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⑯旅139日目、(秋田の旅)


旅139日目。

秋田に到着しました。

大雪です。

冬の北海道より数倍大雪。

自転車はまだ壊れたままなので

乗ることが無理ですが、

壊れてなくてもこの大雪では到底乗れません。

これが3月の秋田。

11月に来た時とは景色が違います。

どうやら簡単には

帰らせてもらえそうにありません。


そして、帰るには自転車を直さないといけない。

この大雪の中、

自転車店を探しながら歩くこと3キロ、

その手の自転車乗りが集まるような、

オシャレな感じの

自転車店にたどり着きました。

店から出てきた若い男性店員さんは

自分の自転車を見て

「もし直せるなら3000円位でいけるけど、

無理ならば部品取り寄せになってしまうから、

それなら安く新しい自転車を買ったほうがいい」

とのこと。

それは困る。

この相棒でここまで旅をしてきたのです。

他の自転車に乗り替えるなんて考えられません。

まずは修理をお願いしました。


なんとか直ってくれることを祈って

店内で待つことに。

店内には、さすがにかっこいい

自転車がたくさんあります。

自分は自転車乗りの皆さんを

日本全国で見てきました。

最近はロード乗りと言うらしいのですが、

あまり詳しくは知りませんが

日本全国共通して皆さんかっこいいんです。

そのようなかっこいい方々が、

このオシャレなお店には

訪れるのではないでしょうか。

自分のような旅人は

場違いなのかと思ってしまいますが、

決してそういったことはないのです。

自転車店さんは自転車店さんです。

旅人が助けを求めてもいいはずです。

どうかお願いします。


そして修理の結果。


直りました。

なんとか直りました。

しかし、相当劣化しているとのこと。

なるべくパワーを込めて

走らないほうがいいとのことです。

本当に良かった……。

ドキドキしながら待っていたのでほっとしました。

これでまた走れます。

今後は気を付けて乗ります。

もうすぐですからこの相棒と一緒にゴールします。


昼頃になって雪の状態も落ち着き

なんとか走れるようになってきました。

朝に比べたらまだマシです。

自転車店さんの頑張りで調子も良くて、

この日は大曲まで行きました。


この日の宿で

自分が宮城から旅をしていることを話すと、

宿の皆さんが心配してくれました。

「ご家族は大丈夫? お家は?」

自分達の東北で大変なことが

起こってしまったことに、

皆が過敏になり

不安になっているように感じました。

震災が起きてから、

まだ1ヶ月も経過していませんから

無理もないのです。

心が落ち着くまで時間が必要なんです。

ありきたりかもしれないのですが、

全員で支えあって、力を合わせて

頑張るしかないと思います。


そして、全員で力を合わせて

頑張ろうとしているのは、

この東北だけではないのです。

苫小牧から秋田へ向かう船内で、

自衛隊や消防の方々が大勢いました。

おそらく被災地へ行くんだと思われます。

船内のお風呂で横に並んで

背中を洗っていたのですが、

皆さん素晴らしい筋肉の持ち主でした。

たくましい皆さんです。

これだけの皆さんが、傷ついた被災地に

駆けつけようとしてくれているんです。

自分は、お風呂でひとり感動してしまいました。

皆さん本当にありがとうございます。

本当に助かります。

本当に心強いです。

これが旅139日目の話です。

順調に行けば3日後にゴール。

もうすぐ宮城に帰ります。


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