第12話 桐島聡のツッコミ
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
さてさて、みなさん、お年玉もらいましたか?それとも、あげましたか?
私はもらったり、上げたりする立場ではないので、ノーコメントですが、どうですか?
今年は巳年という事らしいのですが、そんなことはいいとして、今年は小説を書くのをやめるかもしれないですけど、その辺含めて、よろしくお願いします。
歓迎遠足・・・それは、一年生の入学を祝う代わりに、わざわざ遠回りして、とある目的地へと向かわせるという体力を消費させる行事である。
オレ達は、一年生なのでその行事に参加しなければなかったので、仕方なく歩く事、一時間弱・・・ようやく、とある公園へと到着した。
「あーっ!だるーっ!くそ、足がパンパンだっ!」
桐島は叫ぶように喋るので、オレはイラつく。何故、ギャアギャア喚かないと喋れないのだろうか?面倒くさいヤツだ。
遠足は疲れるが、桐島の相手をしているともっと疲れるのだが・・・この疲れをどこにぶつけようか?
しばらく教師の説明やレクレーションという全校生徒でドッヂボールで遊びを楽しみ、ようやく昼飯が食べられる時間となったのだ。
「優、一緒にお弁当食べよっ!ね?」
潤はオレに一緒に食事しようと誘うので、断る理由がないから了承。しかし、余計なヤツが参加してしまうのだ。ソイツの名は・・・
「うほーっ!夕崎さんの弁当おいしそうだねっ!」
桐島だ。アホの子、桐島だ。そんな桐島にムカついたオレは抗議を申し立てる。
「お前は雑草でも食っとけ・・・大好物なんだろ?」
「違うわっ!」
「なっ、何だと?!」
「そんなに驚いた声を出されても困る!」
色々と何かと抗議する桐島。
そんなこんなで三人で飯を食べる事になったのだが・・・オレの弁当箱にある異変に気づいた桐島は目を見開き、口をパクパクと開き、オレの弁当箱にフルフルと指差す。
「お、お前の弁当箱・・・まるで恋人が作ったような弁当箱だな・・・」
オレは弁当を見つめて、はっと気づいた。
白ご飯に海苔で『スキ』と書かれていて、目や口が付いているタコさんウインナーに、エビフライに、ブロッコリーに、プチトマト・・・典型的な女の子の弁当の内容に驚きを隠せないオレ・・・
チラリと潤を見て、オレの視線に気づいた潤は顔を真っ赤にして俯いていた。
「ま、食えればいいじゃん。人の弁当なんぞ気にしてんじゃねぇよ」
「飄々(ひょうひょう)としてるのな、お前・・・」
桐島の愚痴を聞き流し、飯を食うのだが・・・潤がオレをチラチラと見ていた。多分、弁当の味の感想を待っているだろう・・・しかし、近くに桐島がいる訳なので、潤に味の感想を言ってしまうと、まるで潤が作ってくれた弁当を食っている事になる。確かに、潤が作ってくれたのだが、桐島にオレと潤が同棲している事なんて知らない。いや、知って欲しくない。
しかし、ずっと潤がこちらを見つめている。どうしよう・・・あ、そうだっ。
「へぇ・・・美味しいぞ、この弁当は」
オレは独り言のように呟いた。それを聞いた潤は、無邪気な笑みをこぼし、納得したのか潤も飯を食っていた。
ふぅ・・・これで潤が作ってくれた歴史はオレとその家族しか知らない事となったのだ。
こうして、歓迎遠足は何事も無かったように終わった・・・かのように思ったのだが、潤が言ってはならぬ事を桐島が近くに居たのに言いやがった。
「えへへっ、また作ってあげるねっ!優のお弁当っ!」
「「?!!」」
オレと桐島は驚愕の表情を潤に向け、オレと桐島は互いを見つめあった。
「ど、ど、どどどど、どういう事なのか、説明してくれよ、九重」
盛大に挙動不審になる桐島。顔には大量の汗と、目は血走っていて、眉間にはシワを寄せるという器用な表情を浮かべる。
どうしよう・・・言い訳が・・・言い訳が思いつかんっ。しかし、既に口が無意識に動いているっ?!チクショウ、なんとかなりやがれ!
