1/21
プロローグ
数百年ものあいだ、人々は目に見えない悪魔の影に怯えながら生きてきた。
人を喰らう魔獣は凶暴で残忍。
それ以上に恐ろしいのは、奴らがまるで亡霊のように、人の目には映らないことだった。
抗う術を持たない人々が頼れるのは、
唯一、魔獣を見ることのできるプルプラ族だけ。
プルプラ族は、魔獣と真正面から渡り合える唯一の狩魔師として、人々を守ることを使命としてきた。
その力ゆえに各国から厚く遇され、人々の尊敬を集める存在でもあった。
だが十八年前――
前代未聞の出来事が起きた。
どこにでもいる、ごく普通のプルプラの少年が。
魔獣を、見られなかった。




