基地と軍人
自分より年齢が下のお姉さんキャラを年上キャラと言ってもいいのだろうか……。
「今見ていただいた通り、彼には特別な能力があり、その能力を使えばゾンビに怯えなくてもよい生活を送れるようになります」
「もちろん、彼は初の男性ということもあり不安も大きいでしょうが、対価は私一人でいいと話がついております」
「という訳で、今後彼らもここを拠点として共に生活することになりました。文句がある方は出て行ってください」
「三階以上に結界を張ったから、下に行かない限りはゾンビに襲われることはないと思うよ」
「よろしくお願いします」
全員の前に立ってそう挨拶すると、みんなは複雑そうな表情をしながらも頷いた。まあ、そうするしかないんだけど。
「では、光様。気になる点などございましたら」
「その子、感染してるけどいいの?」
俺がとある少女を指差すと、一人を除いた全員が距離を取りサークルのようなものが出来上がる。当然、いきなりそんなことを言われた少女は何が起きているのか理解できずオドオドと周りを見渡す。
「えっ? えっ?」
「ちょっと! 何言ってるのよ!」
「事実だけど?」
「ふざけないで! この子は感染してない!」
「そう言われてもなぁ……」
感染している少女を守るように気の強い少女が前に立つ。番犬のようにギャンギャンと吠えてくる彼女を無視して能力を発動し、光の結界で二人を囲んで閉じ込めた。
「何するのよ!」
「君みたいな自殺志願者を助ける余裕なんてないんだ……」
――翌日
「大丈夫、私が何とかしてみせるから」
「……ごめんね」
「え?」
そう言った少女の肉体がひび割れ、瞳は赤く染まっていく。
「わたし、噓ついた。一人ぼっちは、寂しいから、だから……」
「何……言って……」
「一緒に、死んでくれて……あぁりィィガァァァトォォォォ」
「キャアアアア!」
ゾンビへと変貌した少女の歯が、親友であるはずの彼女の肩に食い込み血が飛び散る。彼女は少女の肩を掴み引き離そうとするが、ゾンビになって力が増した少女はピクリとも動かない。
グジュグジュと生きた肉を喰らう音と彼女の悲鳴が部屋中に響き渡る。
「いた! 痛いぃ! 誰かああああ!」
「アァァァァァァ!」
「だから言ったのに」
大勢が吐きながら目を逸らす中、俺はその光景を横目にみんなに優しく告げる。
「でも、皆のことは俺が守ってあげるから。安心して、国の助けを待つといいよ」
結界内で光を爆発させて、二人を処分する。あとに残っていたのは二人が着ていた服だけだった。
それから数週間後、ゾンビを蹴散らしながらやってきた軍隊によって俺たちは救助された。軍が造った仮設基地でお互い椅子に座って自己紹介を行う。
俺たちの前に座ったのは、周りから隊長と呼ばれていた黒髪ショートでナイスボディの豪快そうな美人さんだった。軍人だからか筋肉が凄く身長も俺より高い、あとお尻が弱そう。
「改めて。私はこの地区を任されている円だ、よろしく」
「よろしく。俺は光、こっちは茜、こっちは美玲」
「「よろしくお願いします」」
「よろしく。それで、君も適合者なのか?」
「「適合者?」」
不思議そうに首を傾げる俺たちに、円さんは丁寧に説明してくれた。
いわく、ゾンビ化の原因は人類進化ウイルスと呼ばれる薬であること
適合した人間は肉体の能力が大幅に強化されること
ゾンビの場合は肉体が強化される他にも火を無効化したりといった特殊な能力をもつ場合もあること
「私も適合者の一人だ」
「確かに、強かったしね」
「君ほどではないがな……」
そう言って隊長さんがジッと見つめてくるが、朝起きたら使えるようになっていただけなので説明もクソもない。という話をすると、一旦は納得してくれたのか隊長である円さん自ら俺たちに基地内の施設を案内してくれた。
夜、みんなでお風呂に入って自分たちに宛がわれたコンテナ部屋で盛り上がっていると円さんが訪ねてきた。
「すまない。きみに聞きたいことがあるのだが……」
「何?」
