表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「完璧令嬢」と言われた私が婚約者から「ハリボテ」と罵られてからの一週間  作者: 真岡鮫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/29

29.隣で歩む未来【完】

「アンナ、お願いだ。そこをなんとか!」

「いえ……いくらルーベンス様でも無理でございます。誰もお通しするなと、お嬢様からきつく言われておりますので……」

「でも、私は兄だぞ。少しくらい……」

「ルーベンス様……お嬢様を怒らせていいのですか」

「怒るなんて、そんな……」

「お嬢様はこのお式を楽しみにされていたのですよ。そんな日に、まさか口もきかないなんてこと……」

「そっ、それはダメだ! わかった、大人しく会場で待ってるから。リリアにそう伝えてくれ」

「……承知いたしました」



「……アンナがいてくれてよかったわ。お兄様ったら、あれほどお式の前はダメと言いましたのに」

「もし彼女がいなかったら、間違いなく入ってきていただろうな……鍵をかけていても、ルーベンスなら簡単に扉を壊しそうだし」

「さすがのお兄様でもそんなこと……できそうですね」

「だろう?」


 見つめ合うアランとリリアージュは、思わず声を上げて笑った。


「それに……いくらルーベンスでも、こんなに綺麗な君を、先に見せるわけにはいかないさ」


 部屋に差し込む穏やかな日差し。

 その光の中に、艶やかな白いドレスを纏ったリリアージュが佇んでいた。

 振り向くだけで華やかに光る金色の髪は綺麗にまとめられ、その上には王家に受け継がれてきたティアラが輝く。

 そして、耳元には彼女の好きなアイスブルー、アランの瞳と同じ色のイヤリングが添えられていた。


「……綺麗だ」


 自然と零れ落ちたアランの本音に、彼女は頬を赤らめ、静かに彼を見上げた。


「アラン……貴方も本当に素敵よ」

「そう?」


 わざとらしく襟を正し、アランは胸を張っておどけてみせた。

 タイトな白いタキシードで決めた彼のシャツにも、リリアージュの瞳と同じガーネットのカフスが光っていた。


「リリア……父の後を継ぐことが決まったよ」

「……そう」


 リリアージュは小さく頷くと、穏やかな笑みでアランを見つめた。


「この後、結婚のお披露目と共に、そのことも父の口から皆に伝えられるそうだ」

「……不安ですか?」

「正直言えば、不安がないわけじゃない……だけど、隣に君がいるから、それすらもなんだか楽しいとすら思えるんだ」

「まぁ……頼もしい」

「だろう? このくらいの余裕がなければ君とは並べないよ」


 アランはリリアージュの手を取り、まっすぐ彼女を見つめた。


「いずれ王となる私の横にいる女性は、君以外考えられない。リリア……覚悟はいい?」


 アランの視線を受け止め、リリアージュは小さく頷いた。

 

「本当はね、ずっと前から思っていたの」


 彼女は握り合った手を引き寄せ、アランの頬にそっと口付けた。

 

「花冠も王冠も……一番似合うのは、アランだって——」




 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