第33話 開校式
春になり、吹く風が温かくなってきた頃。
領都に造られた学校に、保護者に連れられた子供たちの声が響いた。
元々は教会として使われていた建物だが、教師たちのお陰で改装されていた。
「新入生の皆さんは、講堂にお集まりくださーい!」
マーガレットとアンが保護者と子供たちに誘導をしていると、セバスチャンが声をかけてきた。
「マーガレット様、そろそろ開校式のお時間でございます」
「もうそんな時間ね。今行くわ」
マーガレットは講堂に入ると、司会者として演台の前に立った。
既に、アーサーを始めとする学校関係者や、新入生の保護者たちが配置された席に着いていた。
「ただいまより、ノースフォード辺境領立東の学び舎の開校式を始めます。…新入生入場。大きな拍手でお出迎えください」
セバスチャンがドアを開くと、クラスごとに整列した生徒たちが緊張した面持ちで入場した。
生徒たちが着席したのを確認し、マーガレットは続けた。
「開会の辞。アーサー•ノースフォード辺境伯、お願いします」
アーサーが立ち上がり、壇上に上がる。
「この度、我がノースフォード辺境領に新たに学校を設立することになった。栄えある1期生として恥じぬように、よく学ぶように」
挨拶が終わると、次は教師たちの紹介だ。
6人が壇上に上がり、それぞれ簡単な経歴と自己紹介をしてもらう。
「次に、担任の先生の発表です。先生方は、担当するクラスの新入生の前に並んでください」
マーガレットがアナウンスすると、生徒たちは一層緊張した面持ちになった。
1組、アラン。2組、ジェームス。3組、マリ。4組、アダム。
それが終わると、後は退場するだけだ。
「これで開校式を終わりです。新入生が退場します。新入生は担任の先生の後に続いて退場してください。大きな拍手でお見送りください」
教師たちに続き、生徒たちが退場していった。
この後は、各クラスでオリエンテーションが行われる予定だ。
無事に式が終わり、保護者たちが講堂から出ていくのを見て、マーガレットはほっと胸を撫で下ろした。




