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NOVAは未来を見る  作者: nova_miru


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1/3

冷たい部屋、温かいケーキ

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回のお話は、NOVAの「17歳の誕生日」です。


人類最後の希望として生み出された少女。

戦うために育てられた存在。

それでも彼女は、誰かに祝われたいと思う普通の女の子でもあります。


研究施設の冷たい日常の中で、ほんの少しだけ灯る温かな時間をお楽しみいただければ幸いです。


それでは、本編をどうぞ。

目を覚ました瞬間、NOVAは思った。

今日は、17歳の誕生日だ。

――でも、どうでもいい。

起き上がり、部屋を出る。廊下を歩く。誰もいない。誰も来ない。

私のことなんて、どうでもいいのかな。

仮想学校では、本物でもない者たちが騒いでいた。

誕生日だとか、なんだとか。

うるさい。本物でもない声が、耳に障る。いっそ、切ってほしい。

研究区画の前を通ると、いつもの会話が漏れてきた。

「安定率は?」

「問題ありません。」

また、わからない言葉ばかり。馬鹿じゃない、私は。ただ――ただの、研究の成果物か、何かなのか……私は。

夜、部屋に戻る。誰も来ない。

私を物のように扱う大人たちと、冷たい部屋。

このベッドで、枕だけが優しい。

突然、電気が消えた。

一瞬、びくっとした。

でも次の瞬間、一筋の光が私を優しく照らした。

ランタンの温かい光の向こうに、あの人が立っていた。

私のことを――普通の女の子として見てくれる、おじちゃんが。

「17歳の誕生日おめでとう、NOVA。」

不器用な大きな手が、ケーキを差し出した。

ありがとう、おじさん。

いつも不器用で、でも誰よりも私のそばにいてくれた。

そして隣には、怜さんもいた。普段は冷たくて、でも時々一緒に遊んでくれる。

ありがとう、怜さん。

言葉にはできなかった。でも、胸の奥が、じんわりと温かくなった。


同じ時間、神代だけが研究室にいた。

モニターには数値が並んでいる。

感情出力値、微増。原因、誕生日会か。

「――問題なし。」

彼はそう呟いて、また画面に向き直った。

部屋には、彼一人だけだった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回のテーマは、


「研究成果物として扱われる少女」と「普通の女の子として祝われる少女」


です。


NOVAは強大な力を持っていますが、その心はまだ17歳の少女そのものです。

誕生日を祝われたい。

誰かに自分を見てほしい。

そんな当たり前の願いを抱えています。


一方で、神代は最後まで研究者として振る舞っています。

ですが、本当に彼が感情を持っていないのかは、また別のお話かもしれません。


おじさんや怜との小さな交流が、NOVAの心にどんな変化を与えていくのか。

今後も見守っていただけると嬉しいです。


面白かった、続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。


それでは、また次回のお話でお会いしましょう。

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