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父は本当の愛を見つけたらしい  作者: 雷ライ
〜サラ〜
17/33

白馬の王子様候補2と3と

体当たりアリアを避け初めて3週間が過ぎた。


1日1回だった体当たりは3日に1回に減ったが、依然友人は出来ずランチはぼっちだ。


学園に従者は入れないため、本当にぼっちだ。



今日もカフェテリアでぼっちは嫌だったため、中庭の木陰で食べる。


テイクアウトしてきたサンドウィッチはとても美味しい。


黙々と食べていると何やら1人のご令嬢がこちらに目に涙を溜めながらが走ってくる。


「ヒクッ、ヒック、ウッ」


そして、私が休んでいる木陰の前で止まると本格的に泣き出した。


泣くなら他のとこらで泣いてほしい。


「すみませんが泣くなら他所でやっていただけません?」


せっかくの昼休みなのに女の泣き声を聞き続けるのはイヤだと思い、木陰から体を出し泣いている令嬢に言う。


「ウァーーーーーーーーン、なんでそんなこと言うのですーーーーぅ、私を誰だと思っているのですッ!」


知らん。


どこの誰でもいいから別の場所に行ってほしい。


先にこちらにいたのは私なのだから。


しかし、泣いている女性をほったらかしにするのは悪いと思い直す。


「そんなところでは日に焼けてしまいますよ」


彼女を立たせて、さっきまで私が座っていたレジャーシートの上に座らせる。


「ヒック、ヒクッ」


まだ泣いている。


「お昼はおすみになって?」


彼女にランチボックスを見せながら聞く。


フルフルと首を振る彼女。


「泣くのにも体力を使います。一旦泣くのはやめて、体力を補充しましょう」


私がそう言うと彼女は頷きサンドウィッチを食べ始めた。


しばらく無言のお昼が続いたが、ご飯を食べたことで落ち着いたのだろう。


彼女は座ったスッと背筋を伸ばし、頭を下げる。


「お見苦しいところをお見せして申し訳ありません。私、2年のマリエ・タランタと申します」


タランタ、タランタの言えばタランタ侯爵家か。


「1年のサラ・マクレルです」


「本当にお見苦しいところをお見せしたわね」


苦笑いながら言うマリエ様。


「いえ、差し支えなければどうして泣いていたのか聞いても?」


この後首を突っ込んだことを後悔する。


「聞いていただけるのですか!是非聞いてください!

私はナダリー侯爵家の嫡男、スチュアート様の婚約者なんです!」


「はぁ、そうなんですか」


「そうなんです!しかも向こうから申し入れのあった政略結婚です。にも関わらず!スチュアート様ったら私にイジメはやめろとか、未来の侯爵夫人として恥ずかしい行いをするなとか言ってくるんですよ!」


喋り続けるマリエ様。


「イジメなんてしてないし、未来の侯爵夫人として恥ずかしい行いなんてしていません!」


「で?」


「3歳からの幼馴染なのに信じてもらえてなかったことが悲しくて」


「走って逃げてきたのですか?」


「お腹に一発入れてから逃げてきました」


「?!」


か弱そうな見えるが、婚約者の腹を殴れるほど強いのか?


「泣いていたのは悔し泣きです」


「はぁ、そうなんですか」


訳が分からなくなってきた。


気が遠くなりかけていると遠くからまた足音が聞こえる。


昼休みにワザワザ裏庭まで来る人はそういない。


今日は厄日かと思っていると、足音が2つ聞こえたことに気がついた。


「マリエーーーー!どこだーーーーー!」


確実にナダリー侯爵家のスチュアート様だろう。


貴族なのに婚約者の名前をこんな大声で呼ぶ人がいるのか。


マリエ様はビクッとしながらも出て行く気は無いようで、私の後ろに隠れる。


体型的にはそんなに変わらないため隠れられてない。


そんなことを考えて現実逃避していると、木陰の前にある生垣からヒョコッと男の人が顔を出す。


「いたぞ」


彼は顔を出し私たちの姿を視界にとらえると、すぐにマリエ様を探しているであろう人を呼ぶ。


「マリエ!」


凄い勢いで走って来る。


「ヒッ!」


貴族令嬢としてその悲鳴はアウトだ。


「すまなかった」


走ってきたと思ったら、思いっきり頭を下げる。


何が起こってるのだろう。


「何に対して謝っているのですか!」


それを気に言い合いを始める2人。


なんか痴話喧嘩な気がしてきたぞ。


「巻き込んですまない」


さっき生垣から顔を出した男の人が私に謝って来る。


「いえ、大丈夫ですよ。あの2人いつもああなんですか?」


「5歳の頃にはもうああだった」


「お2人と幼馴染なんですか?」


言い合いをやめない2人を見て言う。


「あぁ、そうだ」


「大変そうですね」


「大変だな。そういえば自己紹介してなかったな、サンデル公爵家のエリック、2年だ」


「マクレル伯爵家のサラ、1年です」


「マリエからは聞いてるか?」


「聞いています」


「なら男の方もなんとなくわかると思うが、ナダリー侯爵家のスチュアート、2年だ」


関わらないでおこうと思っていた2人にもう会ってしまった。


「エリック!こいつの方が悪いよな?!」

「エリック!彼の方が悪いよね?!」


互いを指差す2人。


仲良いなぁ〜。


「見苦しいぞお前ら。痴話喧嘩に他人を巻き込むな」


はっきり言っちゃうんだ。


「はっ!サラ様ごめんない!私ったらまた」


マリエ様は我に返ったのかまた謝ってくる。


「君がマリエを保護してくれたのか!助かった!」


仲良いんだろうな、本当に。


「サラ様!話聞いていただいて本当にありがとう。明日も一緒にランチしましょうね」


ランチだったか?


「えぇ、そうですね」


一応頷いておく。


「スチュアートと決着つけてきます!」


「受けて立つ!」


何の決着をつけるのだろうか?


何で受けて立つのだろうか?


「巻き込んで本当にすまない」


エリック様は大変だろうな。


「明日には仲直りしていると思うから、俺らも一緒にランチいいか?」


「えぇ、ご一緒しましょう。明日ここで待っています」


「あぁ、ではまた明日」





こうして3人は去って行った。


嵐並みにすごい3人だった。



体当たり女は本当にマリエ様とスチュアート様の仲を裂けると思っているのだろうか。













ナダリー侯爵家嫡男スチュアートの婚約者→マリエ・タランタ



マリエは強いです。


サラの話の登場人物はこれで一通り揃いました。



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