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第79話 RELIVE⑭ パリにある自由の女神の笑顔

モナコを追い出されたソニック達WattsTowersが、フランスでアメリカのような光景を目の当たりにします

 モナコを僅か1日で追い出されたソニック達WattsTowersは、すぐさまフランス・リヨンへ入った。フランスはお洒落でリッチなイメージを持つ者も多いが、ソニックにとってフランスは


「血気盛んで危ねー、世界一クレイジーな国」


という印象を持っていた。何故ならこの国の国歌が既に危ない


さあ、祖国の子らよ、栄光の時は来た!

我らに対し、血まみれた横暴な旗が上げられた!

聞こえるか、戦場の野蛮な兵士達の唸り声が?

奴等は我らの腕の中まで来て、我らの息子や妻を殺すつもりだ!

武器を取れ!同志達よ、隊伍を組め!

進め!進め!汚れた血が、我らの畑を濡らすまで!


【フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」より】


ソニックは普段あまり観ないテレビではフットボールを観るが、ワールドカップでフランスが出てくる度


「こいつらよくこんなやべー歌を大声で歌えるよな・・・」


と思う程である。因みにこの国歌は7番まであり、進むにつれて危ない内容になっていく。バトル・ミュージックを歌うソニックもドン引きするくらいである。かつてこの国は王がいて、とある時代に民衆達が蜂起し、王族をてっぺんから引き摺り下ろした武闘派がゴロゴロいるようなものである。またこの歌詞からは、このフランスが様々な国と戦争をして領土を守っていた歴史的背景が聴いて取れた。


 パリにも小さな自由の女神像があり、このフランス各地の何ヵ所かに存在するようだ。ソニックがパリでライブを行う場所は、そのフランス革命の舞台で昔は牢獄だったバスティーユ広場と革命広場である。フランスのオーディエンス達の要望だったが


「こいつら別に俺いなくても戦えんだろ?ならあまり刺激しねー方がいいよな?このライブをきっかけに世界中で暴れられると困る。」


と思いながらリヨン到着。その後、パリとマルセイユを回りスペインへ入る予定である。リヨンは静かでのどかな田舎町といった印象を受け、モナコから追い出された為に時間は十分あり、束の間の休息を取った。ボジョレーワインを飲みながらキャンプを張っていると、ラジオからニュースが響く


『先程、パリのシャンゼリゼ通りでデモ隊と警官隊が交戦。2名が重傷を負いました。』


だがソニック達WattsTowersは


「そんなもんLAで見飽きてるわ!」


と特に気にも止めず、このリヨンでの公演を2日間こなし、その暴動渦巻くパリへ向かう。


 パリに着くと、リヨンで聴いたニュース通りに大勢の民衆が抗議デモを起こしていた。その数はLAの時よりも遥かに多く、数にして50万人くらいといったところだろうか?ソニック達WattsTowersはこの様子を見て


「これって9・11の時とこないだのダウンタウンの一件を混ぜたようなモンじゃねーか?だけどこいつらの主張は皆バラバラだ。LAの連中みてーに一貫性がねー。」


と推測し、ソニックが


「面白え。めんどくせーからこいつら全員オーディエンスにしちまって、今すぐライブと行こうか!」


と予定を変更し、ステージはLAのダウンタウン同様大型トレーラーのコンテナを開放する事に取り決めた。そして


「全員バリア・プレート持てよ。あいつら武器持ってやがる。」


と全員バリア・プレートのスイッチを入れ、コンテナ内でチューニングを行う。


 そしてデモ隊が集まっているグルネル橋15区、自由の女神像があるリノワ通りに1台の大型トレーラーを無理矢理突っ込ませる。


「何だ?この車は!邪魔だ!」


と民衆が言い放つが


《ゴトン!ゥオン!ブオン!オン!パーッ!パパッ!ゴトン!・・・プシュー・・・》


という音と共に中から既に準備完了のソニック達WattsTowersが楽器を持って姿を現す。だがその直後、そのコンテナステージに発煙筒が投げられるが、ソニックが無言でキャッチし、踏んづけて鎮火すると、挨拶代わりの「Jet」と「Combat」をエレキギターに乗せてデモ隊の四方八方に


