10.帰郷
「お兄様ー!」
鬱陶しい。こないだまで、俺の部屋にいただろ?
「土産を持ってきたぞ。まいどと変わらんが、リクエストはあるのか?」
「恐れながら、侍女長として生活しておりますが向こうにどんなものがあるのかわからないので、リクエストはできません」
と、同じような事を料理長・執事長などから言われた。言われてみるとそうだなぁ。親父のリクエストには応えない。なんで俺が親父のためにエロ本を買ってこなければならないんだ?
うーん、この世界でもちょっと下の階級の事を知った方がいいな。
「ソフィは王族しか知らな過ぎて論外。あ、親父。こないだソフィが勝手に異世界に居つきました。スッゲーいろいろ迷惑かかりました。俺にはもちろん大将にも女将さんにも」
「それはいけないね。ソフィ、二度と勝手な事はいけないよ。迷惑がかかる。私もソフィに罰を与えないとならなくなるやもしれない」
ソフィはそこまで大事に考えていなかったようだ。ちょっと遊びに……。くらいのノリだったのだろう。
「こっちの世界の市井に行くのとはまた違うからな」
「あー、ソフィは冷蔵庫に忍び込んでケーキを盗み食いしました!」
「なんと!ソフィ。それは人様の物を勝手に食べているし、勝手に冷蔵庫というものに侵入している。そしてさらには恐ろしい!冷蔵庫の機能として、密閉と低温がある。どういうことかというと、朝まで誰にも気づかれずに冷蔵庫に入り続けると、心臓が止まってしまう!」
「心臓?」
「ああ、ソフィ。勉強しなさい。心臓が止まるということは、死んでしまうということだ」
「なんて恐ろしい機械なの?」
「普通、生き物を入れないよ……。ましてや侵入しない」
寒いのやだよな。侵入しないよ。あれはケーキにつられたにしても執念がすごいなと思った。
読了ありがとうございます‼
感想・評価・下のほうにある☆・いいね などお待ちしております!




