第241話 説得
「いいかい?俺は勉強を積みにいかなくては行けないんだ。
今回のようなイレギュラーな依頼さえ受けなければ、今頃、俺は順当に進学への道を歩んでいるんだ。」
「何を言っているんだ?」
「リーダー。いや、もうリーダーじゃないわね。
クーリア。王君はね、必要な知識を学んでいる最中に横槍が入って、本来の責務を全うできてないって事なのよ。」
ナスティラさんがやんわりとまとめて下さった。
正直、ナスティラさんには頭が上がらない。
ナスティラさんはこちらを今擁護してくれるが、いつ反旗を翻すか解らん。
『気を失った女性陣を元あるべき人たちの下へとお返ししたのも彼女です。
記憶を読み、特定の場所へと運んで上げていたのです。
何を褒美として要求されるか・・・』
ああ、その通りだ。
俺は死ぬかもしれない。
他種族の受け入れも彼女の功績だ。
『魔力や魔法が化け物だな。英雄たちの祖先を色濃く引いているのも頷けるぜ。』
そんなナスティラさんはしっかりメイクやファッションを決め込んでいる。
理由は俺の前だからとか。
元の素材が良いのに、更に努力するとは。
女性の鏡な。
あ、これギャルの鉄則。
『違います。』
「ナスティラ。私は容認できんぞ。
王が我らを連れずに動くなど、何が起こるか解ったもんじゃない!」
フリールアさんも180度性格が変わっている。
「フリー。そうは言ってもこっちにはこっちのルールがある。
って言ってもだ。王なのは変わらない。
だから、ルールに対して文句を言うのは何か納得しねえな。」
ザクセリアは理屈じゃない。
本能的に俺の言う事であり、俺の国であるからこそ、文句を出すのは筋ではないと。
『独裁政権ですから。』
そんな国はすぐに滅びます。
なので、独裁政は却下です。
『勝手に祭り上げるがな。』
違いない。
「王よ。どうか我々を連れてみないか?」
「それはありがたいけど、一応こちらも護衛を待たせてるし。」
「そんな雑魚よりは強い。」
ラルミーは時々強さアピールしてくる。
無口だが、意外と力アピール強い。
「ラルミーの気合いはともかく。
私としては容認しづらい。
目の前で見ていないのものある。
けど、王を信じていない訳では無い。」
ミカエラさんはやはり頭が良い。
確実な保証が欲しいんだ。
「うーーーん。と言ってもだ・・・・」
この国でこの人たちとギリ対峙できるのが、ディアしか心当たりがない。
『何故いたのかは疑問ですが。』
『コイツの匂いでも嗅ぎつけたんだろ。』
最近、犬思考な奴ら多くない?
『ですが、クラウディア様以外は難しいかと。』
『召喚すれば良いんじゃね?』
ロキはできる気がするが、魔法の系統が違う。
ロキ単体はできるが、ナスティラさんみたいな使い方ではない。
『つまりは呼べたとして魔王娘だけか。』
ここはルルか。
『ルシファル様も強いです。
彼女ならこの方達と互角に戦えます。』
よし。
「解った。じゃあ、1人呼ぼうか。」
「そうだね。力を見るだけなら1人で十分だとも。」
「という訳で、ルルーーーー!」
『何て原始的な呼び方を。』
それしか呼ぶ方法が解らん。
僕、通信魔法や魔道具が使えない。
『ほんと、頭だけでっかくなったな。』
何か引っかかるんだけど!!
そんな討論の最中に空から黒い羽が舞う。
どうやら来たようだ。
空かは漆黒の羽を宿し女性がキャストの前へと舞い降りた。
「呼んだかい?僕のキャスト。」
「呼んだよ。ありがとう。」
そして何も言わずにキスしてくる。
お姉さんの圧力に俺はなす術もない。
『そういう時だけ雑魚ですから。』
やっぱ、口の悪さのグレードが上がってません?
