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秘書艦当番

加賀「(そんなこんなで、ここに来てから2週間ぐらい経ちました。結局私は、第二艦隊に配属されることはなく、一航戦の予備隊につきました。最近は、予備隊が出動することもないので、五航戦の子たちと弓を射る日々、、、)」


翔鶴「加賀さんは、立ち姿がきれいですね。体が全くぶれてない。あこがれちゃいます。」


加賀「武道は鍛錬あるのみですよ。近道なんてないんですから、一つ一つの動作の反復です。」


瑞鶴「さすがはわれらの先輩!身に染みるわ~」


加賀「五航戦の子なんかと一緒にしないで。」


瑞鶴「あーまたそんなこと言うー。」


赤城「仲がよさそうでなによりね。」


翔鶴「あ、赤城さん。出撃ご苦労様です。」


赤城「ありがとう。そうそう、加賀さん。」


加賀「なんでしょう?」


赤城「明日から秘書艦の当番になるわ。〇六〇〇(マルロクマルマル)に執務室にきといてね。」


加賀「わかりました。(私がここに来て以来ですね。提督に会うのは、、、)」


、、、、、


〇六〇〇


コンコン


加賀「おはようございます、提督。」


シーン


加賀「(まだ寝ているのかしら。アラームの音がかすかに聞こえる。)失礼します。」ガチャ


ピピピピッピピピピッ、、、


加賀「(爆睡してる、、、体の八割がた敷布団からはみ出てるし。この人寝相が悪すぎやしませんか?)」


加賀「提督、おはようございます。」


提督「Zzzzzzzz、、、、」


加賀「、、、すでに〇八〇〇を回っていますよ?」


提督「え?!まじ?!」ガバッ


加賀「おはようございます。〇六〇五起床です。」


提督「ああ、、、おはよう。心臓に悪いからその起こし方なるべくやめてね、、、」


加賀「失礼しました。本日より3日間、秘書艦をつとめます。よろしくお願いします。」


提督「うい。よろしくね。じゃあ僕は朝ごはんとってくるから、ゆっくりしといて。」


加賀「朝食なら私が取りに行きますよ。」


提督「いや、いいんだ。君たちをこき使うわけにはいかないよ。自分がすべきことは自分でするからさ、左側の本棚でもあさっといて。」ガチャ


加賀「、、、わかりました。そうさせていただきます。」


バタン


加賀「(やはり、話はするけれども目はどうしても合わせませんね。左側の本棚というと、、、これですか。)」


『基礎からの数学』『中学英語これ一冊!』『物理セミナー』『竹取物語』『コロナと潜水服』


加賀「(なるほど。教科書、問題集、小説etcですか。本棚の端には裏紙もある。一般教養というやつですね。右側の本棚にあるのは、出撃や鎮守府運営に関する本たちですね。)」


スッ『コロナと潜水服』


加賀「(小説を読むのは久しぶりですね。訓練学校を卒業してから暇がありませんでしたからね。)」


ガチャ


提督「もどったよ。気になる本はあったかい?」


加賀「ええ、、、まあ、、、。」


提督「そうか。それはよかった。元の位置に返してくれれば、いつでも持って行っていいから。」


加賀「そうですか。」


提督「あと、今日の予定表だね。大きな予定はないからまあゆっくりしといてよ。」


加賀「いえ、秘書艦という立場上そういうわけにはいきません。」


提督「いやいや、大丈夫だよ。今日は僕一人で終わるぐらい仕事の量が少ないんだ。それに、君たち青年は、今の時期に知識をつけていろんな経験を積むべきだと思うんだ。だから、その本棚使っていっぱい勉強してよ。僕なんかの補佐よりもそっちのほうがずっと役に立つことだよ。」


加賀「、、、それもそうですね、、、。では、お勉強させていただきます。」


カリカリカリカリ(筆記用具が走る音)


