前へ目次 PR 7/7 ニルヴァルク世界乃書:律氷 賢者曰く、 言葉は道標足り得ても、 それそのものを指さすわけではない。 律氷(りっひょう)ほど、 これを現している言葉も無い。 律氷における 氷とは氷(こおり)にあらず。 氷とはすなわち 状態を指し示す言葉である。 地に種が植えられ 芽を出し、やがて大樹となる。 時と状態により それは ある時は種であり、 ある時は芽であり、 ある時は大樹であり、 ある時は枯れ木である。 それらは同じ存在の異なる側面を指す。 律氷における氷も すなわち 存在の一側面を 指し示しているにすぎない。