1/2
彼女
「せ、先輩のことが好きです。」
ああ、告白というのはこんなに緊張するものなのか。
高校に入学して、廊下ですれ違った1つ上の先輩に一目惚れだった。
彼女の肌は透き通るように白く、降り注ぐ太陽を反射して眩しい。鼻筋は通り、目は二重のぱっちりで、それをふちどるまつ毛は綺麗に生え揃っている。日に当たって暖かいのかほんのりと色づく頬は愛らしさを醸し出し、ぽってりとした唇はそこだけ妖艶な雰囲気をつくっていた。僕は彼女の顔から目が離せなかったのだ。
しかし、目の前で読書をしていた彼女は未だに一度も顔をあげることはなく、驚いているだけかと思い、もう一度声をかけようと息を吸い込んだ時。
彼女は読んでいる本を閉じ、無言で立ち上がる。
「興味ない」
「えっ、ちょ」
そういって混乱する僕の隣を過ぎると扉を開けて階段を降りて行った。
一度も顔を見ず。
彼はまだ知らなかったのだ、彼女について。
だってまだ入学して一週間も経っていないんだから。




