救い
高砂のおかげですっかり元通りになった吉沢達。今後どうするべきかと悩んでいる時、1人の少女が2人の前に現れる。その少女は、高砂の事は自分に任せて2人は一ノ瀬真斗と合流しなさいと告げる。そして、1人の少女と2人の男子生徒は、各自向かうべきところへと向かうのであった。
高砂に助けられた吉沢と青柳。
【シューーッン。】
【パリンっ】
高砂のイリュージョンウェポンの効果が切れた。高砂のイリュージョンウェポンの効果で2人は傷口も塞がり、完全に回復した。
「なぁ、どうする豪!?辺りに魔物の気配は感じないが?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉沢は今後どう動くべきか考えていた。高砂の元へと戻り、3人で魔物を殲滅するか、はたまた一度真斗達と合流し一緒に高砂の救援に向かうか。どうすべきなのか考えがまとまらない。そんな時、1人の人物が吉沢達の元へと現れる。
「あなた達、ここで何をしているの?」
「あなたは!?」
「私の名前は夜桜紅葉。高等部1年の生徒よ!今、高砂百合さんの救出に向かっている最中なの!あなた達は2人だけ?」
「た、高砂の救出!?」
「えぇ。そうよ。今、1人で取り残されている彼女を救うべく動いているの。」
「ほ、本当か!?」
「何よ!信じてくれないのかしら!?失礼しちゃうわね!」
吉沢と青柳はお互い顔を見合わせて喜ぶ。
「よ、良かった・・・・・・・・・。」
「良かったな、吉沢!」
「あぁ、本当に良かった。そ、その、ありがとうございます。」
「い、いえ、べ、別に・・・・」
自分のしている事で、吉沢と青柳が救われた顔になったことに誇りを持つ夜桜。そして、青柳が口を開く。
「俺達は、今現在ここで起きていることを伝えるために、高砂と高橋と言う生徒を学園に向かわせたんです。ですが、高砂だけが戻ってきてしまい、負傷した俺達を助けてくれて1人で魔物の群れを率いて出て行ってしまったんです。もう1人の高橋も、無事に学園にたどり着けたかどうか・・・。」
「負傷した?でも君たち、見る限りじゃ制服はボロボロだけど傷1つ無いように見えるけど。」
「これは・・・・・。高砂のイリュージョンウェポンのおかげなんです。あいつのイリュージョンウェポンの効果は人を回復出来る能力を持っているんです。」
「回復!?それってとても貴重な能力じゃない。numbersの救護班も数名しか居ないって聞いたことあるし。」
「そうなんですか?」
「えぇ、重宝されてるらしいわよ。代わりの利かない能力だから優先度はかなり高いはず。失敗したわねnumbersも。それと、その高橋って子の事だけどその子は無事に学園に来たわよ!そして、私達に助けを求めに来た。そのおかげで私がいち早くここに来れたってわけ!」
「本当ですか!?た、高橋が・・・高橋がやってくれたのか・・・・・・・。良かった。」
「えぇ、彼が必死に頼み込んだおかげでnumbers本部も動き、今はnumbers7の所にはnumbers1が向かっているわ!お手柄よ、君たち!君たちが高橋君を学園まで連れて来なければ、おそらくnumbers1も動かなかったと思う。これでみんな助かるは!」
「ありがとうございます。」
「お礼なら、泣きながら必死に頼み込んだ高橋君に言うべきね。それと、この後君たちはnumbers7の所に合流してちょうだい。おそらく、numbers7の所にはnumbers1よりも早くたどり着けるだろうしね。そして、この事をnumbers7の一ノ瀬真斗君に伝えて!」
「一ノ瀬真斗?一ノ瀬真斗って確か、うちのクラスの姫崎の兄じゃ・・・。でも弱いって聞いてるしそんな奴同行してなかったよな?」
「う、うん。うちの班はnumbers7しかいなかったはず。」
「その、numbers7が楓ちゃんのお兄さんなのよ!」
「「えええええええええええええええ」」
「ほら、そんな事より急いで!百合ちゃんの事は私に任せて。」
「百合ちゃんって、夜桜さんは百合と知り合いなのですか?」
「知り合い?ってよりも友達かしら?まぁ、妹みたい存在ね。だから私は助けたいの。なので、早くあなた達は一ノ瀬君と合流しなさい!そして、私達を助けに来なさい!いいわね!」
「は、はい」
「よし、いい子!じゃ、私は先に行くから一ノ瀬君達をよろしくね。」
そして夜桜は高砂を救うべく動き出す。また、吉沢達も一ノ瀬の元へと向かうのだが。
【夜桜と吉沢が出会ったと同じ頃】
「みんな、平気か!もう少し耐えてくれ!」
「はぁ、はぁ、はぁ。」
(だいぶきつくなってきたか。マナ切れの生徒達もだいぶ増えてきたしな)
