話間:開始、その裏では
準決勝第一試合……スタートだ!
「……」
『始まったようだが、見なくてもいいのかい?』
「別に構わないわ。どちらも一度見てるからね」
試合の見えない場所、ここに来るような者は誰もいない。
試合を見る気のない者か。
試合以上の何かを見る者か。
常識の通じない。変わり者でなければ。
「アンタの方こそ、わざわざこんな所に来たのは誰かを見るためじゃないの?」
「まぁ、そうだね」
「だったら行きなさいよ。その見たいのが今戦っているかもしれないわよ」
「確かに、今戦っているね」
「なら…」
「だが、見に来たのはキミでもあるんだ」
「……」
暗闇の中。人の姿の無い影の中を睨み付ける。
「どうやら勝ち進んでいるようだね」
「だからなによ」
「キミでも、ルールは同じなんたなと思ってね」
「当たり前じゃない。参加者なんだから」
「そうか、まぁそうだろう。キミも、参加者だ」
「……何が言いたいのよ」
気配だけ感じる暗闇が、ニヤリと笑ったような気がした。
「ようやく答えが見えた気がするのさ。過去どのような者にもなかった例外中の例外である彼女達がどのような参加者であるのか」
「彼女達、ねぇ……」
実力は見た限り、一人ずつなら問題無い。
ただ二人同時となると……どうなるか。
「どうかしたかい?」
「……なんでもないわ」
「そうか、ではコレで失礼することにするよ」
「試合を見に来たんじゃないの」
「扉の中で見られるようにしたのでね。ここへ来たのはキミを見かけたからだ。まだ見えるのだろう? だったら顔を出すといい」
「気が向いたらね」
気配が無くなり。試合を見る観客の歓声が響いてきた。
「……」
瞬間、何かが爆発したような音が響いた。
「……もう少し、見ておきましょうか」