提督「あ、そろそろだな。」


加賀「何かあるのですか?」


提督「輸送戦隊がそろそろ遠征から帰ってくるから出迎えに行くよ。加賀さんは、ここで待っといて。」ガチャ


加賀「わかりました。」


バタン


???「司令官、入るわよ。」ガチャ


???「あれ、いないじゃない。加賀さん、こんにちわ。」


加賀「暁、こんにちわ。提督は遠征から帰ってくる子たちの出迎えに行ったわ。ご用件は?」


暁「うん、本を借りに来たの。一人前の『れでぃー』は本を読まなくちゃね。」スッ


加賀「そうね、いい心がけだわ。(でもその本はレディーでも難しい本だと思うのだけれども)」


???暁、その本は難しすぎるんじゃないかい?この前読んでいたのも、開いて5分とたたずに眠りについていたじゃないか。レディーは眠らずに読書を楽しむものだよ。」


暁「響、、、。今度という今度はそんなことしないし!」


???でも『竹取物語』はいくらなんでも難しすぎると思うのです。しかも古文で書かれてるのです。多分最初の一文しかわからないのです。」


暁「電まで、、、」


加賀「、、、。この本を使うといいわ。私が昔読んでいたやつよ。現代語訳されてるから楽に読めるはずよ。」


暁「いいの?ありがとう!お礼はちゃんと言えるし。」


響「すまないね。」


加賀「いいの。ついでに聞いてみたいことがあるのだけれどいいかしら?」


電「何なのです?」


加賀「提督のこと、あなたたちはどう思う?」


暁、響、電「うーん。」


響「とてもいい人だと思う。面倒見がよくて、私たちを大切にしてくれている人だよ。」


電「そうなのです。私たちが遠征や出撃から帰ってくるときは必ず出迎えに来てくれるのです。」


暁「なかなか顔を見て話してはくれないけどね。」


響「私にはなんでそんなことをしているか、見当もつかない。」


電「なのです、、、。」


加賀「そう、、、ありがとう。参考になったわ。」


暁「加賀さん、秘書艦頑張ってね。それじゃ。」ガチャ バタン


加賀「、、、。」


ガチャ


提督「かえったよ。いやーみんな頑張ってくれていたよ。」


加賀「提督、ずいぶん時間がかかりましたね。お昼の時間はとうに過ぎてますよ。」


提督「皆のねぎらいと、艤装のチェックをしなくちゃだからね。こんなもんでしょ。」


加賀「そうですか、、、。」


提督「お昼ご飯まだだと思うから、食べに行ってきなよ。一五〇〇ぐらいまでは、みんな暇してるだろうから。」


加賀「そうですか。では、加賀、昼食をとらせていただきます。」


提督「うん、いってらっしゃい。」


バタン


提督「、、、まったく。目のやりどころに困るよ。」


鳳翔堂


鳳翔「いらっしゃいませ。あら、加賀さんじゃないですか。秘書艦ご苦労様です。」


加賀「ありがとうございます。しかし、やることがなさ過ぎて時間のつぶし方に困ってしまいますね。」


鳳翔「そんなことはないはずです。『左側の本棚』を使えばあっという間ですよ。」


加賀「まあ、実際そうしているんですけれどね。」


鳳翔「はい、『赤城すぺしゃる』です。」


加賀「ありがとうございます。鳳翔さん、、、一つ聞いてよろしいですか?」


鳳翔「はい、なんでしょう?」


加賀「提督があのような態度をとっている理由はご存じですか?」


鳳翔「あ、、、。知っていますよ、、、。」


加賀「では、教えていただけますか?」


鳳翔「それはできません、、、。この話はあの人の口から語られないといけません。そして、この話を聞くならそれなりの覚悟を持ちなさい。加賀。」


加賀「、、、。(普段の鳳翔さんとは思えない圧が、、、)」


、、、、、


加賀「ごちそうさまでした。今日も相変わらずおいしかったです。」


鳳翔「ありがとうございます。またいらしてください。」


執務室


加賀「提督、失礼します。」ガチャ


提督「はーい。」


加賀「加賀、ただいま戻りました。」


提督「うい。じゃあ、今日の遠征隊の報告書をパソコンに入力しておいて。それが終わったら、今日はもうすることないから、秘書艦の任終了ということで。」


加賀「本当にそれだけでよろしいのですか?」


提督「うん、本当にこれだけなんだ。よろしく頼むよ。それと、今日の夜から僕鎮守府を出るから加賀が提督代理よろしく。」


加賀「え、、、。提督代理ですか?」


提督「そう、出撃や遠征の取り仕切りを頼むよ。もちろん君の独断で決めろというわけじゃない。赤城や、飛龍、榛名立と十分に相談してね。ただし、新規海域のほうに入ってはダメ。明後日の朝ぐらいに帰るから。」


加賀「、、、わかりました。では、こちらの作業が終わり次第、会議室にて明日のことを話させていただきます。かまいませんか?」


提督「どうぞどうぞ。」


加賀「ありがとうございます。」


カタカタカタカタ


、、、、、


加賀「提督、こちらでよろしいでしょうか?」


提督「どれどれ。」ジーッ


提督「うん。いいよ、今日一日お疲れ様。あがっていいよ。」


加賀「わかりました。明日も、〇六〇〇にこちらに参ります。現時刻をもって秘書艦の任を終了します。失礼します。」


提督「はーい。」

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