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不滅のダンジョンマスター  作者: やみあるい
第四章 迷宮再始動の章

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132.リザルトーダンジョン

あらすじ


今回の探索者たちは、多くのDPを齎してくれた。そこで次はもっと多くのDPを回収できるように、ダンジョンの改築をさらに進めていくことを決める。差し当たって、多くのDPがある今、第六階層の追加から行った。だが、今までと違い、階層が追加されたという以外に変化は無い。

それから暫くして、病魔の森の外にあった廃集落に向かった猪丸が帰ってくる。ゴブリンたちの頑張りもあり、多くのアイテムが回収できたようだ。私はその成果に喜びつつ、その整理をゴブリンたちへ指示するのだった。



 ステータスに記された私の年齢がまた一つ動く。この世界に転生してから、これで十九年。もうあと一年で、二十歳か。もうすぐ大人と言われる年齢だ。

 そうして、魔王レティシアが示したタイムリミットまで、あと九十八年。


 死を間近に感じていた今までが嘘のように平穏な日常が続いている。それどころか、最近は全てが順調に進んでいるような感覚さえあった。今まで見つけてきたバラバラのピースが、ひとりでに収まるところへ収まっていく感覚。多分、私の中で何かが奇跡的に噛み合っているのだろう。

 こういったことは、前生の頃にも稀にあった。この感覚が続く間は、なにをやってもうまくいく。今まで思考に掛かっていた霧が消え、何処までも先を見通せる。

 勿論、それはただの感覚であり、私が実際に天才となった訳ではない。分からないことは分からないままだし、出来ない事は出来ないまま。それでも、いつもよりは答えに辿り着きやすくなっているし、それが間違っていることはそうそう無い。

 そのせいか、やりたいことがうまく回ってきている。そんな実感がずっと、私の中にあった。



 拡張したダンジョンには連日、病魔の森の常連たちが侵入してくる上、時にはエルロンドの探索者たちが数日から数十日かけてダンジョンに挑んでくる。

 そう言えば、この探索者然り、人間の冒険者然り、私にとって都合のいい状況だったから、ずっと考えずにいた疑問が一つあった。宝箱をあちこちに置いているとはいえ、何故彼らは病魔の森を越えて、このダンジョンにやってくるのか? 図らずも、探索者の集団の一部が話していた内容から、その答えを知る機会があった。どうも、このダンジョンという場所で戦っていると、外で戦っている時よりも早くレベルが上がるらしい。つまり、ダンジョンは彼らにとって恰好の修練の場だったということだ。確かに、以前もダンジョンをそのように認識しているという魔物がいたな。あれは、そういうことだったのだ。

 それに加えて、探索者たちの住む国エルロンドの近郊に一つだけあるダンジョンは、序盤からかなり難易度が高いらしく、弱い探索者たちでは太刀打ちが出来ないのだという。そんなわけで、エルロンドの探索者たちは新しく発見された病魔の森のダンジョンに通っているそうだ。

 そう言えば、病魔の森の常連たちも、ダンジョンに通う頻度が高い者ほど、成長が早かったように思う。それ以上の速度で配下たちが成長していたので、あまり考えに入れていなかった。とすると、私の配下たちの成長が、他の魔物たちより早いように感じるのも、似たような力が影響していたりするのだろうか?

 ふむ。せっかく『記憶』と『並列思考』というスキルがあるのだから、その辺りの情報はしっかりまとめておくべきだった。時間が空いた時にでも、副思考を使ってその辺りの情報をまとめ、真偽を確かめるとしよう。


 そうして回収したDPを使い、私はさらにダンジョンを拡張、戦力を強化していった。この辺りで少し、ここ最近のダンジョンの拡張具合から思い返してみよう。


 第六階層を追加した時点で、新たな階層の追加は一時的に中断した。第五階層までは階層を追加する度にダンジョンコアの機能を取り戻していったが、第六階層の追加で特に真新しい変化を確認できなかったからだ。

 その代わり、第六階層を追加してから暫くして、第一階層の拡張限界が増えていることに気づいたので、そちらをもう一度、最大まで拡張した後、同じく拡張限界が増えていた第二階層も最大まで拡張。そうして今は、第三階層を少しずつ拡大していっている。