《ギュン!斬!ビューン!ズバン!》


《ダダダダダダダダダダダ!ドン!》


とぶちまけると、デモ隊達は


「テメーは何者だ!」


「消えろ!俺達の邪魔だ!」


「関係ねー奴はすっこんでろ!」


と罵声を浴びせられるも、今度は「Volt」と「Burst」を放ち


《ビカッ!バリバリボキバリ!ズドーン!》


《ボワッ!ボオッ!メラメラ!ゴオッ!》


と放つとデモ隊は一瞬黙る。ここで


「・・・俺達はアメリカから来たSonic Los Angelesだ!デモ隊大いに結構。だが穏やかじゃねー。オメーら、武器置け。そうやってこの国の王を玉座から引き摺り下ろしたんだろ?」


「オメーらが血で血を洗う戦いしてきたのは知ってるぞ?国歌が既にそーじゃねーか!」


「そんなオメーらにただで聴かせてやる!セーヌ川もある事だし聴きながら飛び込んで頭冷やせよ!そこにある自由の女神も苦笑いしてるぞ?だがな!意味なく戦ってんならドラッグやってる暴徒と変わらんぞ?もっと意味持って戦えよ!オメーら主張が既にバラバラなんだよ!」


と言いながら演奏を始めたが、このデモ隊はソニックの話など全く耳に入れずにひたすら暴れ回っている。この様子を見ながらソニックは


「エデンを思い出す。奴らと全く同じだ。奴らも人の話も聞かず、問答無用で凶器や銃弾浴びせてきやがった。だが俺はそんなあいつらに勝ってきた。9・11の時もそうだった。隣のニュージャージーから罵声を浴びせられながら演奏してきたんだ!こんなモン手慣れてんだよ!今から俺の「Sonic」でその暴れている理由を明確にしてやるよ。誰が何を主張したいのか、まとまるまで俺は、俺達WattsTowersはこのライブを止めねーからな!」


とセーヌ川の周囲を固めようとしているWattsTowers全員に合図を送る。この「Sonic」を聴きながらデモ隊は次第にまとまっていき、いくつかの答えを見つけソニックにぶちまけていった。


「俺達は移民で学校すら通わせてもらえねー!」

「働きたくても雇ってもらえねー!」

「物価が上がりすぎて生活が苦しい!」

「こんなザマでこの先この国の将来が見えねー!」

「ドラッグが蔓延して誰を信じればいいかわからねー!」


次々と本音を主張するデモ隊達に対しソニックは


「・・・なんだ。オメーらちゃんとまとまれるじゃねーか。それより、そん中にちらほらいる黒い覆面被ったオメーら!モナコの俺の真似でもしてんのか?オメーらはどーなんだ?」


彼らは「カッサー」と呼ばれるこのデモ隊に便乗して暴徒を煽り、略奪や破壊を行う連中である。彼らに対してソニックは


「その覆面、イスラム国と同じだよな?まさかモノホンじゃねーよな?」


と突っ込むと彼らはそそくさと逃げようとするが、ソニックが熊襲太鼓に代わり


《ドドン!ボオッ!バリン!ゴオッ!》


と叩くと、金縛りにあったかのように固まった。そしてカッサー達に


「・・・オメーら、ろくに夢も希望も持たねーで、適当に暴れて、だらだら暇潰して、適当にむかついて適当に生きて適当に時間を潰して何でも人のせいにしやがる。そんな連中だろ?」


とカマをかけると


「うるせー!オメーに何がわかる?!」


と激昂するが、ソニックは


「勝手にムカつけ。オメーら全員ムカついたところで世の中変わりゃしねーよ。オメーらその程度だろ。何でもかんでも人のせい、世の中のせい。どいつもこいつも毎日欠伸かいて何もしねー屠殺場の家畜みてーな生き方してんだろ。食われる豚や鶏の方がマシだぞ。」


