#27 大野宮さんの文化祭~前編~
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「静かな恋愛~朝にしか会えない君と~ 」をどうぞ!
二日後の土曜日、俺はいつも乗っている二本後の電車に乗る。
隣に大野宮さんはいない。だけども俺はとても浮かれていた。
大野宮さんに誘われて文化祭へ行くのだから。
好きな歌手の曲を聴きながら気分上々で電車に揺られること四十分。
前に言われた通りの駅に降りて大野宮さんの高校へ向かう。
高校の正門前に到着すると豪華に飾りつけがされており
"The 文化祭"というような雰囲気が漂ってきた。
期待を胸に俺は校内へと足を踏み入れる。
まず目に留まったのは巨大な風船だった。かなり大きく
中央には高校名とともにカラフルな字で"文化祭!"と書かれていた。
思わず俺は写真を撮る。周りを見てみるとOBやOAらしき人や
在校生の保護者、地域の人たちがたくさんいた。
すると大野宮さんからメッセージが入る。
大野宮【どう無事につけた?】
俺【はい!大きな風船の前にいます!】
大野宮【大きな風船ね、わかった!すぐに行く!】
俺がメッセージを送るとすぐに既読になりその速度が伝わってくる。
……えっ、俺のところに来るの!?
もう一度メッセージを見返すと確かに書いてあった。
せっかくの文化祭なのに悪いな……と思っていると
後ろから肩をたたかれた。その瞬間、驚いた勢いで
俺「うわっ!?」
後ろを振り返ると声なく笑う大野宮さんの姿があった。
俺「ちょっ、大野宮さん驚かさないでくださいよ」
そう言うと大野宮さんはいつものメモ帳を取り出そうとするが
笑いすぎて字を書くのもままならない状況らしい。
ひとしきり笑い終えた大野宮さんは紙を俺に見せる。
「ごめんごめん、つい驚かしたくなって。でも想像以上の
リアクションで面白すぎて」
俺「びっくりしましたよ。メッセージが来た数秒後に
驚かされたので。というかクラスの方は大丈夫なんですか?」
「大丈夫!前も言った通り裏方で作業に関してはもう終わったから!」
そんな会話をしながら外のメインエリアであるグラウンドへ向かう。
俺「ひっろ!」
広大なグラウンドを目にして俺の第一声はそれだった。
「でしょ、確か県内で一番とかじゃなかったかな」
俺「そうなんですね、うちの高校は結構狭いので羨ましいです」
「いやいや、テストで赤点とか取ると補習&この広いグラウンド5周の
罰が待っているから結構大変だよ。まあ私は体験したことないけど」
このグラウンド5周か……きつそうだな。
「朝からちょっと機材のトラブルがあったみたいだから疲れた~」
俺「別に走ってこなくてもよかったんですけどね」
「そりゃあ一刻も早く凌君を案内してあげたかったからね」
そう紙を書いた文字を見せながらニコリと微笑む大野宮さんに目を奪われる。
俺「せ、せっかくなのでなんか食べたいですね」
まだ朝だというのに周りからはとてもおいしそうなにおいがしてきた。
「そうだね~フードは主に三年生と先生それからOB、OAの人たちが
やってるからどれも力作だよ~」
俺「どの立場で言ってるんですか」
俺は笑いながら大野宮さんにツッコむ。お互いに笑いあうこの時間も楽しい。
それから大野宮さんのリクエストによって綿あめを手に文化祭を回る。
「グラウンドはこんなに広いけど校舎はそこそこ小さいんだよね」
早くも綿あめを食べ終えた大野宮さんがそう紙を見せてくる。
俺「食べるの早いですね。確かにグラウンドが広すぎるせいか
俺のところよりも小さく感じますね」
「ということでここからは校舎を案内するね~」
そう紙を見せた後に大野宮さんは何の躊躇もなく俺の腕を引っ張って
校舎の中へ移動する。おそらく今の俺は顔が赤くなっていると思う。
腕を引っ張られ続けてとある階段に来ると大野宮さんが止まった。
俺「大野宮さんどうしたんですか?」
?「あっ、亜紀!文化祭楽しんでるってその子?……もしかして彼氏!?」
そう女の人が言うと大野宮さんは俺の腕を慌てて放して
紙を見せつけるようにして何かを伝えようとしている。
?「えっと……"彼氏じゃない!前に話してた子!"ってあ~電車で
会ったって言ってたいい感じの子?」
わちゃわちゃ話している様子からおそらく大野宮さんの友達なんだろう。
友達「"別にいい感じでもなんでもない?"まあ本人がいるからって照れ
なくてもいいのに……始めまして、いつも亜紀がお世話になっています」
一瞬、親かと思うほどの切り替えの早さだった。
俺「はっ、初めましてこ、小林って言います……」
友達「小林君のことは亜紀からずっと聞いてるよ。
この子、なかなか男子とかかわりがないからせめて友達
欲を言えば彼氏とかできないかな~って思っていたんだよね」
"彼氏"という言葉に思わず恥ずかしくなる俺。
するとその間に大野宮さんが入ってきて紙を見せつける。
友達「"だから彼氏じゃないって"?……わかったわよ、そういうことに
しておいてあげるわ。邪魔したわね、じゃあ二人とも楽しんで~」
そう言い残して大野宮さんの友達は去って行った。
「ごめんねいろいろと」
俺「い、いや全然大丈夫ですよ……」
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




