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散文詩  作者: 百島圭子
31/57

散文詩 31 「生まれる」

日々、心に残ったことを文字にしてみた

「生まれる」


『産んでくれって頼んだ覚えはない!』って、昔のドラマでよく出てきたセリフだ。不良少年が過干渉の親にぶつけるお決まりのセリフ。私の中学時代は校内暴力があちこちで起きて荒れた時代だった。金八先生も忙しかった。私の両親は仲が悪かったから、私も何でこんな家に生まれてきたんだろうとしょっちゅう思っていた。


でも自分の子供には「あんたたちがお母さんのところに生まれてきたいって言うから産んだんだ」と幼い頃から刷り込んでやった。


私は2回子供を産んだが、実際の出産では本当に二人とも自分で生まれてこようと頑張っていた。無理やりこの世に引っ張り出されたわけではなく、自ら必死にやって来た。私もそれに付き合った。


一人目は陣痛が始まってから生まれるまで35時間くらいかかった。私はもう死にそうだった。個人病院で水中出産したが、老練の産婦人科の先生は陣痛が始まって入院してきた私を見るなり、まだまだだな、と助産師さんに任せてゴルフに行ってしまった。


「せんせ~~~い~~」と内心不安になったが、先生の言う通り先生がゴルフを満喫して帰ってきたときも私はまだ陣痛に苦しんでいた。長男は何時間も頑張って生まれてきた。


生まれてきたかったんだ。もし嫌々生まれるのなら、こんなに頑張るはずがない。


次男は一度開通しているトンネルを通るのでどんどん前進してきた。私はちょっと待ってくれ、ちょっと休憩させてくれと何度か頼んだが、休まずに前進して生まれてきた。


生まれてきた時の記憶がある人もいるかもしれないが、記憶がないなら一生懸命に頑張って自ら生まれてきたと想像するのと、嫌々この世にやって来たと想像するのでは、その後の生きる視点が変わってくると思う。


だから私は子供たちに私のところに生まれてきたいと頼み込まれたから大変な思いをして産んでやったと言っている。子供に感謝されたいからじゃない。彼らが生きる土台、生きる始まりを彼らのものにしてやりたいのだ。他者から強いられて生まれてきたのではなく、自分の意志でこの世にやって来たのなら彼らの人生が彼らのものになる。


人生うまくいかない時、嫌々始まった人生なら投げ出したくなるだろう。でも自分の意志で始めた人生なら自分でなんとかできそうだ。自分で考え、決断して、その結果に責任を持つ。自分の人生ならそれができるだろう。



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