#26 文化祭まで残り数日
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「静かな恋愛~朝にしか会えない君と~ 」をどうぞ!
それから数日後、俺と大野宮さんが話す話題はずっと文化祭だった。
「そういえば大野宮さんは文化祭で何やるんですか?」
「うちのクラスは演劇やるんだけど、しゃべれないから
基本裏方で作業してるよ!」
「なんかすみません」
もしかしたら大野宮さんが"嫌だったかも……"と思った俺は
すぐにそう返事を返す。すると大野宮さんは笑って
「そんな謝ることじゃないよ。確かに劇とか見てると私も
参加したいなって思うときはあるけど生まれつきで仕方がないし
それにその劇を陰で支えているのは私たちだって意識すると
自然と裏方の作業も決してムダじゃないって思えるの」
そう俺に語り掛けるようなその文字にひきつけられる。
やっぱり大野宮さんは大野宮さんらしい。
「すごいですね、俺なんかそこまで前向きになれませんよ」
「無理して前向きにならなくてもいいんだよ。自分自身が前向きに
なりたいときに前を向いてしっかり歩き出せば!
小さいころからお母さんに言われてそれが心の支えになってるの」
……そう話す大野宮さんに見惚れていた。大野宮さんは俺の好きな人であり
憧れの人でもある。いつかこんな大野宮さんみたいな広い人に
なれたらなと思うことがある。それから俺たちは文化祭の話や
好きな曲の話をしながら学校までの時間を楽しんだ。
それから朝学校へ登校すると琴音が声をかけてくる。
琴音「おっ、おはよう」
俺「おはよう琴音、この時間に来るなんて珍しいな」
琴音「りょっ……凌がいつもこの時間にきっ、来てるから……」
……そうだった琴音からもとの関係に戻りたいと言われたときに
つけ足されたんだった。"絶対に好きにさせるから"って……
琴音はそんなキャラだったっけ?と疑問に持ちながら
苦笑いで"はいはい"と流した記憶がある。
しかし、まさかここまで全力でアタックしてくるとは……
俺が振ったときのメンタルと違いすぎないか?
……口に出すと琴音をまた傷つけることになるが
"俺は琴音に気持ちが向くことはない"。とはいっても
琴音自身もそれは重々承知していることだろう。
それをわかっていても追いかけたいのは"好きな人"だからだ。
琴音「そっ、そういえばもう少しでぶ、文化祭だな」
大野宮さんの方ですっかり忘れていたが俺たちの方も
これから文化祭の準備が始まっていく時期に突入したのだ。
俺「だな、高校初めての文化祭一体何をやるんだろうな」
そんなことを話しながら俺たちはHRの準備をする。
先生「ところどころから文化祭の話題が聞こえてきますが
来週から定期テストが始まるのでそれを乗り越えてから
楽しみましょうね」
そう微笑む先生の顔に俺は思わず顔をしかめる。
そしてHRが終了して俺は見事なほどまでに撃沈していた。
琴音「もっ、もしかしてて、テストあるの忘れてた?」
琴音から言われたことがまさにその通りで今の俺には
クリティカルヒットだった……もうやめて、俺のライフはゼロよ……
俺「あ、ああ……文化祭関係で完全に忘れていた」
テスト期間が大野宮さんの文化祭とかぶっていなかったことが
不幸中の幸いというべきだろうか。
琴音「っ、べっ勉強なら任せろ!わっ、私が教える……」
頬を赤らめながら目線を合わせようとしない。
俺「ありが……いや、今回は自分で頑張ろうと思う」
琴音の気持ちを知ってしまった今たやすく琴音に付き合っていたら
期待させてしまう……そしてまた琴音を傷つけてしまう気がした。
しかし俺の思いとは反対に琴音はまっすぐなまなざしで
琴音「もっ、もし私にき、気を遣っての行動なら……
やめてほしい。わっ、私は凌と一緒にいたい……
そっ、そりゃあ好きになってほしいけど、そ、それが叶わないことくらい
分かっている……だっ、だからいつも通りでいてほしい」
そうだった、琴音はこういうやつだった。
俺「わかった、なんか悪いな。俺が一番気を遣わないといけないはずなのに
琴音の方が気を遣ってくれて」
琴音「べっ、別に気を遣ってるわけじゃない。私がやりたいことだから」
まっすぐなまなざしで俺に笑いかけるその笑顔に思わず胸が痛んだ。
琴音「と、というか次の授業コンパス必要だけども、持ってきた?」
俺「……忘れた……」
ここ最近、大野宮さんの文化祭へ行けることがうれしすぎて
浮かれすぎてしまっている自分がいる。
琴音「たくっ、しっかりしっ、しろ!私が使い終わったらかっ、
貸してあげるから待ってろ……」
俺「ありがとう、恩に着るよ」
なんだかんだで俺と琴音は元の関係に戻りつつある。
もちろん完全に元通りになることはないけど琴音を傷つけないように
しながらも琴音いや"幼馴染"との時間をこれからも大切にしていきたいと思った。
帰り道、大野宮さんからメッセージが届く。
大野宮【明日から文化祭!校門前とかこんなに飾りつけ
されているからめちゃくちゃテンション上がる!】
そんな文章と添えられていたのは友達と楽しそうに笑う大野宮さんだった。
その写真を見るだけで胸の内が暖かくなるのを感じた。
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