「説明、か・・・オレと潤が親友だから。それ以上の理由はあるか?」
「あるわっ!恋人みたいにイチャイチャしやがって!うっ、うっ、うっ、うあぁぁぁっ」
桐島は涙を浮かべていた。モテない男が、イチャイチャしているカップルみたいなのを見たら泣きたくなるのは分かるが・・・何も号泣する事もないだろうに・・・
「俺だってなぁ・・・俺だってなぁ!女子が作ってくれた弁当を食べたいっていう夢があるんじゃーい!それを目の前に居るヤツに叶われてしまった・・・クソォォォォ!」
桐島は両拳を高らかにあげて、オレの胸に弱々しく叩く。モテない男の悲しみと怒りを込めた攻撃は弱かったのだが、オレの心が痛く感じる。今まで彼女いないオレ達は親友だった。その信じてきた親友が一人だけ恋人みたいに接してくれる女の子がいる・・・なのに、桐島だけいないのだ。
「・・・変わればいいじゃねぇか・・・」
「・・・え?」
オレは桐島の肩に手をポンと置いた。オレの優しさと温もりを感じた桐島は涙をぬぐい、赤目になった目でオレの姿を見つめる。
「モテるだの、モテないだの、関係ねぇよ・・・お前は今のままでモテると思うか?何かを努力したのか?女子に対してよ・・・優しくしてやったり、励ましたり、怒ったりよ・・・」
「な、何もしてねぇ・・・でも、ナンパならしたぞ!でも、ことごとく、玉砕した・・・」
「・・・お前は、その娘達のどこを見てナンパした?顔か?スタイルか?ファッションか?」
「・・・その全部です・・・」
「それも大切だろうな・・・だがな、一番大切な所を見てねぇ・・・一番大切な所は、身体やファンションなんかじゃねぇ」
「・・・どこなんだ・・・どこなんだよぉ!その一番大切な所ってよぉ!」
桐島はオレの胸ぐらを掴む。しかし、その力は最弱なモノだ。弱々しくて、いつか砕け散ってしまうのだろうかと不安とモテたいから何かを会得したいと願う悲しい男。
オレは、そんな桐島を助けよう。道に迷っているならオレが道しるべとなってやろう。それが・・・親友の努めなのだから。
「いいか・・・よく鼻かっぽじって、よく聞けよ・・・」
「・・・耳だっ。鼻だったら鼻血出ちまう」
「そうとも言う」
「そうとは言わねぇ」
ボケを入れると必ずツッコミを返してくる桐島に安心。
「人は身体じゃねぇ。大切なのは・・・魂だっ」
「た、魂!英語だとソウル!そ、そっか・・・九重が言いたい事は、人の性格とか、人が人である為の個性的な所・・・っ」
「そうだ・・・それが分かったなら上出来だ」
「うっ・・・うっ・・・」「グスっ」
また涙を流す桐島。それに乗じてもらい泣きを受ける潤。お前も泣くんかい。
「お、俺・・・変われるかな・・・俺、変わる事、出来るかなぁっ」
「・・・今日から変わればいいじゃねぇか。心元ないかもしれんが、オレは応援しているぞ」
「うっ・・・うっ・・・ホントに変われるかな・・・変われるかなーぁぁぁぁ!うわぁぁぁ」
桐島の鳴き声は天まで届く。今日から変わろうとする桐島に応援するかのように、空へ羽ばたくカラスは鳴く。アホー、アホーと・・・
「俺・・・変われるかな?九重・・・」
桐島は泣き止み、その表情には凛とした表情を浮かべている。オレは、そんな桐島に・・・
「無理」
優しい声をかけた。
「は?」
優しい声をもう一度聞きたがっているので、もう一度言ってみた。
「無・理」
オレは優しい声で優しい言葉を一言一言区切って桐島に送ってやった。
「て、てめぇぇぇぇっ!さっきの感動を返せー!くらえ!桐島パンチ!」
桐島は照れ隠しなのか、左拳をオレの顔面へと向ける・・・ふむ、なるほど、今度は男同士の友情を深めたいというのか?面白いっ!受けてたとう!
オレは、その桐島の友情パンチによる右拳を、突いて来るのを外側に入り身転換して捌き、桐島の左手首を取り外側に反して投げる。
「うぉあ?!」
桐島はクルリと回転し、地面に背から落ちた。
「突き小手返し」
オレは技名を言って、地面にひれ伏せている桐島に向かって言う。漫画なら、ドンとかバーンとかの効果音があるだろう。しかし、ちょっと打ちどころが悪かったのか、桐島は白目を向いて気絶していた・・・。そのまま寝てろ。
「す、すごぉいっ!優、かっこいいよーっ」
オレと桐島の友情の強さに感動したのか、目をランランと輝かせて、無邪気な笑みを浮かべている潤がいた。しかし・・・潤の方が強いのではないだろうか?だって、初めてあった時、(※第1話参照)素手でコンクリートとか壊したり、変なロボット出したりと、やんちゃな娘さんだった訳なのだ。
「でもさ・・・お前みたいに、素手でコンクリートぶっ壊したりは無理だ」
「あ・・・あはは。お、覚えていたんだ・・・(あの時は、ツヨクナールという、自分の身体能力が強くなるアイテムを使ったから、とは言えないなぁ・・・)」
潤は恥ずかしそうに頭をポリポリと掻き、照れ隠し。
二重瞼でクリクリとした目。すっとした鼻筋。薄くてチェリー色に染まった唇。シャープな輪郭。腰まで届くだろうか?と疑いたくなる程の長くて綺麗な黒髪。胸は大きくて、ばんっと強調している。腰は細くて、お尻は少し大きめの美しいセクシーな少女な潤。しかし、たまに電波なのは玉に傷なのだが・・・そっとしておく事にしたのだ。
「よし、もうそろそろ集合の時間だから行くか、潤。ただし、桐島。てめぇだけはダメだ」
「ええっ?!そ、そんな!待てよっ!九重!」
気絶していた桐島はオレの発言と共に意識を回復させた。すげぇプロ根性だな桐島よ。
「えへへっ、そういう事でっ。じゃあねっ!」
「ちょ、ちょっと、まっ・・・グフッ」
桐島はまだダメージが残っていたからか、地面に転ぶ。しかし、オレ達はそんな桐島の様子なんて関係ない。オレ達はオレ達で進むべき道があるからだ。
「さぁ、オレ達の冒険はこれからだっ!」
「うんっ、優っ!」
オレと潤は全校生徒が待るべき集合場所まで走っていった。これから、人生という名の冒険へと旅立つ為にな・・・
「なにこれ?!最終回みたいじゃんっ!」