「ま、真斗さん!あ、あれ!」
1人の生徒がとある場所を指さす。するとそこにはひときわ大きい魔物、ジャイアントオーガが1体居た。
「ガァアァァァアァァァアアアァアアアァァァァァ」
「おいおい、冗談だろ。ここに来て何てものが来やがる。」
人の5倍はあろう大きさのジャイアントオーガはじりじりと真斗達に近寄る。
「みんな、撤退だ!森の中に逃げろ!」
真斗は他の生徒にあえて攻撃しないように促した。あいつの注意を自分に向けるためだ。
「あいつは俺が殺る。」
「「「は、はい!」」」
動ける生徒達は、マナ切れの生徒に肩を貸し必死に森の中に逃げようとするがマナ切れの多くの生徒は取り残されてしまう。そして、まだ周りにはゴブリン達が山ほどいる。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「こ、この!邪魔だ!」
「ガァアァァァアァアアアアアアアアアア」
「クソが!」
真斗もドラグーンバレットで、生徒達の逃げ道を作るがジャイアントオーガと戦いながらだとうまくいかない。そして、
【ドスッ】
1人の生徒がゴブリンの攻撃を受け倒れこむ。腹から大量の血が溢れ出て、それを見た生徒達はたちまちパニックに陥る。
「きゃゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「お、お前等落ち着け!冷静にな・・・・・グハッ」
【ドンッ】
生徒達の悲鳴に一瞬油断してしまった真斗。ジャイアントオーガの攻撃を避けきれずもろに食らってしまい地面を転がる真斗。
「漆様!!!!!」
「ま、まずい!漆様の攻撃が止んだぞ!?」
「そ、そんな・・・」
「な、漆様、起きて起きてください!」
ジャイアントオーガは真斗を睨みつけて、一呼吸おいてニヤリとしながら真斗を踏もうとする。
「漆様ーーーーー!逃げてーーーーー!」
「イヤーーーーーーーーーーーァァァァァ」
「ダ、ダメーーーーーーーーー!」
すると、生徒達の間から2人の人影が真斗に向かい過ぎ去っていく。
【ガキンっ】
「殺らせはしねーぜ!」
「吉沢!青柳!」
颯爽とみんなの前に現れた吉沢と青柳。踏まれそうな真斗の前に立ち、ジャイアントオーガの足を受け止める。
「みんな、もう少し耐えろ!もうすぐnumbers本部から応援が来る。それまで何とか耐えるんだ!」
しかし生徒達は吉沢の言葉を信用していない。なぜなら、
「さっきも漆様も応援が来るって言っていたけど、全然来る気配がねーんだよ!」
「そうだそうだ!俺達は見捨てられたんだ!」
「きっとA班だって見捨てられたに違いない!」
「大丈夫!必ず来る!だからもう少しだけ、もう少しだけでいいんだ!それまで耐えてくれ!」
「もうすぐっていつだよ!俺達はいつまで待てば良いんだ!?答えろ、吉沢!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「吉沢!!!!!!!!!」
「今だよ!」
「「「「「「!?」」」」」」
【ザシュ】【ザシュ】【ザシュ】【ザシュ】【ザシュ】
【ボトッ】【ボトッ】【ボトッ】【ボトッ】【ボトッ】
森の奥から誰か近づいてくる。やがてその人物は姿を現す。
生徒達の目の前に現れた1人の女性。numbersのコートを身に纏い、裾には1の文字が入っている。
「誰?・・・・。」
「numbersのコート着ているからnumbersで間違いないが。」
「でも、見たことある?」
「いや、無いな・・・・・。」
「漆様以外は素顔を見たことあったけど。」
「っておい!あの人の番号!」
「え!?」
「1だ。」
「あの人、numbers1か・・・・・・。」
「漆様より、情報のないnumbers1。」
「どうしてここに・・・・。」
皆、栞菜の登場に驚きを隠せない。それもそのはず。numbers1は、真斗以上に謎に包まれておりその正体を知るものは少ない。何より2年前からずっと遠くで任務しており、今日戻って来たばかりなのだから。
「どうしてここにですって?そりゃ、婚約者のピンチだもの、助けに来るに決まってるじゃない!」
「婚約者!?」
「ええええええ!漆様の婚約者!?」
「嘘だろ!?」
「マジかよ」
「わ、わ、私、悪い夢でも見ているのかしら・・。」
「ショ、ショックで死にそう。」
「ああぁぁぁ。私の結婚の夢が・・・。」
「残念でした!2年前から、真斗とは結婚するって決まってるのよ!」
「な、な、漆様。う、嘘だと言ってください。」
「さーて、私の婚約者をここまで痛めつけてくれた子犬ちゃん達?」
【【【ゾクっ】】】
「ただで死ねると思うなよ。クソゴミが。」




