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父は本当の愛を見つけたらしい  作者: 雷ライ
〜サラ〜
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警告の効果

水をかけられた日からしばらく経った。


マクレル家からあの場にいた令嬢の家には今回は大目にみるけど次はないよって感じの手紙を各家の当主宛に送った。


効果はまあまあ、あった。


目立つところでの嫌がらせは無くなった。


が、かわりに陰湿になった。


教科書破いたり、時間割の変更を私にだけ教えてくれなかったり。


まあ、それさえもトムによってマクレル伯爵家には筒抜けだ。


その他の令嬢には効果があったが、体当たり女たちには効果がなかった。


相変わらず私の前でばっかり転ぶし、変な噂ばかり流す。


手を組んでから余計面倒臭いことになっている。








そして、いつまで続くのだろうか?






この3人でのディナーは。






あの日以来マリエ様の提案でエリック様とディナーを共にすることになったのまではわかる。


しかし、なぜアルフレッド殿下もご一緒しているのだろうか?


「エリックにサラ嬢、今日のディナーのデザートはこの季節にしか取れない旬の果物をふんだんに使ったケーキだそうだ。楽しみだね」


毎朝、すれ違うと話しかけてきてくださり、今日のディナーの話をする。


最初は恐れ多いと断っていたが、従者直々に


「去年まではルカ様とご一緒していたのですが、ルカ様が転校なさってからは一人で食べていたのです。エリック様とサラ様さえ宜しければ、ご一緒させてもらえませんか?」


と言われてしまった。


それも殿下の従者というより陛下の従者を長年勤めている紳士に。


断りきれなかった。




今日も3人でディナーをいただいているとついにあいつらがやってきた。


体当たり女たちだ。


「まぁ、アルフレッド殿下ご機嫌よう」


「ご機嫌よう」


最初のがリティーン・ヘルデル伯爵令嬢で、次のがアリア・オトレッメ子爵令嬢だ。


「ああ、リティーン嬢にアリア嬢か」


さっきまでの楽しそうな表情はどこへ行ってしまったのだろう?


キリッとした殿下になっている。


「あのぉ、迷惑でなければご一緒してもいいですか?」


立場をわきまえろ体当たり女。


そして、殿下の皿を見ろ。


もう3分の1しか残ってないだろうが。


今からお前たちが食べ終わるまで殿下を付き合わせるつもりか。


エリック様も苦い顔をしている。


「うーーん、もう少しで食べ終わってしまうのだが」


「それでもいいです!殿下とご一緒したいのです!」


今日も鬱陶しいくらい元気な体当たり女。


リティーン嬢は体当たり女の後ろで仕方ない子ねぇ、みたいな顔してる。


「エリック、サラ嬢構わないかい?」


殿下でさえ苦笑いになっている。


体当たり女たちは私のことをキッと睨みつける勢いで見てくる。


「構いません。大勢の方が楽しいでしょから」


面倒なので当たり障りのないこと言っておく。


「……殿下、ディナーの後政治学の講義内容で聞きたいことがあったのですが」


エリック様は殿下を見て、私を見て、体当たり女たちを見てから言った。


「そうなのかい?ならあまり長居できないけど本当にいいのかい?」


殿下に念を押される体当たり女たち。


それでも構わないと殿下の隣にリティーン嬢、エリック様の隣に体当たり女が座った。


いや、おかしいだろう。


なんで1対4で座るのだ。


殿下とエリック様は元々隣同士で座っていたからいいとして、体当たり女たちはなぜ揃ってさらにその隣に座る?


殿下とエリック様も不思議に思ったのか一瞬首をかしげる。


その後はただただ体当たり女が2人に話しかけ、リティーン嬢がたまにそれを諌めるというのが続いた。


殿下は適度に相槌を打っていたが、エリック様は殆ど無視して食べ続けていた。






案の定、私たちの方が先に食べ終わったので2人に断りを入れて食堂を後にした。


「よくあんなに話し続けることができるな」


と殿下は変なところで感心しており、エリック様は


「うるさかった」


ただでさえマリエ様とスチュアート様のことで心象が悪いのにさらに悪くなっていた。












体当たり女ことアリア・オトレッメ子爵令嬢の名前が覚えられません。


リティーンも忘れる。

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