました。
話しが弾む中、どの位時間が過ぎたのか気づかずにいると
そろそろ席の交換だよと直也が言いに来ました。
「え!!もう、そんなに時間が過ぎた?」
4人は、直也から声を掛けられるまで、話しに夢中でした。
この二次会は、北都の送別会も兼ねる事を、前の会場で
知らされた奈々未は、断る事が出来ず
参加していたのもあり、まだまだ時間が掛かりそうな予感の中
このまま帰る事を直也に告げました。
「じゃあ、そろそろ私帰るから、直也君、お金の清算お願いします」
「え!!もう帰るの?まだいいじゃん」
「そうだよ!!まだ来たばっかじゃね」
皆が楽しんでいる雰囲気を壊したくなかった奈々未は
北都の送別会を兼ねた会費を、添えて渡したら
そっと静かに、帰ろうと思っていた所
「ねえ!!あれ?まだだよネ直也!!」
みきは、奈々未が帰ると言い出したことで、他の同級生も
便乗して、帰ってしまうと思ったのか
慌てて直也に、例の物を持ってくるように促します
「おう!!了解!!」
クローゼットの方へ慌ただしく歩いて行く直也を、気にする事無く
北都と亜季が、割り込んで話し始めました。
「名月、まだ居なよ」
「そうだよ!まだ、まだ、これからが楽しいんだよ」
「、、、。」
「この後、予定ある?」
「あ!!この後、誰かと待ち合わせ?」
二人の、怒涛の質問攻めに、あたふたしていると、個室に居た
ゆう子が、テーブル席の奈々未達を呼びに来ました。
「北都達は、二次会から参加だったからね、全員個室に集まって乾杯
したいから、こっち来て!!」
ゆう子に、誘導されテーブル席を後にした、奈々未達は奥まった個室に
入ると、そこでは、送別会の準備が整い、北都が中に
入るや否や、すぐさま、直也が頑張れ!!と花束を渡し
頑張ってね!とゆう子がプレゼントを渡しました。
北都は、そんな事知らなかったので、驚きより、びっくりして
その場から動けず固まっていました。
皆が北都を激励している、その時、悔しそうに遠巻きから見ている
透けて他から見えない姿の女が、どうして私はあの中に入れないの?
やっとの思いで、ここに来れたのに。。
そんな言葉を発し、、目からは涙が零れていました。
いつもありがとうございます。




