昼、食堂にて。
午前の授業も終わり、俺と夕夜と真昼との3人で食堂に来ていた。
「来週からテストかー。」
「中間だし、範囲そこまでないだろ。」
うだれる俺に夕夜の一言が刺さる。
「いやあ、高2の内容結構難しくなってきたし、」
「じゃあ勉強しろよ。」
今度は真昼の正論が刺さる。
「クランの維持費が。」
「「1週間くらいお前が居なくても大丈夫。てか、再試や、補講になってみろ、それこそキレるからな。」」
流石は双子、息ぴったりである。
「は、はい。今週末は頑張ります。」
「いや、今日からやれ。」
「部活してないんだから、俺たちがログインできる時間まで勉強してろ。」
「は、はい。」
「昨日の報告はそれからだ。」
「お兄さんにも聞くからな、お前の様子。」
「そ、それだけはやめてください。」
「「ならやれ。」」
「は、はい。」
この2人ゲーム内では外道だが、基本的にまじめであるから勉強に関しては自分たちにも、他人にも厳しいのである。加えて、2人は部活もしながら、勉強もこなして、あのゲームではランカーに入るくらいにはやりこんでいる。しかもショートスリーパーである。完璧超人の双子である。しかも、結構モテる。
「あのう、真昼君。少しいいかな。」
説教が終わり食器を戻して教室に戻ろうとすると、真昼に女子の1人が話かていた。後方にはその子を見守る女子の集団ができていた。
「境、夕夜先に戻っていてくれ。」
「ウイー。」
「はいはい。次移動教室だからなー。」
「うん。」
そして、俺と夕夜は教室に戻った。
「今週は真昼だったかー。」
「そうだな。」
次の授業の教材を出しながら、さっきの話の続きを始めた。
「どうすると思う。」
「いや、断るだろ。学年違ったし、部活でも見たことない先輩だったよ。」
「そうかー。」
「あ、うらやましいのか。」
「うるせえな。こちとら生まれて一回も告られたことないんですー。」
「ひがむな童貞。」
「童貞はお前もだろ。」
「・・・・・。」
数秒の沈黙が流れた。そして周りの聞き耳を立てていた女子達の顔面が蒼白になっていた。
「え、まじかお前。」
「なわけないだろ。お前までマジに信じるなよ。」
女子達の安堵の声が聞こえた。
「まあ、モテるってのも大変だな。」
「そうなんだよ。ま、お前にはわからないだろうけど。」
「一発顔面殴らせろ、整形してやる。」
「やめとけー、後が怖いぞー。」
夕夜が指さした方を見ると馬松兄弟ファンクラブの女子達が臨戦態勢に入っていた。
「す、すみませんでしたー。」
俺は挙げた拳を引っ込めた。それから昼休みが終わる10分前くらいまで、夕夜に勉強を習った。女子達も習おうとしてきたが、夕夜がきっぱりと断り、肩を落として席に戻っていった。途中俺をすごい形相でにらんできた。ものすごく怖かった。時間なので次の教室に移動しようとすると、真昼が戻ってきた。
「どうだった。」
結果は分かりっているが、一応聞いてみることにした。