⑭旅136日目
旅136日目。
苫小牧を目指し南下中です。
北の端から北海道の南までの移動ですから
けっこうな距離になります。
ここまでの間に震災の情報が
いろいろ入ってきまして、
自分の父親が勤めている会社が
仙台港の近くにあって、震災の津波によって
会社が流されてしまったとのこと。
その日、父親は深夜からの仕事を終え
帰宅していたので無事でしたが、
津波に襲われて亡くなられた
同僚の方もいるそうです。
本当に悲しいことです。
電話で話したのですが、
父親もさすがに元気のない声でした。
勤めていた会社が
甚大なダメージを受けてしまったので、
父親は福島にある支社に
行くことになってしまいました。
もうすぐ60歳なのに単身赴任になります。
会社の方々と話して
福島に行くことを決めたそうです。
ちょっと心配ではありますが
なんとか大丈夫と思います。
父親はなんとかなるかなと思っていますが、
それよりも母親のほうが心配ではあります。
家には弟もいますがそれでもちょっと不安です。
だからこそ、早く帰りたい。
宗谷岬を出発してからは、
早く家族のもとに帰りたいと思いながら
自転車を走らせていました。
けれど、この震災により仙台港に帰るのは
やはり当面は難しい状況です。
どうしたら帰れるのか調べていくと、
苫小牧から秋田へ
フェリーで行けることがわかりました。
仙台へ直接でなくとも
秋田からなら宮城へ帰れます。
秋田から宮城へ自転車で走ることが、
もはや遠い距離と思わない自分がいます。
同じ東北ですから近いものです。
これで宮城へ帰れます。
帰ることができればそれでいい。
とにかく苫小牧を目指します。
あとは南下するのみです。
ひたすら走ります。
ここまで走ってくる途中のコンビニで、
地元の高校生が震災の募金活動をしていました。
一生懸命に声を出して協力を呼び掛けています。
北海道からも気持ちを届けようとしている高校生。
本当にありがとうございます。
きっとその気持ちは被災地の方々に届いています。
北海道の高校生に感謝です。
みんなが東北のことを想う動きが起きているのを、
日に日に感じながら自分は走っています。
この北海道では
まだコンビニには品物がありますが、
被災地には物資が届かない関係なのか、
あまり売っていないと仲間から教えられました。
こういった現場の話を聞くと
被災地との距離感を感じてしまいます。
だからこそ、早く帰るために
ひたすら走るしかないんです……。
これが旅136日目の話です。




