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不滅のダンジョンマスター  作者: やみあるい
第四章 迷宮再始動の章

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133.リザルトー召喚した配下たち

あらすじ


魔王襲来から大体二年、ダンジョンの拡張はおおむね順調に進んでいる。第一階層、第二階層はさらなる拡張を行い、最近では第三階層の拡張にも着手し始めた。さらに第四階層には、魔植物族魔茸系の複製体を配置。そこもまたダンジョンとしての機能を始めていた。





 続いては、ここ最近の戦力の増強具合に関して、思い返してみることにしよう。

 こちらに関しては、早々に少しだけ問題が出ていた。四天王候補として召喚していた猪丸と熊吉のレベルが上がり辛くなってきたのだ。ただ、これは黒牙の時にもあったことである。もはや病魔の森をうろついている通常の魔物程度では、彼らの糧として足りていないのだろう。この二体がこれ以上の強さを手に入れようとするなら、今以上に大量の魔物を狩るか、さらなる高位の魔物を狩る必要がある。それこそ、マザービーとその子供たちを狩り尽くした黒牙のように。

 現状で近場にいる高位の魔物と言えば、魔鹿系統の三種と、エルダートレント、ファントムレギオンの五体だけ。その内、魔鹿たちが若干の味方よりであることを考えれば、もはや二択しかない。どちらも、現在まで残っていることから分かる通り、非常に厄介な魔物たちだ。少なくとも、今の猪丸や熊吉では、協力しても倒すことは困難だろう。しかし、もしも二体がその壁を超えることが出来た時、この二体の配下たちもまた黒牙と同じ、Bランクという強さを手に入れることが出来る。そうなれば、いよいよ四天王と呼ぶにふさわしい戦力となってくれるだろう。

 ただ、これはそこまで差し迫った問題ではない。猪丸と熊吉は今でも十分に役立ってくれているし、通常の狩りでも少しずつは成長しているはずだ。あのBランクの魔物たちに挑ませるのは、もっと配下たちが自力を鍛え上げてからにするべきだろう。そのため、彼らの強化については一旦、保留としている。その代わりとして、私は新たなCランクの魔物を召喚していくことにした。新たな四天王候補だ。


 ダンジョンが盛況なお蔭で、前回と比べ、召喚に消費するDPには若干の余裕があった。それに大量のDPを使ってしまったとしても、またあっという間に貯まっていく。だから、召喚する魔物を選ぶ際は、前回の時に省いた種族も加えて、もう一度、改めて選考し直した。

 その結果、召喚されたのがこの魔物たちだ。


 まずは最初期に召喚した魔蟲族の三体。


 種族:ブラッディーマンティス ランク:C スキル:『鎌術』『飛行』『体術』

 魔蟲族魔蟷螂系の中位種ブラッディーマンティス。一対の鋭い鎌を持ち、敵の血を好む魔蟷螂。その左右の鎌で敵を盛大に切り裂き、吹き出る血しぶきを浴びることを楽しみとしている危険な魔物。その鎌は非常に鋭く、間合いに入った敵を瞬時に一刀両断する。


 種族:トラッパースパイダー ランク:C スキル:『糸生成』『建築』『罠設置』『微毒生成』

 魔蟲族魔蜘蛛系の中位種トラッパースパイダー。自ら生成した糸で罠を張り、敵を待ち受ける戦い方を得意とする魔蜘蛛。トラッパースパイダーは生成する糸の性質を自在に変化させ、様々な罠を造り出す。そうして掛かった獲物には、遠方から微毒を流し込み、弱らせてから自ら仕留める。


 種族:ナイトビー ランク:C スキル:『針術』『飛行』『毒生成』『体術』

 魔蟲族魔蜂系の中位種ナイトビー。巣を守るべく、身体を張って敵と戦う魔蜂の騎士。素早い動きで敵を翻弄しつつ、その針で少しずつ相手の命を削っていく。針には強い毒がついており、攻撃が掠りでもすれば、その苦しみは確実に傷の大きさ以上となるだろう。



 それぞれの召喚に必要なDPは、魔蟲族魔蟷螂系Cランク魔物ブラッディーマンティス、七十万DP。魔蟲族魔蜘蛛系Cランク魔物トラッパースパイダー、五十万DP。魔蟲族魔蜂系Cランク魔物ナイトビー、三十万DP。


 この魔蟲族たちは、それぞれの長所を生かして病魔の森で狩りを行い、順調に成長を続けている。その中でも特に今の段階で一番期待出来そうなのは、ブラッディーマンティスだろうか。まあ、あくまで僅かな差だ。これからの成長次第では、また違った結果となるかもしれないし、使い方によっても、その順位は変わってくるだろう。

 ちなみに、一度は意思疎通の観点から不採用とした魔蟲系統だったが、成長した『読心』スキルによって、その不安は既に払拭されている。今ではかなり快適に意思疎通が行われている、と思う。少なくとも、私はそう思っている。


 ただ、今度は新しく召喚した魔物との意思疎通に難儀していた。それが、この魔物だ。


 種族:イビルファンガス ランク:C スキル:『胞子拡散』『毒生成』『魔力浸食』『魔力感知』『魔力操作』

 魔植物族魔茸系の中位種イビルファンガス。触れた敵の魔力を浸食する胞子の拡散を得意とする魔茸。魔力を侵食された敵は、少しずつその身をイビルファンガスに食われていく。また、『毒生成』で作られる毒の種類は幅広く、それを胞子に混ぜることで敵に様々な状態異常を起こさせる。


