表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/2

始まりと委員長

普段はゾンビパニックものあまり見ないんですがとある作品が面白かったので書きました。まあやりたいことやっただけですがテンプレはわりと回収できたかなと思います。






「この世界はもうダメですね」




 白い空間の中、女神は呟く。


 とある人間が開発したウイルスが事故でばら撒かれた事によって、人類が滅亡する未来が確定してしまったのだ。




「という訳で、私はこの世界を放棄しますが、どうせなら対抗策の一つくらい与えてもいいかなと思い、あなたに力を授けました」




 そう言われたのは一人の男『掛橋(かけはし) (ひかる)』どこにでもいる普通の男子高校生である。




「力の使い方を教えましょう。目が覚めたら此処でのことは忘れますが、使い方はなんとなく覚えているはずです」




ーーーー




 目が覚めたら、国中でゾンビが発生したというニュースをテレビでやっていた。そして俺は、光を操る謎の超能力に目覚めていた。




「……これからどうしよう」




 取り敢えず光の結界を張ってゾンビが近づけないようにしたので、この家は安全……二度寝するか。そう考えた時、インターホンが鳴った。




「はいはい、どちら様ですかーっと」




 リビングのカメラで玄関前を確認すると、そこに立っていたのは悲痛な面持ちで首から血を流している黒髪ロングの清楚な女の子、うちのクラスの委員長だった。




「助けて! このままだと死んじゃう!」




 どうしよう、どうしたらいい?




ーーーー




 わたしは(あかね)、どこにでもいる真面目な女子高生……だった。今日もいつも通り余裕を持って学校へ向かうと、途中で倒れてる女の人がいたから近づいて「大丈夫ですか」と声をかけてあげた。


 そうしたら、その女の人がいきなり襲い掛かってきて首を噛まれた。すごく痛くて、怖くて、咄嗟に突き飛ばして走った。幸いにも、女の人は足が遅かったから何とかなった。


 それで、助けてもらおうと近くの家を尋ねたら




「どっか行け! バケモノ!」




 そう言われた。その時わたしは思い出した、今朝に見たニュースのことを。


 嫌な汗が全身から滲むのを感じながら、そんなわけがないと多くの家を訪ねる。でも、結果は同じ。




(誰でもいいから助けてよ!)




 そんな時、ふととある家が目に入った。クラスメイトの男子が住んでいる家、学校の目の前だったからなんとなく憶えていた。


 彼はいつもクラスで一人だった。そんな彼にわたしは委員長として毎日のように挨拶をしてあげていたし、彼もまんざらではなさそうだった。


 もしかしたら、わたしに気があるのかもしれない、助けてもらえるかもしれない……わたしはすぐに、彼の家へ向かって走った。




「助けて! このままだと死んじゃう!」

「みんないじわるするの! わたしは何もしてないのに!」

「お願い! 助けてくれたら何でもするから!」




 そうやって必死になってインターホンに向かって叫んでいたら、彼はドアを開けてわたしを迎え入れてくれた。それがとても嬉しくて、わたしはとびきりの笑顔で彼に話しかける。




「ありがとう、光くん」


(やっぱり、わたしのこと好きなんだ。そうだよね、いつも一人で、わたしぐらいしか話す人いないもんね)


「ど、どういたしまして。あの、お風呂あるから。あっ、でも、シャワーしか……」


「ううん、凄く嬉しい。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらうね」


「う、うん」




 脱衣所に案内してもらい、彼が出ていったのを確認してから服を脱ぐ。


 浴室に入り、これから感じるであろう痛みに対する覚悟を決めて温かくなったシャワーを左手ですくって首にかけた。




「うっ……あれ?」




 痛みを感じない……不思議に思って鏡を見てみると、そこには綺麗な白い肌だけが映っていた。




「なんだ……傷、無いじゃん」




 みんな、噓吐いてたんだ。わたしは悪くないのに、みんなしてわたしを遠ざけて……光くんだけがわたしを受け入れてくれた。




(恥ずかしいけど、思春期の男の子だし……きっと、そーゆーお願いされちゃうよね……でも、光くん、そこまで顔も悪くないし、優しいし……)




 両手で頬を叩き、この後の行為に対する覚悟を決めたわたしは丁寧に身体を清めてから浴室を出た。


 身体を拭いてドライヤーで髪を乾かした後、彼が用意してくれたであろう男物の服を無視してバスタオルを身体に巻いて肌を隠す。


 脱衣所を出て、扉からテレビの音が漏れているリビングらしき部屋に入り、ソファに座ってスマホを触っている彼の隣に座る。




「お風呂ありがとう、光くん」


「どういたしまし、て!?」




 途中でわたしがバスタオル一枚なことに気付いた彼は分かりやすく驚いて、数秒見惚れた後慌てて目を逸らした。




「ご、ごめん!」


「光くんは、何で助けてくれたの?」


「えっ、その、それは……」


「わたしのこと、好きだからでしょ?」




 そう言って、彼の顔を下から覗き込むと真っ赤な顔で黙り込んでしまう。しかし、その表情は全てを物語っていた。


 それが何だか可愛らしくて、わたしの心臓が大きく高鳴る。




「……いいよ」


「え?」


「光くんだけが、助けてくれたから」




 わたしはバスタオルから手を離すと、彼の膝に乗って少し高くなった視点から彼の目を見つめる。


 思わず逸らされた視線を、頬に手を添えて自分へと戻す。




「あの、その……」


「わたしも、光くんのことが好き。だから……好きにしていいよ?」


「……ゴクリ」




 息を飲んだ彼に、ゆっくりと顔を近づける。きっと彼は余裕がないだろうから、わたしがリードしてあげないと。


 そうして、わたしたちはお互いの初めてを交換した。光くんは可愛くてカッコよくて、優しくて激しくて……とても、素敵な男の子だった。




世界を繋ぐ 光魔法

掛橋 光 (かけはし ひかる)

女神に適当に選ばれた存在。光魔法が使える。

色を知ったことで性格が歪んでいく。


血 赤

茜 (あかね)

みんなに優しい真面目な委員長。まあまあ傲慢。

唯一ゾンビに嚙まれた自分を助けてくれた主人公に依存している。


面白かったら評価とかお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