53話
「うーーーーん」
朝早く起きた僕は窓を開けた。心地よい涼しい風が頬を撫でた。
「昨日は、僕が夕食を作るはめになったけど、皆から、おいしいと言われたから、安心したな」
ハンスさんから聞いたのだが、キアラさんは、自分がおいしいと感じた食べ物は、それに集中しているため無言になるという。まぁ、結局は、おいしかったってことだから、まずいと思われてなくてよかった。
それと、なぜか、僕の料理を食べて、厨房で働いている人たちから、弟子にしてくださいと言われたし、もちろん断ったよ。明日から王都に行くことになっているからね。
「・・・んー、たく、や、おはよう」
「おはよう、ミーナ」
眠たい目をこすりながらミーナが起きた。
「・・・外はまだ寒い。拓也、窓閉めて」
「空気の入れ替えってことで開けているから閉めない。ところでミーナ」
「・・・何?」
ミーナは、まだ眠たそうだが、僕は、ある疑問がわいていた。それは
「なんで、僕の部屋っていうか、僕のところで寝ているの?」
そう、ミーナが、僕が使っていたベットで寝ていたのだ。昨日は、隣の客室を使ってそこに泊まっていたはず、
「・・・さぁー」
「さぁー、じゃないよ。はー、それからミーナ、僕は今から着替えたいから、部屋から出て」
「・・・・・・・」
だけど、ミーナはその場から動かず、じーっと僕の方をみてる。
「ミーナ?僕、着替えたいんだけど」
「・・・大丈夫、拓也は、私を壁だと思っていればいい」
「・・・・・・・」
僕は、無言でミーナを部屋の外にだした。
「まったく、ミーナの奴何考えてんだか」
「そうですよ、私だって拓也様と寝たかったのに」
「・・・・・・アリス」
「はい、なんですか拓也様」
「いつ来たの?」
「今さっきですが」
「そう・・・・・でも、部屋から出てもらいたいんだけど着替えるから」
「安心してください拓也様、私のことは花瓶だと思っていただければ」
「うん、何を安心すればいいのかな」
アリスも部屋の外に出す。まったく気配を感じなかったんだけど、アリスも成長したってことなのかな、
いいことなんだけど、ここじゃなく、魔物との戦闘で使ってほしいな。
さっさと着替えを終わらし、僕は部屋を出た。
「二人には、ほんとまいったよ」
「あはは、拓也君にべったりなのね」
あっという間に、王都に向けての準備を済ました。僕らは、余った時間でそれぞれの自由行動に移り、僕は一人で、冒険者ギルドに行って、リーゼさんと話をしていた。
「それにしてもさびしくなるわ、拓也君、王都に行くんでしょ」
「はい、まぁ、いずれは、世界各地を旅するつもりですけど」
「ふふっ、そうなんだぁ、私も拓也君と世界を回ってみたかったわ」
リーゼさんはさびしそうな顔をする。この人にも、この街でずいぶんとお世話になった。僕達にあった依頼を渡してくれたり、選んだ依頼についてのアドバイス、普通の受付嬢達とは違い、優しく接してくれた。
「私も王都に転勤しようかしら・・・ぼそっ」
「えっ?」
「あっ、なんでもないわよ」
なんか言っていたような、まいいや、
「それで、今日来た理由なんですが」
「わかっているわよ。王都に行くついでに王都までの護衛依頼がないか調べてほしいんでしょ、とっくに見つけているわ」
「いつも、ありがとうございます」
リーゼさんから、護衛依頼の依頼書を渡される。




