おじい様に庭で、、、2
おじい様は優しい目で私をみて、なんだか急に眩しいような美しさになったのう、あの厳しい砂の領土で土魔法が使えるようになったのか? さすが、わしの孫じゃのう、と喜んでくれた。
マークがメイドと交代して、おじい様の車椅子を押して、私はおじい様と庭のあちこちを見て歩いた。 子爵領の庭で野菜を育てたいのか?とおじい様は私の頼みに驚いたようだが、私はまだ庭の4分の1ほどしか土に変わっていませんが、その土に野菜を植えてみたいと思います、とおじい様に言った。
もうそんなに土がだせたのか? それはすごい、詳しい話は屋敷の中で聞こう。そろそろ、メイドも茶の支度ができたであろう。私とマークとおじい様は、屋敷の中にはいった。マークは初めて入る、おじい様の屋敷の中を興味深そうに見ていたが、おじい様と目が合うと、とたんに背筋を伸ばし、緊張してしまったようだ。
おじい様はマークを見て、元気が良さそうな子じゃのう、わしの若いころにそっくりじゃ、とマークの頭をなでた。どうやら、マークはおじい様のことを初めて見たようだ。
マークは3年前位からメリーについて、屋敷に出入りしていたので、おじい様が我が家の庭の土を見てくれていたのは、知らなかったのね。
私はポシェットから土魔石を取り出し、これは私がはじめて魔法で出した魔石ですと、おじい様に渡した。おじい様は私の差し出した魔石を大切そうに受取り、涙を浮かべた。
「私はおじい様の足を治してあげることは出来ないけど、せめて魔よけとしてこの石をそばにおいてください」とおじい様に言った。
とお願いした。おじい様は私の魔石を撫でながら、可愛いことを言うのう、この石は肌身離さず、持っているよ。と言ってくれた。
3人でお茶を飲みながら、私は野菜の育て方をおじい様に聞いた。
特別なことはないのう。この野菜が良く育つ土になれ、と念じるのじゃよ。
え、肥料も何もいらないの?やはり、土魔法って便利だわ。魔法万歳。と思ってしまった。
野菜の苗なら、この春の物がある。馬車に乗る7種類位の物を、とりあえず持って行きなさい。
と、言ってくれた。
お茶の後、私たちはさっそく庭に出て、ジャガイモ、人参、さつまいも、カボチャ、玉ねぎ、トウモロコシ、大根などの苗をおじい様の庭でいただいた。
私は、おじい様の庭の土を触って手のひらに置いてみた。おじいさまの庭の土は、フンワリ温かい、春の匂いのする土だった。
あと、お母様が好きなお花があれば、と私が言うと、その他の野菜も2日後までに用意するので、ジュラルドにとりにこさせなさい、と言ってくれた。
おじい様とのお別れを惜しみながら、私は、おじい様の屋敷を後にし、メリーのお姉さんへの伝言を届けるべく、我が領唯一の街に戻った。街は相変わらず静かで、あまり活気がなかった。
私を見る人見る人、私を注視していたが、私はこの辺では見かけない少女だからかもしれない。
仲には通り過ぎて、振り返って、見る人もいるけど、このシャツにズボン姿が珍しいのかもしれない。ポシェットですか? お花の刺繍のポシェット、可愛いでしょ。リンゴマークも良いでしょ
私が店に入ると、店の雰囲気がこの間と違うように感じた。ドレスメーカーなのに、ふぁーとした華やかさがまるでない。 ピリピリした視線だけがそこにあった。
お嬢様、いらっしゃいませと、メリーのお姉さんが私に駆け寄ってきてくれた。
私は小さな声でメリーのお姉さんに伝言を伝えた。 メリーのお姉さまは、私が領主の娘レイナだと知ると、恐縮して私にお礼を言った。店の中から、大きな怒鳴り声が聞こえた。
しきりにメリーのお姉さんを呼んでいる。メリーのお姉さんは慌てて店の奥に駆けて行った。
どうしたんだろう?この店、なんか様子がおかしい。
私も足早に店を後にした。 私は、街の中の土の状態を少し歩いて調べてみた。
砂ははいりこんでいるけど、土の状態は思ったほど悪くない。少しほっとして街の道をみていると、どうしたの? お嬢さん、何か落とし物でもしたの? 黒い目、黒い髪の少年が声をかけてきた。
は、ナンパか? お呼びでないのよ、私は無言で慌ててマークの待つ馬車に戻った。




