序幕
とある森の奥深くで、ちょびヒゲを生やしたタキシード姿の男が切り株に座り、ヴァイオリンを弾いていた。するとそこへ一匹の狼がやってくる。
「すてきな曲ですね」狼がしゃべった。
「これはお褒めの言葉ありがとう狼君」
男は礼を言うと、再びヴァイオリンを弾き始めた。すると一匹の狐がやってくる。
「とてもよい音色ですね」狐が言った。
「これはお褒めの言葉ありがとう狐君」
男は礼を言うと、再びヴァイオリンを弾き始めた。すると一匹の兎がやってくる。
「すばらしい演奏ですね」兎が言った。
「これはお褒めの言葉ありがとう兎君」
男は礼を言うと、再びヴァイオリンを弾き始めた。するとヴァイオリンの弦が切れてしまい、男の手は止まってしまう。
「すまないが動物さんたち」男は言った。「今日の演奏はここまでだ」
「ええ、そんな」狼が残念そうに言った。
「せっかく聞きにきたのに」狐も残念そうに言った。
「もっと聞かせてよ。もっと聞かせてよ」兎がおねだりをする。
「よわったな。弦が切れてしまってはどうすることもできないのだよ」男は申し訳なさそうな表情で言った。「本当にすまないね君たち」
「だったらヴァイオリンじゃなくてもいいよ」狼が言った。
「そうそう。代わりになにかおもしろい話を聞かせてよ」狐が提案した。
「聞かせて。聞かせて」兎が催促する。
「おもしろい話ですか」男は思案げにうなりだす。「……そうですね。それじゃあ、『おっぱい王国の花婿さんの乳選び』なんて話はどうでしょうか?」
「そいつはおもしろそうだ」狼が前足で拍手をする。「ぜひ聞きたい」
「うん。おもしろそうだ」狐がうなずく。「私もぜひ聞きたい」
「決まりだね」兎がうれしさのあまり、その場で飛び跳ねる。「早く聞かせてよ」
「わかりました。それでは聞かせてあげましょう」
狼が目を輝かせた。「やったー!」
狐も目を輝かせる。「楽しみだ!」
兎がさらに飛び跳ねる。「わくわくしてきた!」
男が咳払いする。「それでは始めましょうか。『おっぱい王国の花婿さんの乳選び』をね」




