死天の真試練 その15
魔改造された世界樹の力で、死のオーラを吸いながら上空へ。
影法師たちが元となった者たちの能力などで、行われる妨害を阻止してくれていた。
「順調に進んでいるな……まあ、これを使うことは想定してなかったけど」
元より禁忌に指定された存在。
ノリで作ってみたものの、その後どう扱うかと持て余していたものだからな。
災い転じて福となす、思っていたのとは違う形だが使い道が見つかって良かった。
縦への成長は止まり、高度1万メートルはあるだろうこの場所。
運営がとことんこの場を調整してくれたお陰で、場外負けということもなく今なお試練は続行中──眼下では影法師たちと戦い、少しずつこちらへ近づく敵性ユニットの姿が。
「おおぅ、恐ろしい……『試作型増蓄魔銃・壱式』、“加速門”展開」
それに対し、俺は──芋る。
背水の陣とは言わずとも、こんな上空にまで来て今更どこへ向かうというのか。
取り出したるは魔銃──魔獣たちの力を利用し、弾丸を強化できる逸品。
カードリッジとして用意されたソレを、銃に差し込み読み込ませる。
「“魔獣機構接続・『岳借』”、“形状変更・『狙撃』”、“弾丸形式・『歪曲』”──“静射”」
そして、銃と弾丸の形を変え、武技を発動させて準備は万端。
狙うのは敵性ユニット、引き金を引けば弾丸は──あらぬ方向へと向かっていく。
ジッとこちらを、影法師と戦いながらも視線を向けていた敵性ユニット。
頭や心臓の辺りには、吸収されないよう徹底的に固めた死のオーラが張られている。
武技で音をほぼゼロにして撃ったが、そもそも発砲基が分かっているので無意味。
──なので目的はまた別、弾丸は音を発さず弧を描き、敵性ユニットを目指す。
その先を敵性ユニットは捕捉できない。
阻止するように影法師たちが行動し、周囲も濃霧で覆う徹底ぶり。
俺や影法師たちは『SEBAS』によって明瞭な視界を確保できているが、敵性ユニットにはそれが無い──頼れる視覚と聴覚での認識を奪ったうえで、曲がる弾丸を届けた。
「って……えー、気づくかそこ」
《オーラを周囲に張り巡らせることで、ギリギリでの感知を可能とし、即座に死の力で消し去ろうとしたようです》
「普通に狙撃してたら危なかったわけだ……でもそれ、『岳借』だぞ?」
かつてのイベントにおいて、他の魔獣たちの生息領域を模した殻を作っていた魔獣。
それを背負い込むことで、自身もまたある程度その性質を得ていた模様。
そんな魔獣の素材を用い、性質を引き継いだ弾丸。
それは撃った対象の内部から侵蝕を行い、対象を作り替えようとする。
魔獣の眷属としてか、それとも都合のいい殻としてか……いづれにせよ、それに特化した魔獣の力なので、簡単には対処できない。
※試作型増蓄魔銃・壱式
特に試作やら壱式に理由は無い……まあ、そういうもの
特殊耐久サバイバル部門にて、その場に有る物だけで作られた銃
魔獣由来の素材が多く用いられており、再現性はあるもののリスクが極めて高い
ある技術が施されており、それが無ければ従来の魔獣関連アイテム同様のリスクを有する
p.s. 無字×1189
えー、並列思考が欲しいと願う作者です
せめて読書を文字通り、読み書き同時に行うという意味でやりたい……!
間もなくなろうのリワード、11月分が開示されます
それ次第でいろいろと変えていくかもしれません