「ところで・・・・また増やしたの?」
「ぬぐぉ。こ、これには訳が・・・・」
ルルの抱き締める力が急激に強くなった。
『浮気がバレた感じですか?』
モノの例えが正確過ぎて怖い。
『別に良いだろうに。』
『「君たちは黙って。」』
忘れてはいたであろう。
ルルは俺の武器とコンタクトを取れる。
「へえ?同じ翼・・・しかし堕天か。」
「そういう君は半端者だね。」
見えない火花が彼女たちの間を行き来している。
「ほう。確かに強い。
ここの銀髪騎士よりは強い。」
「ナッハハハハハハ!!」
分析するクーリアに何故か高笑いのラーシャ。
「まあ。ラーシャの高笑いから相当強いわ。」
「ヤミール?解るの?」
「はい。王様。
私は人の中身を理解する事ができます。」
何その超能力!
『この世は広いです。
魔法・スキルとは別に何かしらの力も存在する筈です。』
俺も欲しかった。
というか、むしろ俺はそっちの力が宿っていて欲しかった・・・
「え!?へ!?」
急に目の前で落ち込む俺にあわあわするヤミールだ。
「よしよし。」
ラルミーさんによる謎の慰めにホッコリです。
「は!面白え。
コイツレベルが向こうにはいんのかよ。」
「何なの?この肉だるま?」
「おもれえ!ぶっ殺す!」
「やめんか!バカが。王を悲しませるな。」
ザクセリアさんは脳みそガチガチなので。
ちなみに超ドSです。
『攻められたい男子からすると、最高の存在だからな。』
間違いない。夜もとて
『それ以上の解説は不要です。』
あ、はい。
「まあ、認めたくはないが、僕以上もいるよ。向こうには。
ただ、性格に難ありかな。」
誰の事言ってんの?
ねえねえ。誰の事言ってんの?
『あの人しかいません。』
『アイツしかいねえだろ。』
だろうね。
「む。キャストもその安心する感じ・・・
相当強いんだな。」
「へえ?会ってみたいわね。」
ナスティラさんが魔女のような笑みを浮かべる。
ミシェイラさんは野生モードに。
ラーシャはアホみたいに高笑い。
「殺気を剥き出しにするな。面倒臭い。
僕はキャストのため以外は戦いたくないよ。」
「ルルは正直だね。」
「それ以外に興味がない。」
良いお姉さんだ。一生貢いでくれそうだ。
『貢がれたら最後です。』
何かこの世界に来てから、より自身で稼ぎ思考が強まった気がする。
常に金に対して愚直に生きてきたが、この世界ではより負けられない感じがする。
『周りの奥様方が優秀過ぎて、プライドを刺激されているのでしょう。』
『稼ぐ必要なんてねえ。』
青龍さんはブレないね。
「クーリア。いい加減認めたらどうだ?」
「納得がいかない。
妻である分、私が近くに居ないのは尚の事だ。」
「キサマ、物凄い個人的観念だな。」
「いつのまに・・・・この際は良いけど。
なら、こうしよう。
ウチからも1人だけ選出しよう。」
途端、空気がピリつく。
「ミカエラさんやい。これ大丈夫なの?」
「フフ。皆んな王と居たいのだよ。」
嬉しいが、死者でるよ?
『彼女たちレベルならお構いなしでしょう。』
「迷惑な。キャストもいい加減、程々にしないと押し潰されるよ。」
「はい。言う通りかと。」
ルルに説教される日が来るとは。
「ルールはジャンケンで決めてくれ。」
「な!主君よ!ジャンケンでは瞬発力のあるラルミーたちに分があります!」
アミリアンから否定的な意見が。
ってか、ジャンケンに瞬発力って・・・・・
「じゃあ、くじ引きな。俺がくじを用意する。
覗かないようにね。
ルル。見張りを頼むよ。」
「了解。」
何だろう。
どこぞの嫁たちのように、同じ現象が後何回続くのであろうか。