 手付かずだった第四階層へも少し通路と部屋を追加して、最低限の迷路を造り出した。そこへ、最後の仕上げとして副思考で魔物図鑑から選び出した魔物を複製召喚する。

 さて、この第四階層に配置する複製体だが、色々と悩んだ結果、先のことも見据えて、今までとは少し毛色の違う魔物を選んでみることにした。それが、魔植物族の魔物だ。

 魔植物族の魔物と言えば、前に配下の候補として挙がったことがあるが、その時は移動能力を理由に候補から除外していた。だが、それも魔物図鑑から直接ダンジョン内へ複製召喚するだけであれば、ある程度は許容できる。ただ、やっぱり出来る事なら多少は歩けた方が良い。そうなると、あの時にも候補に出たファンガスが丁度良いだろう。ファンガスは魔茸系の魔物だ。俗にいう歩く茸だな。ただ、以前調べた時、この魔植物族魔茸系の基本種であるファンガスは、Eランクの魔物だった。その為、Fランクしか配置できない複製体の候補からは除外していたのだ。しかし、副思考で魔物図鑑を細かく『記憶』していった結果、Fランクのファンガスも存在していることを知った。

 まず、劣等種であるレッサーファンガス。それと、特殊な種であるリトルファンガスとミニファンガスもFランクだった。

 ちなみに、これらが魔物図鑑に記されていたこの三種の説明文だ。


 種族:レッサーファンガス ランク:F スキル:なし

 魔植物族魔茸系の劣等種レッサーファンガス。幼体の際に何らかの異常で進化に失敗した劣化個体。その能力は全体的に基本種より弱く、次の段階へ成長することは非常に稀。


 種族:リトルファンガス ランク:F スキル:『胞子拡散』

 魔植物族魔茸系の亜種リトルファンガス。何らかの要因で成長が抑制されてしまったファンガスの亜種。大きさは基本種のファンガスの半分ほどしかないが、劣化種と違い、『胞子拡散』のスキルを持っており、危険に陥ると周囲へ胞子を拡散する。


 種族:ミニファンガス ランク:F スキル:『胞子拡散』『微毒生成』

 魔植物族魔茸系の亜種ミニファンガス。何らかの要因で成長が抑制されてしまったファンガスの亜種。大きさは同様の亜種であるリトルファンガスの半分ほどしかないが、『胞子拡散』のスキルと『微毒生成』のスキルを持ち、危険に陥ると周囲へ微毒の混じった胞子を拡散する。


 ついでに、複製体として召喚した結果、気が付いたファンガスたちの特徴もまとめておこう。


 まずはレッサーファンガスについて。

 ファンガスの劣等種であるレッサーファンガスは、このFランクのファンガスたちの中で最も弱い。その弱さは、覚えているスキルにも現れている。というか、何一つスキルを覚えていない。その為、ダンジョン内でも動き回ること以外に出来ることは無く、強いて攻撃手段を上げるのであれば、よろよろとした体当たり程度か。ちなみに大きさは、ゴブリンたちよりも頭一つ分小さいくらい。


 次はリトルファンガスについて。

 リトルファンガスはレッサーファンガスと同じくらいの大きさをしたファンガスだ。その為、ダンジョン内ではレッサーファンガスとよく間違われる事が多い。ただし、こちらは魔物図鑑にも記されているように『胞子拡散』というスキルを覚えており、敵と出会った場合はそれを使って攻撃する。つまり、侵入者が大した脅威でもないレッサーファンガスだと思って不用意に近づくと、『胞子拡散』という手ひどい反撃を受けることになる訳だ。まあ、攻撃といっても、その効果は胡椒でもぶちまけられたような感じで、直接的な攻撃力は無い。ただ、妨害としては悪くない性能だ。暫くは視覚や嗅覚がまともに機能しづらくなるだろう。


 最後はミニファンガスについて。

 ミニファンガスは魔物図鑑に記されていた通り、リトルファンガスの半分ほどの大きさをしたとても小さなファンガスだ。しかし、その大きさに反して、この三種の中ではこのミニファンガスが一番強い。いや、Fランクのファンガスにしてはって意味ではあるけれど。

 攻撃方法はリトルファンガスと同じで『胞子拡散』。ただし、こちらのファンガスが使う『胞子拡散』には『微毒生成』のスキルにより生み出した微量の毒が混ざっている。この微毒はそれだけで相手が死ぬということは無いようだが、ばらまかれた胞子とともに侵入者たちをじわじわと苦しめていく。

 しかも、他のFランクのファンガスたちと比べると、ミニファンガスは動きが素早い。その小ささとダンジョンの暗さも相まって、侵入者たちはミニファンガスの姿を捉える事すら難儀していた。


 この三種の複製体が配置されたことにより、ようやく第四階層もダンジョンとして形を成してきたように思う。

 まあ、端々の小部屋で出ている魔力供給路の歪みは未だ変わらず存在しているのだが、そちらについても最近、少し思いついたことがある。それについては、また後ほど行うとして。

 ここ最近のダンジョンの拡張作業の進捗に関しては、大体こんな所だろう。


 続いて、ここ最近の戦力の増強に関して、思い返してみることとする。







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