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第六十一話 お願いですわ!

「アリアお願い‥これは周りに流されたとかじゃなくて、しっかりとした私の意思やねん」


「リア様。王に肩入れすることなんてありません。不憫には思いますが、自身の命を大切にして下さい」


 アリアはいつもよりも厳しい目を向けて、私に言葉を返す。


「でも王様はにゃあ吉の‥アキの仲間やねん‥いつもアキには助けてもらってる。やから今回は私も力を貸して、アキの仲間を救う形で、いつもの恩返しがしたいねん!」


 王様とにゃあ吉が仲間である事は隠しておくべき事だとは思ったが、やはり説得する上で必要だと思い、私はその事も話し、自分の想いをアリアにぶつける。


「‥わかりました。そこまで言うのなら‥リア様の思いは伝わりましたよ」


 アリアは下を向きながらも、説得のおかげかその様に言ってくれた。


「じゃあ!」


「‥でもやっぱりダメです!」


 私は許可をもらえたものだと思って、再度確認しようとしたが、アリアの意見は元に戻ってしまった。


「えー!!なんで!?今いけそうやったやん!」


「ダメなもんはダメなんです!!リア様に何かあったら私はぁ私はぁ!!うわーーん」


 アリアは話しながら泣き出してしまった。

 こんな感情をむき出しにしているアリアを見るのは初めてのことで、私は動揺してしまう。


「ちょっとアリア。何も泣かんでもいいやんか」


 私はアリアに寄り添って、ハンカチで涙を拭きながら話す。


「だって私‥心配で心配で、昔からずっと心配で、なのに今回はもっと心配で」


 言葉があまりにもまとまっていない。

 普段の姉の様なアリアは何処へやら、今はその面影すらない。

 けれどいつもの様に心配してくれていることだけは、はっきりと伝わっている。


「ごめんアリア‥いつも心配ばかりかけて、‥じゃあこれで最後にするからってのはあかん?もう今後は、自分から危ないところに足を踏み入れない様にするから‥」


「そう言う問題じゃ‥でも、そこまでの意思がお有りなんですね。‥リア様」


 私は頷いた。アリアは未だ涙ぐんでいる。


 アリアはそのまま、涙を浮かべたままじっと私を見つめる。

 

「わかりました。‥嫌ですけど、とっても嫌ですけど!‥今回はリア様を信じます」


 少ししてから、息を大きく吐いて、アリアは了承してくれた。


「ありがとうアリア」


 私はそっとアリアを抱きしめた。


「絶対無事でいて下さいねリア様」


 そう言って、アリアも私を抱きしめた。

 私は大きく返事をする。


「ずっとノットさんがついてくれるし、にゃあ吉もいるねんから大丈夫」


「あー私たちに任せておけ。非戦闘員でありながら、我々のため、戦地に身を置いてくれる以上何としてでも守る」


「まぁ基本的に一緒にいるのは私の役目なんだけどね‥君は王様と戦う役目だろ」


「水を差すな。最悪ナギアが危険な状況でも、リアに危害が及びそうならそちらを優先する」


「はいはいわかったよ。兎に角私もしっかりリア君を守るから安心してください。アリアさん」


「お二人ともどうかリア様の事、お願いいたします」


 それから少しして、アリアは落ち着いた後、一礼をして、部屋を去っていった。


「何とかなってよかったねリア君」


「ふん。私がいる時点でリアが傷つくはずもないと言うのに‥まぁでもそれほどに、大切なのだろうな」


「嬉しいわほんまに。あそこまで思ってもらってたなんて」


 私はとても心が温かい気持ちになる。

 元から大好きなアリアのことがより一層好きになった。

 何としても無事に帰ろう。その様な意志がより強固になった。


「尚のこと責任重大だね。より一層気を引き締めようじゃないか」


 ノットさんはそう言って、強く握った拳を掲げた。


「それで組織が攻めてくるのっていつなんですか?ですわ」


 私はそう言えば聞き忘れていたと思い、質問をする。

 早ければやはり数日後なのだろうか。

 

(ドキドキやわ。明後日とかやったらびっくりすんで)


「あーそっか。リア君は新聞すら見てないから知らないのか」


「明日の昼間だ」


「そっか明日か。‥え?‥‥‥明日?!?!?!」


 私は宿屋に響き渡るほど大きな声を上げた。


 にゃあ吉は相変わらず落ち着いた顔を浮かべながらも、私の驚く姿を見て、ニヤついている。

 ノットさんは「そりゃ驚くよね」といいながら笑っている。


 「いや、笑うとこちゃうから!!!ですわ!」


 再び私は大きな声を上げた。

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