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Numbers  作者: 雨のち晴れ
最悪の野外実習編

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「まずい、まずい、まずい・・・・」

吉沢達と別れ、1人ゴブリン達の注意を惹きながら走り続ける高砂。何処に向かうでもなく、ただひたすらに吉沢達から離れる高砂。ようやく、敵視が切れ慎重にゴブリン達から逃げ始めた矢先、突如空に放たれた赤い光に目を奪われ油断してしまう高砂。果たして彼女はうまくゴブリン達から逃げ切れるのか?

「ギャャャャギャャャャギャッャャーーーーーー」


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


(どこまで行けば、あの2人に被害が及ばない場所まで行けるかしら)


高砂は、吉沢達と別れ1人森の中を走っていた。その後を追いかけるように魔物の群れも続く。どれぐらい走ったのか分からない。

でも、イリュージョンウェポンの効果があるまでは走り続ければならないのは事実。この、敵視が働いている最中は魔物達が高砂を目掛けて追いかけてくる。

逆を言えば、切れた瞬間高砂の敵視は離れ、近くにいる人間を魔物達は襲う事になる。


「切れたタイミングで、何処か身を隠せる場所があるといいんだけど。」


デバイスを持っている限り、高砂の位置はGPSにより他の生徒にも分かるようになっている。すると、ようやく高砂の敵視が切れた。


【シューーッン】


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。よし、だいぶ離れることが出来たかな。ここからは慎重に行動しないと。攻撃手段を持たない私じゃ、魔物に遭遇したら終わりだし。」


高砂は慎重に森の中を歩く。最新の注意をはらい、音を立てないように移動する。途中、いくつかの魔物をみつけるが息を殺しそっとその魔物が離れていくのを待つ。そして、再び移動を開始する。


【バーーーーーーーーーーッン】


「!?」


突如、離れた場所の空に赤色の光が放たれた。


「何、あの光は・・・・・・・。」


高砂は知る由もない。あれはnumbersだけが所有する道具。特に赤色の光は、ここ数年放たれていない。あの光の元に向かうべきかどうするか迷っていた。すると、高砂の後ろにゴブリンが現れる。


「!?」


「ギャャァァァァアアアアァァァァァ」


「しまった。油断した。」


ゴブリンは高砂に向けて短剣を振り下ろす。


【シュッ】


「クッ!」


間一髪ゴブリンの攻撃を避けた高砂。ゴブリンも当たったと思ったのだろう、しかし高砂は避けた。その事に対してゴブリンが苛立ちを覚える。すぐさまもう一回高砂へと攻撃を仕掛ける。突進してくるゴブリンに受けや攻撃をする術が無い高砂は、振り返りおもいっきり走って逃げる。


「まずい、まずい、まずい・・・・」


「ギャャャァギャァァギャャャャャャャャ」


高砂は必死に逃げる!逃げる!逃げる!逃げる!ここで仲間を呼ばれたら終わりだ。


(冗談じゃないんですけど!せっかくここまで逃げて来れたのに、ここで死んでしまったら意味がない。また豪君達に悲しい思いをさせてしまう。それだけは絶対に嫌だ!絶対に逃げ切るんだ。)


「ギャャャァギャァァギャャャャャャャャアアアアアア」


ゴブリンは、更に大きな声で雄たけびを上げる。すると、近くに居るゴブリン達が続々と集まる。


「ギャャャァギャァァギャ」


「ギャャャァギャァァギャャャャャャャャアアア」


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」


それでも高砂は走る、走る、走る。いったいどこへ向かえば良いのかという考えは捨てて必死に逃げる。今はただ遠くへと・・・・・・。木々が生い茂っており、視界がだいぶ悪い森の中木々の間からわずかに覗く光。昼間だと言うのに薄暗い森の中をひたすら走る高砂であったが、ここで右足が木の根っこに引っかかり転んでしまう。


【ガツッ】


「~~~~~~~~~~~~~~~~」


声にもならない声が出る。右足と右腕は肉が見えるほど酷く擦り剥け、おまけに右足の感覚がなくなる。泣くのを堪え必死に立とうとするが、右足の感覚が無いためうまく立ち上がれない。


【ドンッ】


再び地面に倒れこんでしまう高砂。


「う・・・・・う・・・・・・うう・・・・ううう・・。」


もはや大声で叫ぶことも出来ず、生きることを諦めた顔になってしまう。


「お母さん・・・・、皐月・・・・・柚子・・・ごめん。お姉ちゃんはここまでみたい。あぁ、悔しいな。皐月も来年は学園に入学して一緒に登校したかったのに。柚子の成長も見たかったのに。お母さんに、また悲しい思いさせちゃうな。」


「ギャャャアアアアアアャャャャギャャャャアアア」


「豪君・・・。無事でいて・・・・・・。」


複数のゴブリンが高砂に笑いながら近寄る。棍棒を掲げ勝ち誇ったかのように。


「ギャ、ギャ、ギャャャャ、ギャ、ギャ」


そして、高砂目掛けて短剣が振り下ろされる。高砂も目を瞑り観念する。


「・・・・・・・・・・・・さようなら、みんな。」


【グシャ】


【ボトッ】


何か大きなものが地面に落ち、生臭い匂いがする。高砂は恐る恐る片目を開ける。そこには、肩に大剣を乗せ美しい輝きを放つポニーテールの銀髪が風に揺れている。何度も見たことある女性の後ろ姿。そして、その女性が高砂の方に向いて、


「百合ちゃん、大丈夫?私が来たからにはもう平気よ!」


そこには、ニカッと笑う姿がとても可愛くまだあどけなさが残る夜桜が立っていた。


「う・・・うう・・・うう・・・・紅葉さん。何でここに?」


高砂は、その姿を見て安心したのかボロボロと涙が溢れ出る。


「何でって?そりゃ決まってんじゃん!私の大切な妹的存在の百合ちゃんを助けに来たからに決まっているじゃない!」


「う・・・う・・うう・・・・ううう・・うううう・・・」


「ほら、泣かない!」


「う・うう・ううう・ううう・・・・・・」


「もう、この子ったら。ほんと手のかかる子ね。」


「う・うう・うう・・・ご・・・・ごめんなさい・・・。」


「まぁ、いいわ!妹ってこんなものなのかしらね。百合ちゃん、そこから動かないでね!サクッと終わらせちゃうから!」


そして、夜桜は大剣を構え周りのゴブリン達を睨みつける。


「あんた達!覚悟しなさいよね!百合ちゃんにした仕打ち、ただじゃ済まさないからね!」

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