 第四階層へ追加したファンガスの複製体の活躍を確認し、試しに植物系統のイビルファンガスを召喚してみようと考えたのだが、まさかここまで意思疎通が難しいとは思わなかった。まあ、仕方がない。個体としての意思がない複製体では気付きようのない事だ。

 一応、今のところはレベル十となった『読心』スキルによって、無理やりに意思疎通を行っている。けれど、イビルファンガスとはそもそも、根源的な思考があまりにも違いすぎて、読み取ったイメージを理解できているとは決して言えない。その為、とりあえず今は、命令でその行動を縛っている感じだ。その辺りに少し不安を覚えている。

 ただ、強さの面ではそこまで悪いわけではない。複製体たちも持っていた『胞子拡散』に加えて、『毒生成』や『魔力浸食』のスキルなどを使い、病魔の森で狩りを続け、順調にレベルを上げている。

 ちなみに、魔植物族魔茸系Cランク魔物イビルファンガスの召喚に必要なDPは、五十万DPだった。


 そして、最後に召喚したのが魔獣族魔鼠系Cランク稀少種アサシンラットだ。


 種族:アサシンラット ランク:C スキル:『夜目』『隠伏』『爪牙術』『暗殺術』『影魔法』

 魔獣族魔鼠系の稀少種アサシンラット。暗闇からの暗殺を得意とする稀少種の魔鼠。『影魔法』で周囲の影を操り、その内に潜む。隠れる技術は一級品であり、アサシンラットが闇にその身を潜ませるとき、誰もがその姿を見失う。そこから繰り出される敵の不意を突いた一撃は非常に強力で、格上を相手としてもその命を刈り取れるほど。


 召喚に必要なDPは最近、召喚した魔物たちの中でも特に多い九十万DP。

 それにしても、今、こうして思い返してみると、なかなかの数と種類を召喚している。使ったDPも相応に多い。最近召喚に使用したDPを全て合わせると、なんと二百九十万DPにもなる。全てを一気に召喚したわけではないけれど、このDPだけでもここ最近のDPの回収が非常に順調だということがわかるだろう。まあ、この半分以上は、エルロンドの探索者たちから回収したDPなのだけど。本当に良いお客さんだ。


 さて、アサシンラットについては、もはや語るまでも無いだろう。黒牙がフィアーナイトラットに進化する前の種族であり、隠密系のスキルとそれを補助する『影魔法』、そしてそこから繰り出される一撃必殺の攻撃に特化した魔鼠だ。黒牙という前例がある以上、強さに関しては全く心配していない。しかし、実はアサシンラットを召喚したことだけには、四天王候補とは少し違う理由があった。


 それは私の戦力がそれなりに整ってきた頃の事。懸念点だったエルロンドからやってくる探索者たちも子竜の塒が去った後は、ダンジョンの奥を目指すそぶりも無く、その都度呼び戻していた黒牙にそろそろ別の仕事を割り振ろうかと考えていた。

 現状、病魔の森の中での事はそれなりに把握しているため、私の命を脅かすような危険は森の外からやってくる可能性が高い。しかし、今の私には森の外の情報を得る手段が欠けている。そこで、森の外での活動の経験がある黒牙に、森の外の偵察を頼もうとしたのだ。

 しかし、黒牙にそれを伝えた時、私は磨き上げた『読心』により、黒牙が抱いたある感情を感じ取ってしまった。それは不満。

『敵意感知』にある反応は、僅か。敵対するほどの感情は無い。そこは安心する。でも、黒牙は明らかに病魔の森の外に向かうことを嫌がっていた。やはり、あの遠征が堪えたのだろうか。

 黒牙のスキルには隠密系統のものが多い。しかし、それはあくまで進化前の黒牙の種族故だ。今の黒牙はどちらかというと、敵の正面から突撃していくような戦い方を得意とする。それに伴ってか、黒牙の性格も以前の隠れ潜むことを日常としていた頃から、大分変化しているようだ。

 そんな今の黒牙に、病魔の森の外への偵察は確かに酷だろう。なにせ、私が森の外への遠征で望むことは、派手な戦いでは無く、ひたすら隠れ潜みつつ、病魔の森の外の情報を出来るだけ多く持ち帰ることなのだから。

 恐らく、ダンジョンの機能である命令を使えば、黒牙にその任務を受けさせることは可能だ。黒牙も表立って、私に反抗している訳ではない。それに種族的な補正は無くなったとはいえ、スキルは今でも健在だ。現に一度は病魔の森の外の偵察を成功させていることもあって、能力的には何の問題も無い。ただ、黒牙自身が嫌がっていることをさせるというのは、ちょっと不安がある。特にその相手が私の持つ最高戦力にして、切り札である黒牙ならば尚更に。出来る限り、配下との関係は良好であるべきだ。

 そこで私は、病魔の森の外へ遠征に向かわせるため、黒牙の代わりとなる隠密に長けた魔物を召喚することにしたのである。つまり、アサシンラットを。


 そんなわけで、召喚したアサシンラットには『感覚共有』を有効にするため、他の配下たちよりも一足先に名前を与えてある。

 私の敵を打ち倒すための牙たる黒牙に対し、姿を隠した隠密行動を主任務とするアサシンラットの種族的特性に特化した配下として、黒影という名を。何だか忍者のような響きだが、与える役割的にはその通りなので、良い名前なのでは無いだろうか。

 と、四天王候補として、私が召喚した魔物に関しては以上だ。


 次は、私が召喚した以外の配下たちについてだ。









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