第24話:海辺のギャングはワルでした。海の破壊戦艦は危険種?
イルカはワルなんだね。異世界は。
南にあるホワイトパウダーを目指したカスミ達。
「そう言えばポール。武器は何か持っているのか?」
身を守る防具の事だけ考えてたな。肝心の武器は忘れてたよ。
「マスター、ご安心を。細突剣ならあります。わたくしの方が少し聞きたい事があります。マスターはFランクなのにBクラスのモンスターはやはり危険では?」
「そうか。まだポールには僕の実力を見せてなかったね。海辺に着いたら僕の戦闘を観ていててよ。」
「そうですか。分かりました。」
のんびり歩きながら南に進んでいた。しばらく歩いたであろう。微かに潮の香りがただよってきていた。
「スンスン。海の、潮の香りがしてきたな。ポール。」
「確かに。風に乗り潮の香りが鼻に通りますね。マスター。」
ポール。君の顔に鼻はないだろ?どうやって分かるんだい?
「マスター。地面がわずかに白くなってきてます。どうやらホワイトパウダーに着いたようです。」
少し丘になった場所を登った先に見えたのはなんとも美しい白い砂に悠然と広がる青い海がそこにあった。
この異世界でも海があって青いんだな。しかしなんとも見応えある気色なんだ!水着姿の美女がいたら最高だね。アムロスさんクラスなら感激だよ。本物はあれだけど。
すると感動を水に差す輩が鳴き声をけたたましく鳴らしてこちらに近づいてくる。
「折角抜群の気色を堪能していたのに…何の音だ?」
「マスター。もしや戦車イルカでは?」
そいつは確かにイルカなんだが色々と言いたくなる奴だった。
そいつは海ではなくこの白い砂を泳いでいる。
そして背ビレにはバズーカ砲のような重機が付いていた。
だめ押しは僕らが会得している全種族言語変換によりいっぱしの暴走族みたいな声が聞こえてきた。
「オラオラ!んっ?人臭いなぁ。あっ!あそこにいやがる!野郎共!人を滅ぼすぞ!」
っておい!そこのヤンキーモンスター!なんでお前の声なんか聞かなきゃならないんだよ。迷惑な奴だよ。地球のイルカは海に泳いでカワイイのに…。
何砂なんかに泳いでんだよ!それに背中に付いている機械は何だよ!危なすぎるだろ!
戦車イルカだろう3匹のモンスターがカスミに近づき怒りを露にした。
「おい!人族!ここは俺達の縄張りだ!生きて帰れると思うなよ!ゴミ共!」
なッ!口悪っ!モンスターの癖になんでここまで言われないといけないんだよ!怒った。ぶちのめしてやる!
「黙って聴いてれば悪口言いやがって!ポール。手を出しちゃダメだ。こんな奴等僕一人で充分だ!」
「分かりました。マスター。観察させていただきます。」
戦車イルカはカスミに向かって背中の砲撃を浴びせた。
手加減感覚でステータスを落としたが余裕に砲撃を避けて間合いを詰めて一匹の戦車イルカを蹴りあげた。
「キュイーーン!」
さらにすぐに回り込み別の戦車イルカのアゴ辺りをカチ上げる。
「キュイーーン!」
最後に悪口を言った戦車イルカには額にめり込む拳を放つ。
「キュ…イン。」
「おおぉ!流石はマスター。お見事でございました。」
「よし!片付いたな。次はポールが戦えよ。背中の砲撃は集中すれば簡単だよ。」
幸先良く戦車イルカを撃破したカスミ達は素材を回収して次の獲物を探して歩いた。
カスミが出発してからのギルド―――――――
ドカドカと音をたてながらギルドに入る人物。
世界一の鍛冶師 イワン=ベンドラー。(ベンジャミンよ!)
