80 女神の祝福
「俺は、女神フランソワーズとの婚約を、ここに誓う」
王弟殿下が婚約契約書にサインした。
これで、私とクロガネ様は、晴れて婚約者となった。
日曜の朝、王宮の上は雲一つない透き通るような気持ちの良い青空で、今日も女神の祝福を受けられそうだ。
聖女の泉の前で、立会人は、聖女サクラと、王女ルナだ。
私は、今日も学園の制服だ。薄い砂色のエンビ服とベスト、ズボン、白いシャツ、黒いベルトとショートブーツ。
爵位を表す色のレディース・ボウタイは、赤……ヘアクリップも銀から赤に戻した。
エメラルティー侯爵令嬢ではなく、国王から、功績を認められ、女神の称号とともに、一代侯爵を授与された。急だったので、家名は検討中だ。
王弟殿下と結婚して、クロガネ公爵夫人となるための準備だ。
領地は、亡くなった筆頭侯爵の領地、次席侯爵の領地を引き継ぐ予定であるが、男爵となった侍女たちに、一部を分け与えるつもりでいる。
「オレを幸せに出来なった分も、フランを幸せにしろよ!」
聖女サクラが、笑いながら、クロガネ様に声援を送った。やはり、彼女は空気を読まない。けど、なんだかうれしい。
クロガネ様が、聖女サクラに微笑む……え? クロガネ様が一瞬、勇敢な黒ヒョウのような顔に、勇者の顔になった!
あれ? いつものクロガネ様だ……目の錯覚だったのだろうか。
「結婚式では、ブーケトスは、ぜひ私にくださいね」
王族用のドレスを着たルナちゃんが、私にお願いしてきた。
彼女は、心のわだかまりが、とけたようだ。
「私は、クロガネ様と政略結婚なのですか?」
国王が、王弟殿下と女神の婚約を宣言したと、王宮にウワサが広まり、私たちは政略結婚だと見られており、少し悔しい思いをしている。
「いや、恋愛結婚だ」
そうハッキリと答えられると、逆に恥ずかしい。
「私は、告白されましたが、明確にはプロポーズされていませんよ」
少し意地悪だが、どうしてもクロガネ様から、ハッキリとしたプロポーズの言葉を聞きたい。
「そ、そうだな……」
幼い頃に私から結婚を申し込んだが、クロガネ様から結婚は申し込まれていない。
「異世界の小説に、プロポーズの言葉は、何と書いてあるんだ?」
クロガネ様は、異世界の小説が気になってしょうがないみたいだ。ちょくちょく内容を聞いてくる。
「内緒です。小説ではなく、自分の言葉で言って欲しいです」
私は、唇に指を当てて、微笑んだ。
王都の青い空に、女神の祝福が広がった……
――― FIN ―――
(お礼の言葉)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の恋愛物語は、中学生の皆さんにも読んでいただきたいと考え、ソフトに仕上げました。なので、大人の方々には、少々物足りないのではと、心配しておりました。
なお、二十年ほど前の「流行り病」に起きた事件について、別途、ハイファンタジーとして仕上げ「国王専属メイドは執行聖女 害なす者は天界でお幸せに」というタイトルで、公開しております。R15指定ではありますが、よろしければ、合わせて読んでいただければ幸いです。
ではまた、次回作で。(*^-^*)ノシ
2024年9月 甘い秋空
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