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都市 死の箱舟
〈死への箱舟 city〉
時折こう思うことがある。
人はなにものかに生かされている。
それは親であるかもしれないし、恋人かもしれない。友人かもしれないし、子供によってかもしれない。
しかし、どう考えても、今俺が生きている理由についてわからなかった。
俺は人生の中で、ある時は他人に殺されることをのぞまれ、ある時は他人を殺しながら生きたことがある。
すなわち、俺はそこら中に俺を覆い尽くしている死の中で、かろうじて生きているということになる。
ともすれば、今俺がここで生きていることの方がかえって不自然に思われる。
本当はここは俺の居場所ではないのではないか。
一方で、世界を歩いてみて少しだけわかったことがある。
何もこれは俺だけに限定された問題でなく、もっと(この世界の人間が抱える)普遍的なものだ。
少なくともこの世界に限って言えば皆死ぬことを何者かにのぞまれる。生きることを否定される。
だとしたら人間がなぜ生かされているのかがわからなくなる。
俺は、我々を揺り動かしている絶対的な存在に問いたい。
なぜ我々をまだ生かしているのか、と。




