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Another Elements  作者: 翡翠 律
ー新緑の瞳の王-
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1.私の名前

はじめまして

初心者で投稿の仕方がいまいちわからず、ゆっくりですが書いていきたいと思います。

よろしくお願いします。

光が


トルルルル、トルルルル

「あ、もしもし、え、そんな、、


「ドアが閉まりまーす

ガチャン

「おまえさぁ、部活こいよ


「ねぇ、どうしたの?

「おい、授業はじめるぞー


それまでの雑音が全て消えて静かになる

一面の光....


キミハドウシタイノ?


誰かが遠くで問いかける


光が


弾けた




1.私の名前



「きゃああぁぁぁぁ♡やったわー!超可愛い子ゲット!

 お姉さんラッキー♡♡」


 目の前に突如現れた超絶美形の女性が声高らかに喜んでいる。いや、喜んでると言うより踊ってる。誰だよ、これ。


 彼女の肌は陶器のように白く輝き、金色の瞳はキラキラと日の光のように煌き、額で分けられた足元まで届く長い白金色の髪はまるで光をはなつかのように...


 いや、本気で光放ってるから!なにこれ、一体なんなのぉーー!?

 と考えていたら、彼女の放出する光が弱くなっていく。


「?」


 みるみるうちに彼女をとりまく光は消失し、陶器のような肌はそのままだけど、金の瞳は優しげな小麦の穂のような薄茶色に、そして白金色の髪は艶がある金髪にと変化した。


(光がなくなった?)


 すると、目の前の美人はハッとした顔をして自分の姿を見回す。手や足が光らなくなったことを確認した彼女は嬉々として拳を振りあげた。


「これでっ!!これであの方の元にいけますわっ!」

キッ。彼女がこちらを振り向いた。


(ひいぃっ!)


 美人にいきなり直視されるのがこれほど心臓にわるいと思わなかった。

 びっくりした私の肩をガクガクとゆさぶりながら彼女は言った。


「私は光の精霊でしたの。ありがとう!あなたが来てくれたおかげで私は自由よ!あっ、もちろん世界は復興済みだから、そこまでは責任もったんだからねっ!あとはこの国の発展だけ。あとはあなたに任せたわ!


(は?)


「じゃっ!バイバーイ♡」

 彼女は言うだけ言って、私の目の前から飛びたって...行かなかった。


 ハッとした顔で私を振り返り、慌てて駆け寄ると私の手のひらにギュッと両手で何かを押し付ける。


「これを渡すのを忘れていたわ!これはとても大事なもの。絶対に他の者に渡さないように」


 超絶美形が急に真面目な声で私の目を見つめながら話すから私はゴクリと喉を鳴らした。


手のひらをそっと開いてみると、それは手のひらにおさまるくらいの長丸の石だった。

 キラキラと色とりどりに優しく光る。

 なんだっけ?

 確かこれは


「オパール」


 超絶美形がニッコリ笑う。

「この世界での貴方の名前はこの石に因んでオパールにしましょう。」


 え、ちょっと待って

 私にはちゃんと名前があるのよ

 ママやパパがつけてくれた大事な名前が。

 おじさんやおばさんはちゃんと呼んでくれなかったけど、ママやパパがいなくなった後もおばあちゃんは呼んでくれた。

 私の名前は...私の名前は


「じゃっ。今度こそ、バイバイだわ。もう精霊じゃない私が言って効果があるかわからないけど、貴方に祝福があらんことを」


 自分の名前を思い出せず呆然とする私にパッチンと超絶美形がウィンクして飛びたっていった。

まるで羽が生えたかのように軽やかに。


(って、おい!精霊って、なんだよ!

 アンタだれなんだよ!

 これはいったいなんなんだよーーーー!)


 広い広い高台の野っ原に私は1人残されたのだった。



 それから月日は流れた。

 もう流れて流れて流れまくった。

 高台にあるこの場所は遠くまでよくみはらせる。

 月日が流れることによって、私の目の前の風景は私がこの場所に来た時よりも様変わりしていった。

 まず、遠くに見えていたなにもなかったただの集落の周りに畑ができた。

 そして畑がだんだんと大きくなると村ができた。

 村ははじめとてもみすぼらしい家屋しかなかったが畑が大きくなるにつれ、白い壁の頑丈なつくりの建物になっていった。

 畑がこれでもかと広がったあと、白い建物の村にもくもくと煙の上がる煙突ができた。

 煙突は日に日に数を増し、村は街となった。

 そして、村の真ん中にあった一番大きな家屋は城となった。

 街はどんどん発展しているのか街の周りの畑に整備された道ができた。

 その道を沢山の荷馬車が行き交い出した。

 そして城はさらに大きくなり。城の周りには高い城壁ができた。


 ...一体どれほどの月日が流れたんだろうか。

 私は遠くにそびえたつ白亜の城をみながら心の中でつぶやいた

 なんで、この場所からうごかないんだって?そりゃ


「動けないんだよおぉぉーーー」


 超絶美形の謎の光るお姉さんと出会った日からずっと私はこの場所を動けなかった。

 いや、動きたいとは思っているのだが、私は正座をした体制で金縛りのようになっている。

 我ながらよくこんな場所にずっと正座できるよなと思う。

 高台の野原にある四角く切り取られた石の床の上、天井はなく四方を白い石の柱で囲まれていた。


 おかしい。

 絶対におかしい。

 見渡す景色もまるで日本とかけ離れている。

 遠くに見える山は岩と針葉樹林で覆われ、街並みは 西洋の御伽話にでてくる街のよう。



 そもそも私は自分の部屋にいたはずなのに。

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