受付に向かうとイワンが尋ねる。
「カスミちゃんはまだ依頼受けてないわよね?伝言があるのよ。」
余裕たっぷりに言うとフィーネからはの返事は
「カスミさんなら先程依頼を受けて向かいましたよ。」
「なっ!なんですってぇぇええ!?カスミちゃんはもう行ったの!?」
「やかましいぞ!イワン!」
近くにいたゼフが怒鳴る。
「ゼフ!ちょうど良かったわ。今すぐにカスミちゃんの救援に向かってくれる?間違いなく厄介になるわよ!」
「んっ?確かお前が依頼した戦車イルカを狩りにだろぉ。アイツの実力なら問題ないだろが!」
「そこに破壊戦艦が目撃されてもそんな事言えるの?ゼフ。」
「なっ!破壊戦艦だと!?」
ギルドの中に騒然とした空間が漂う。先に沈黙を破ったのはフィーネの言葉。
「そんな話はギルドには一切の情報がありません!何かの間違いでは?」
「ウチの子達は以前は情報屋なのよ。引退しても仲間からの情報はギルドよりは入りやすいの。それに情報屋だけのネタは情報屋でも買えるモノよ!調べてもらったら…ビンゴ。ホワイトパウダー海域をねじろにしていたのよ!」
「…妖精族のネーチャン!今すぐにギルマスかショパンさんに連絡だぁ!それと俺達の依頼書も書いてくれと。確かホワイトパウダーにいるんだなぁ?イワン!」
「間違いないわ!ゼフ、頼んだわよ!死なせたら許さないんだから!」
「ホネがありゃー拾ってやるよ。おい!野郎共!話は聴いたな?久々の強敵だぁ!気合い入れろ!」
「「「了解だぁ!リーダー!!!」」」
「相手が破壊戦艦なら国指定の危険種だぁ!間違いなくSクラスのモンスター。若い芽を潰させわせん!」
ゼフが意気込んでいると受付にいたフィーネが話す。
「現在、ギルドマスター、サブギルドマスターは遠出でいませんので私が代理人で討伐依頼を書きます!冒険者ゼフ並びに鉄筋野郎パーティは出発して下さい。」
「よし!まだ「血の警鐘」はないが手早く行くぞ!」
ドタバタとギルドから出ていくゼフ達。
ホワイトパウダーにいるカスミ達に戻る―――――――――
海辺を歩いて行くと次々と戦車イルカが現れる。
「全く!これで4回目だよ!この海辺はコイツらしかいないのか?」
「マスター。敵の動きも慣れてきました。もはやわたくしの脅威にならなくなりました。」
何回か戦っている内にポールは戦車イルカに対しては全て把握したらしい。
なかなか円滑じゃないか。円だけに。
そんなカスミも実はスキルを覚えていた。
連帯配分:パーティを組んでいる味方に自分が倒した相手の経験値を低%配分で自動に譲渡する。
指導者の心:パーティを組んでいる味方が自分より低い場合全ステータスを上昇させる。パーティを外れると元に戻る。
元々ポールは実力があるのであまり要らない気がするが仲間が強くなるならOKだね。それに僕が倒せばポールのレベルアップも早くなる。うんうん!順調だよ。
すると先程敵意ありありの戦車イルカが突然散り散りに逃げて行った。おっ!もしやゲーム的なボスキャラがいるのか!
カスミは辺りをキョロキョロと見渡すが…いない?
「マスター。何か…音が聞こえます。」
ズン………ズン……ズン!ズン!!ズドン!!ドーン!!
真正面から黒色の身体で体毛も黒くとてつもなくデカイ生物が近づいてくる。ソイツはマンション見たくデカイクジラだったが人のように2本脚で砂場を踏みにじり、しなりのある尾ビレを動かしている。頭には傷痕が勲章のように所々にあった。
「デカイ…クジラだな。」
「マスター。かなり危険な…強者の風格があります。」
なるほどね。なかなか威圧感が滲み出てるよな。この辺りの主かもな~。オラ、ワクワクしてきたぞ!…嘘です。
次回:激闘!破壊戦艦キングクジラの脅威!Sクラスの実力。
予告:あらあら、神でぇーす。カスミちゃんもいよいよクジラと対決~ってかクジラ歩いてるなんて、ウケる(笑)
次回もよろしくね。




