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父は本当の愛を見つけたらしい  作者: 雷ライ
〜サラ〜
18/33

友人ができました

昨日は嵐のような3人組に邪魔されたランチ。


今日はゆっくりまったり過ごそうと思っていた。


どうせ昨日の約束はリップサービスだと。



食堂でランチボックスを受け取り、いつもの木陰に移動するとなんか言い合ってる声が聞こえる。


まさか本当に来たのかと思い恐る恐る昨日いた場所を見る。


いた。


3人ともいた。


ご丁寧に昨日より大きめのレジャーシートまで敷いてある。


男子2人は日向に近い方に座り、女子が完全に日陰になるような配置で、どう見ても私の場所が空いている。


いや本当に私の場所か?


違うかもしれない。


ここは一旦戻ろうと動こうとすると、パチっとエリック様と目が合う。


「来たぞ」


黙っててくれればいいのにすぐに私が来たことを言うエリック様。


いや、エリック様が黙ってる理由なんてないのだけれど。


「サラ様!」


立ち上がりこちらに向かってくるマリエ様。


戻ると言う選択肢はもうない。


「遅くなってしまい申し訳ありません」


とりあえずなんかわかんないけど謝っておく。


「遅くなんてないわよ。私がサラ様と話したくて早く来てしまっただけなんだから」


可愛らしい笑みを浮かべながら言うマリエ様。


「昨日はちゃんと挨拶もせずにすまなかったな。2人から聞いてると思うがナダリー侯爵家のスチュアートだ。よろしく」


自己紹介をするスチュアート様。


彼の自己紹介みたいなのは何回聞いただろうと思ってしまった。


「とりあえず腹減ったし、ランチにしよう」


ランチボックスを開き私を座るよう催促してくるエリック様。


賑やかなランチになりそうだ。




「マリエ、そのおかず俺にもくれ」


「スチュアート様のおかずを私にくださるのなら考えます」


「いやだ」


「なら私もいやです」


「モグモグ」


この3人は本当に仲がいいのだろう。


ランチするだけでこの盛り上がり、楽しそうだ。


「サラ様、昨日のサンドウィッチのお礼に私のおかず1つ受け取ってくださらない?」


マリエ様言いながら私の方にボックスを出す。


「昨日のは私が勝手にしたことですし」


「それでは私の気がおさまりません。もらってください」


ずいっと前に出てくるマリエ様。


「サラ嬢、もらっておいてやれ。マリエはしつこいぞ」


「まぁ、エリック様たっら失礼ですね」


「……ではマリエ様のオススメをください」


「はいっ!」


マリエ様はとっても可愛らしい笑みを浮かべる。


グレイ兄様やフィー姉様のような美しさはないが、2人にはない愛らしさがある。


それに多分フィー姉様より強い、物理的に。


「ふふっ、やっぱり話してみないとわからないものですね」


「「そうだな」」


「?」


3人は納得しているが、私は何に納得してくるかわからない。


「しつれいかもしれませんが、サラ様はあまりいい噂聞きませんでしから。話を聞いてくださったこと自体が意外でした」


「マリエと一緒にいるのを見たときはなんでこいつと一緒にいるんだと思ったな」


「マリエになんか吹き込んだのもサラ嬢かと思ったな」


サラ様、エリック様、スチュアート様の順で言う。


私は苦笑いするしかない。


「思ったより噂広がっているんですね」


「確かにサラ様の噂は尋常じゃないくらい早く広まりますね」


「男女関係なくな」


「噂を流している人物は特定できているんですが、噂では問い詰めることができませんから」


そのせいで友人ができないと思うと本当に辛いが。


「安心なさってください。私マリエは昨日よりサラ様の友人です。私友人は全力で守る主義なのです、何かあったらなんでも相談してください」


私の手を握り強い眼差しで言う。


「ありがとうございます」


「では、明日もランチご一緒しましょうね」


選択の余地はないようだ。


「マリエが来るなら俺もくる」


どうでもいいです、スチュアート様。


「モグモグ」


いつまで食べてるんですか、エリック様。




こうして私の日常にマリエ様たちとのランチが加わった。









友人ができましたってだけの話でした。


3人とも年上なのでランチぐらいしか学園では一緒にはいれませんが、マリエはそのうちきっとサラの寮の部屋まで乗り込んでくると思われます。


次からまた体当たり女たちが出て来ます。

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