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薄着に巨乳

 戦乙女にはさまざまな伝承がある。

 人間の戦士を束ねるくらいだから、そりゃあ本人も強くなくちゃいけないよな。


 ロリっ子神様が言うには、

「できる限りの能力を君にあげるから。筋力とか、魔力とか、もう前世とは比べ物にならなくなると思うよ」

 と、いうことらしい。


 まあ、生前の世界に《魔力》という概念はなかったが、この際それはどうでもいい。


 チートだ。転生最強だ。ワクワクするね。

 で。

 それだけ戦乙女が強いから、人間たちから《召還》されることもあるらしい。


 強い魔物が出たーとか、大抵はそういう理由らしい。

 勝手に召還されるなんて理不尽もいいところである。


 が、今日の俺は寛容だ。

 自分の強さを把握するためにも、連中の言う《悪鬼》とやらを相手してやってもいい。

 それに、一応は神様の端くれなわけだし、たまには人助けも悪くないだろう。


「人間たちよ。話を聞こう。そなたらは《悪鬼》とやらの退治を望んでいるのだな?」

「お、仰る通りでございます」

 男が低姿勢で答える。

「よかろう。その願い、聞き届ける」


 おおー、という歓喜にも似たどよめきが発せられる。

 マジで嬉しそうだ。相当困ってたんだな。

 動機はどうあれ、感謝されるのは悪くない。


「め、女神様、にえとして、我が村の女子おなごを捧げました。悪鬼には適いませんでしたが、あれも立派な戦士。よろしければヴァルハラへ召還してやってくださいませ」


 ヴァルハラ――というのは、神々の住まう居城のようなものだ。

 俺が初めてロリっ子神様と対面したのも、ヴァルハラにある宮殿である。


 と、そんなことより。

 いますげー発言を聞いた気がする。

 村の女の子を生け贄に捧げただって?

 それすなわち、異世界転生モノによくある奴隷――ではなく、俺の手足となって戦う戦士のことだ。


 よくよく周囲を見れば、豪勢な棺が、多数の花に囲まれる形で安置されている。あのなかにくだんの娘の遺体があると思われる。


 なるほど。

 俺を召還するには《贄》が必要ということか。

 なかなかに残酷な話だが、神とて暇ではない。人間側にもそれなりの対価が必要だということだ。


 で。

 噂の女の子とはいったい……


「女神様」

 ふいに、脇から声をかけられた。

「マ、マジか」

 思わず驚嘆の声を漏らす俺。


 美少女だ。

 非の付け所のない美少女が俺の脇に立っていた。

 さらりと輝かしい白銀の髪を腰まで伸ばしている。

 栗色の丸い瞳がどこか可愛いらしく、柔和で優しそうな人格が窺い知れる。

 肌も透き通るように白い。

 身につけている衣服が、薄い黄ワンピースだけ――というのは、この村が貧相なためか。それとも男の直情を誘うためか。

 どちらにしろ、薄い肌着にぼんっと飛び出ている乳がやばい。でかい。


 美少女は俺にひざまづきながら言った。

「セレスと申します。どうぞお見知りおきを」

「セレス……失礼だが、生け贄というのは君のことか?」

「ええ。その通りです」 


 言われてみれば、セレスの身体はうっすら透けている。人間たちには見えていないようだ。


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