「その……今、いいのか?」
「うん」
「……そうか」
円さんは経験済みなのか、頬を少し赤くする程度でそれ以上の反応はしてくれなかった……ちょっと残念。
ーーーー
私はただの訓練生だった。しかしゾンビが溢れたあの日、軍人として戦場に出向いた私は……ゾンビに不覚を取り、適合者となった。
それからはあれよあれよという間に階級が上がり、いつの間にか震源地を担当する立場になっていた。さもありなん、適合者と一般兵では実力が違いすぎる。
基地を建築し人の出入りを規制し、街に出向いて生存者を探す。学校やデパートなど人が多そうな場所を優先して探索した結果、二人の適合者を味方に付けることに成功した。
その内の一人は現実では考えられない超能力とでも言うべき能力を持っており、彼との関係を結ぶことは何よりも最優先とされた。
そしてなんやかんやあり、私が色仕掛けすることになった。命令だから従うが、私でダメだった場合他の女隊員を宛がうと言われたのでなるべく失敗したくはない。
しかし、私と彼はそれなりに歳が離れていれば初めてという訳でもないし、経験も少ないから男の誘い方なんて全く知らない……一体どうするべきか。
色々と考えながら入浴を終え、彼らに与えた部屋へ向かいノックをするが……返事がなかったので勝手に扉を開けてお邪魔する。
「すまない。きみに聞きたいことがあるのだが……」
どうやらお取込み中だったらしく、危うく変な声が出そうになるがギリギリで堪えた。私は平静を装って彼に話しかける。
「その……今、いいのか?」
「うん」
「……そうか」
彼は腰の動きを止めることなく続きを促してきた。正気か?
はぁ……一度ため息をついた私は、部屋中に漂う男女の匂いに酔いそうになりながらも何とか口を開く。
「きみは、年上の女性を思う?」
違う、こんなことを言うつもりではなかった。大人の女性として余裕を持ってリードする予定が……。
ほんの少し後悔しながら今から挽回できないかと考えていると、キリをつけた彼がいやらしい目を私に向けてきた。
「それって例えば、円さんみたいな?」
「まあ、そうだな」
「もちろん興奮するけど……ヤらせてくれるの?」
「……少々、欲求不満でな」
上からの指示だとバレるわけにはいかないので、適当な嘘をついて誤魔化す。
ベッドの上から粘ついた視線を向けてくる彼の前に座り、興奮を煽るように一枚ずつゆっくりと服を脱いでいけば、彼の身体が分かりやすく反応を見せてくれた。
私は今までに感じたことのない羞恥の感情を味わいながら、何一つ隠さずに彼の目を見つめて感想を求める。
「どう……だろうか……」
「綺麗だよ、円さん」
ただの任務のはずなのに、少し褒められただけで私の身体が熱を帯び始める。まあ、随分とご無沙汰だったし、それに任務とはいえ十歳近く年が下の男の子とするというのは、その……正直興奮する。
どうせ上のやつらは私のことを都合のいい駒としか考えていないのだから、少しくらい楽しんでも罰は当たらないだろう。
心の中でそう言い訳をしながら無抵抗に押し倒されると、彼は興奮のままに私の胸を弄り唇を蹂躙する。流石に慣れているだけあって彼は上手く、少し触られただけで私の身体はいとも簡単に彼を受け入れる準備を整えてしまうのだった。
「んっ……どうだ? 私の触り心地は……」
「柔らかくて、気持ちよくて……ずっと触ってたいぐらいだよ」
「それはよかった……だが、こっちの方も。な?」
こうして、私は無事に任務を完了した。途中からは夢中になりすぎて気が付いたら朝になってしまっていたが……まあ、誤差みたいなものだろう。
しかし、若い男に本気で求められるというのは、その……中々に素晴らしい体験だったな、癖になってしまいそうだ。
縁結び
↓
円 (まどか)
軍人の適合者のため強くてでかい。
恋愛経験が豊富ではない上にゴツイのを気にしているのでそこを攻めればすぐに堕ちる、年下にハマりそうな自分をヤバいと思っているがそれはそれ、これはこれ。




