第61話:セブンス・クラッチ初の別々クエスト。
旅は経験するもの。
2つのクエストを分かれてやる事を決めたカスミ達。
「よし。それぞれ明日の準備に備えて。後ミミリーは用があるから玄関まで降りて来て。」
カスミはミミリーを玄関まで呼ぶとハウスの横でいつも鍛練する場所があり一本の丸太を立たした。
「ミミリー。良く鍛練を怠らずに励んだ事が実を結んだね。これより新しい技を伝授する。」
「ありがとうございます!新し」「ミミリー!」
カスミはミミリーの言葉を遮った。ミミリーも緊張が走る。
「これから教える技は今まで技より一層強く、残酷な技だよ。」
「残酷な技…でありますか?」
「カスミ神拳必殺の拳。その名もカスミ流百裂拳。」
カスミは丸太を敵に見立ててゆっくりと構えると丸太に向かって突っ込んで行く。カスミが丸太とすれ違いに丸太が宙に浮きそのまま地面に落ちた。
次の瞬間!丸太から破裂音が次々と鳴り原型が粉々になった。
「あっ…えっ⁉丸太が…粉々に⁉」
あっ!しまった。自分の鍛練してる時に手加減感覚をOFFにしてたんだっけ。ヤバいヤバい!手加減設定。
「ミミリー…今のは手加減し忘れた。忘れてくれ。」
ミミリーは粉々になった木屑を触ると細かい砂と同じレベル。
「師匠…今のが本気ですの?」
ミミリーは尋常ではない位に冷や汗が流れている。
「限りなく全開に近い威力だよ。ミミリーには言っておくか。僕は今までの戦闘全てを手加減して戦っている。」
「なぜ…ですの?」
「面白くないからだよ。僕は怪物や神ではない。人なんだよ。以前倒した海の王の時思ったよ。圧倒的な力はつまらないとね。いずれ海の神にでも会えれば対等に戦いたいもんだよ。」
カスミが頷いていると後ろからパチパチと手を叩くポールとミラージュの姿がいた。
「これはとても良い教訓を学びましたね。ミミリー。」
「ウム、やはり主は神人でありましたか。」
「ポール、ミラージュ。音がうるさかったかな。パーティのメンバーなら言ってもいいかな。僕は別の星から来た人間だよ。勿論神とも面識もある。」
カスミのぶっちゃけトークにやはりと頷くポールとミラージュ。
「し、師匠は別の星から来た?そっそっ、それに神さんとお会いしたんですか!?」
「まあ、それが自然だよね。それにミミリーと同じく加護も備わっている。言いたくないがな。」
カスミはフゥ~とタメ息が出た。
「それにポール、ミミリー、ミラージュ。僕は3人が強くなるのを楽しみに待っているんだよ。1対1で戦えるその日を。」
カスミはこの異世界に来て初めて対等なバトルを楽しむ「願い」と言う期待をカスミは心から思っていた。カスミは抱いた言葉を口にして少し照れた。
「マスターの一念…深く心に刻みました。」
「ミミリーよ。また1つ追いかける夢が増えたな。」
「はい!兄さん。師匠!もう一度技の稽古を。」
なんとも嬉しい事を言ってくれる。泣きそうだが我慢、我慢だよ!
「よし!ゆっくりやるから今日中に覚えるんだよ。」
「はい!」
夜の稽古は深夜になるまで続けられた。
そして次の朝を迎えた。セブンス・クラッチ初の分かれてのクエスト攻略の日になった。
ジオンド・ベルの出入口の門にはあちらこちらから噂を聞きつけた冒険者や町民が多く集まっていた。
「聞いたか?例の話。」「ああ、SSランクの依頼を即答で返事したんだろ。」
「なんでもパーティを分けて討伐に向かうだとよ!」「やっべぇな!」
噂が飛び交うほどザワザワとする出入口。すると出入口付近で爆発音が鳴り響いた。
ピュワー…ドヒューーーン!ドーーーーン!!!
「なっ、なんだ⁉いったい!」
すると近くの宿屋の2階からアムロスがビームライフルを構えた。
「オラァ!冒険者共!出入口に集まったら物流の邪魔だろうが!!死にてぇーのか!!!」
盟主とは程遠い殺戮のスナイパーに変わろうとしていた。
冒険者や町民は煙の様に消えていった。
「どうだぁ!スティッカー。バカ共を散り散りにしてやったぜ!」
「レイナ…この町の悪党はお前だよ。」
護衛に来ていたスティッカーはタメ息を吐いた。
その頃カスミ達は準備を整えてタマゴハウスの玄関にいた。
「さてとポールには依頼書を渡しておく。」
「はい、マスター。暫しのお別れですね。」
「みんなも頑張るです。」
「師匠もユリアさんもまたな。」
「プニー!ピカ板行け。」
「くっ、言われずとも参る!フン!」
相変わらず仲の悪さだよ。全く…。
こうしてセブンス・クラッチは別々のルートを通ってカスミ、サンタユリア、プーニンは北へ。ポール、ミミリー、ミラージュは南へ歩いて行ったのであった。
ちなみに行く前にアムロスにペコペコと頭を下げたのは言うまでもない。
次回:南ルート1日目 3人旅は経験が大事。
予告:は~い。神さんですよ(笑)分かれてクエスト開始だよね。
でもカスミちゃんは化け物過ぎるよ(笑)
次回もよろしくね。




