第十七話「聖峰の虹の塔」
‐レインボータワー 最上階 虹の間
???「ケッヘッヘ…太陽の光を塔の中に入らない様にすれば虹は作れん…よって魔物がすみやすい塔に変わる…。昔…親父ができなかったこと…俺が代わりにしてやるぜ!」
虹の精ライト「や…めろ…」
???「生きて居たのかい?妖精さん。虹の精ライトさんよぉ」
ライト「…この城に太陽の光が…入らなくなったら…」
???「一体どうなるんだろうね?きっと、ほかの街も俺の親父の仲間たちが制圧してるさ。今頃は魔物の巣窟かな」
ライト「う…」
???「軍曹であった親父ヘルヘイムはかつてもこの塔を攻めたが計画は失敗に終わってる…今度は泣き親父に代わって俺が…制圧する…父とは違う俺を見せてやる」
ライト「…兵長の…分際で…」
???「兵長でも立派な役職だ。親父には劣るが…」
ライト「ヘルヘイムは魔物を大量につれてきたが…お前は3体と少ない…それで…勝てるのか?」
???「親父は軍は数と言っていた。でも、多ければいいってもんじゃない。俺は違うね。魔物一体の能力で同じ軍の強さに変わる。数で攻めるか魔物の能力で攻めるか…の違いさ」
ライト「兵長…ヘルム…」
兵長ヘルム「おっと、長話が過ぎたな。さて、お役御免さ」
ライト「例え、俺がお前に殺されても仲間がきっと助けに来る」
ヘルム「その時は俺の優秀な部下と応戦して戦うよ。さぁ、さらばだ」
???「兵長!…魔王様…からです」
ヘルム「魔王様から…?クッ…始末はあとにするか。上等兵ヨロク!他の二人に伝えておけ…ゴニョゴニョ…」
上等兵ヨロク「ハッ!わかりました!」
‐レインボータワー 地下 光無き暗闇の間
???「光がないとはいいもんだねぇ、この地下も少し改良して私たち好みにしたし。どうだい?二等兵パリス。何か感想は?」
二等兵パリス「…一等兵マキア…」
一等兵マキア「マキアさんだろう?」
パリス「マリアさん…確かに。暗闇は僕たちの良い住み家ですね」
マキア「そうだろう?きっと、兵長ヘルム様もお喜びのはずだ」
ヨロク「マキア、パリスちょっといいか?」
マキア「ヨロクさん。いったい何のご用でしょう?」
ヨロク「うむ…兵長から伝言があってな」
パリス「ヘルム様からですか」
ヨロク「ゴニョゴニョ…」
マキア「なんですって!?ヘルム様に魔王様からの召集命令?」
ヨロク「いや、召集命令かはわからん…ただ、魔王様からの呼ばれたのは確かだ」
パリス「召集命令だとどうなるんです?」
マキア「バカ!そんなのもわからないのかしら?だから二等兵なのよ」
パリス「うぅ…」
ヨロク「まぁまぁ、マキアあまり責めるな。魔王様からの召集命令とは…」
-魔王様からの召集命令…魔王直々に魔王城へ呼ばれる滅多にない事。呼ばれたものは魔王軍に貢献して褒美を授かることもある。しかし、それは本当に数少ない事例。大半は仕事のミスなどでひどい場合は殺されてしまう。
パリス「ってことは…ヘルム様はどうなんでしょう?」
ヨロク「虹の塔制圧の褒美か…だが失敗なんてしてないしな」
マキア「これは楽しみね…(ウフフ。ヘルム様が消されれば階位が一つ上がり私が上等兵…リーダーになれるわ。ヨロクさんはきっと兵長になるはずだしね…ウフフ)」
ヨロク「よし、俺たちも仕事にかかるぞ」
パリス「はい!」
マキア「えぇ、そうね。わかりました!」