「俺は喧嘩なんてネチネチしたモン嫌いでよ。スパッと一撃で仕留める事にしてんだよ!」


「平和ボケしたオメーらが俺を撃ち殺す覚悟と度胸あんのか?手えブルプル震えてるオメーらに言ってんだよ!外したらオメーら全員首吹っ飛ばすぞ!」


と威嚇する。更に続けて


「俺達はそんなピストルや爆弾持った連中を毎日相手にしてきたんだ!俺達の上空で高層ビルに特攻かました現場にもいた。オメーらが何人束になってかかってこよーがオメーらに負ける気なんかしねー!こないだのモナコじゃ俺達に恐れをなして1日で追い出された始末だ!オメーらはどーなんだ?!奴らと同じ鶏野郎の集まりか?!」


「こんな覆面野郎共に上手いとこ乗せられやがって!戦うならマジになって戦え!今まとまれたろ?民主主義はオメーらフランスから始まったんだろ?もっとプライド持って戦えよ?」


と演奏を止め、デモ隊をまとめ始める。


「今照明を付けた。さっき大まかに主張した5つの意見。赤、オレンジ、緑、紫、白。それぞれの主張どおりにまとまってみろ。そして話し合ってからデモ再開してみろ。それが本当のデモだ!あちこちバラバラじゃただの暴徒だからな!」


と発すると、それぞれの意見どおりデモ隊が別れていった。その間、カッサー達は覆面を自ら脱ぎ、彼らも別れていった。それを確認したソニックは


「よし。俺は今日は止めにする。デモ続けていいよ。因みに俺達は明日バスティーユ広場で、明後日は革命広場でライブをやる!よかったらお前らも来いよ。ほら、さっきまで苦笑いしてた自由の女神像も今じゃにっこり笑ってるよ。お前らの戦いは俺が見届ける。お互い頑張ってこの下らねー世の中ぶっ壊してやろーぜ!」


と言い残し大型トレーラーに乗ってこのリノワ通りを去った。


「久し振りに刺激的なライブが出来たな!ここも捨てたモンじゃねーな!」


とソニック達WattsTowersは一様に喜んでいた。


 そして次の日、デモは沈静化し、バスティーユ広場には既存のチケットを購入した以外にも、後部で昨日のデモに参加した者達が大勢来ており


「おい!アメリカのSonic野郎!早く音鳴らせ!オメーの「Sonic」でエネルギーを充満してーんだ!」


と騒いでいた。ソニックは


「言われなくても今やるよ!たっぷり食らえよ!オメーら!」


と言い放ち、後方に向かってベースを弾きながら「Burst」を奏でる。


《ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!ゴゴゴン!ゴン!ゴン》


《ドゥン!ドゥン!ドゥン!ドゥン!ドドドゥン!ドゥン!ドゥン!》


という音色で彼らの魂に着火させ、熊襲太鼓の


《ゴッドーン!カカッ!ボオッ!ゴオッ!》


《ゴオッ!ボワッ!ドドッ!メラッ!ボッ!バドン!》


というけたたましい音と共にその魂をメラメラと燃え上がらせた。


「・・・これがアメリカのプレジデントを屈服させた力か?けどな、俺達だって負けねーからな!」


というデモに参加していた彼らに


《ガッ!グイーン!ギュッ!》


と「Magnet」で前列のオーディエンスと一体化させ


「俺達は戦うモン同士一緒だ!負けんじゃねーぞ!」


とエールを送り、更に次の日の革命広場では


「ここは!この国は革命の本場だ!徹底的にバトルしろ!だがな!相手を間違えんなよ?相手はあくまでこの腐った世の中だからな!」


と言って閉めようとすると


「オメーに言われなくてもわかってるわ!今までだってそーしてきたんだ!」


と言い返す。そこにはもう黒い覆面を被ったカッサーはいなくなっていた。


 そしてパリからマルセイユに引き上げる途中、大型トレーラーの一団がとある高級車に呼び止められる。その中にいたのはこのフランスのプレジデントだった。ソニックと大して歳の変わらないそのプレジデントは


「昨日のライブは遠くから観ていたよ。いい戦い振りだった。私も戦うよ。この腐った世の中をぶっ壊す為にね。」


と固い握手を交わすのであった。


フランスは革命と自己主張の国という印象があるので、アメリカ寄りのストーリーにしました

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