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第7話 初めてのペット!?

挿絵(By みてみん)


「ゔぅぅぅ…ぎもぢわる…ゔっ」

「ここで吐くな!外でやってこい!」


リリムは足早に調理場から飛び出した。

外からは生々しい音が聞こえる…勘弁してくれ…


「ははは!ソウジ、昨日はすまなかった。もう堪忍しておくれ」

と1杯の水を俺に手渡す。


「もういいよ。ったく、しょうがねぇなぁ」


俺は手渡された水を手にリリムの元へ向かう。



昨日、酔いつぶれたリリムを荷車に乗せ王都を後にし、集落に着いた頃にはすっかり日が暮れていた。

リリムは相変わらず酔いつぶれたままだった。


「おい、リリム!着いたぞ!そろそろ起きろ!」


いくら声をかけても起きる様子はない。


「はは、すっかり潰れてしまったようだな(笑)」


俺とアリシアはリリムを部屋に運ぼうとリリムを担ごうとした時だった。


「はわわわ!!ソウジひゃんどこ触ってるんれすか!!また変なことしようと…スヤァ」

「…」

「また?」


アリシアに何故か緊張感が走っている。


「ソウジはいつも彼女にそんな節操のないことをしていたのか?」


(あ…これマジであかんやつ…)


「そ、そんなわけねーだろ!!俺がそんな奴に見えるか!?」

「…」


ちょっと軽蔑の眼差しが痛い。


「大体俺が本当にそんなことする奴ならリリムはとっくに逃げ出してるか助けを求めてるだろ?」

「…まあ、それもそうか…」

ふぅとため息をつくアリシア。とりあえず謎の誤解は解けたか?


「君は初めて会った時から悪い者には見えなかったし、今もそうだ。少しでも疑うような事を言ってしまってすまなかったな」

「いや、まあいいんだけどさ」

「まあ何というかな、私も色々あったものでな」


何か言いづらそうにしているアリシア。


「まあ無理に話すことはないよ。そのうちまた気が向いたら話してくれ」

「…そうか、ありがとうソウジ」


そして俺たちはリリムを部屋まで運び、各々の部屋へと戻っていった。



リリムの元へ着いた俺は声をかける。


「ほら、水持ってきたぞ」

「あわわわわ…ゆれ、、ゆれ、、」

「あん?」


真っ青な顔のリリム。


「何だ?まだそんなに具合悪いのか?」

「…ゆ、揺れてるんです」

「は?どんだけ酷い二日酔いだよ」

「そうじゃなくて、ソウジさんの部屋の窓…」


俺の部屋の窓に目をやると、確かに不自然な程ガタガタと揺れている。


「おかしいな?風が吹いてるわけでもねーのに」

「ど、泥棒とかでしょうか?」

「泥棒ったってなぁ…別に盗まれて困るものはねーし」

「ソウジさんの下着を狙った変態さんかもしれません!」

「んなやついねーだろ!」

「ソウジさんの下着で変態さんがあんなことやこんなことを…」

「アホか!」

「そんなの目の当たりにしたら私の精神衛生上よろしくないです。早急に何とかしてください!」


自分で言っておいて何を言ってるんだこいつは…


仕方なく俺は自分の部屋へ向かうことに。


「アリシアさぁぁぁん!!」とリリムは慌ててアリシアを呼びに。


部屋の前に行くと先程よりもガタガタと大きな音がする。


「人の気配ではなさそうなんだけど…」

俺は意を決して、扉を勢いよく開ける。


「ん?」


部屋には誰もいない。不自然に音の鳴る窓の方へ目をやると、先日何をしても割れなかった卵が大きく動いていた。


「え?」


よく見ると卵にはヒビが入っている。そしてそのヒビはみるみるうちに卵全体に入り、次の瞬間ばかっと卵が割れ、「ピィィィ!」という鳴き声のようなものが聞こえたと同時に、俺にものすごい速さで飛びかかってきた。


「のわぁぁぁぁ!!!」


「!?」

「い、今のソウジさんの声?」

リリムとアリシアは互いに目を合わせ、足早に俺の部屋へと駆け込んできた。


「ソウジ!!」


「あはは、くすぐったいって!お前何だかわかんねーけどめちゃめちゃ可愛いやつだなぁ!」


卵の中から俺に飛びかかってきたやつの正体は、ピンク色っぽい肌に羽が生えてて、まんまるい瞳をしていた。

俺を親だと思ってるのか、異常に懐いている。


挿絵(By みてみん)


俺は駆け込んできた2人に気付く。


「あれ?2人ともどうしたんだ?」


二人は青ざめていた。


「そ、そ、そ、ソウジさん、、あの、そ、それって…あわわわわ」

「何かわかんねぇけど可愛いやつだろ?」

「ソウジ!すぐに離れろ!!」


剣を構えるアリシア。


「な、なんだよ?どうしたってんだ?」

「ソウジ、それは幼竜だ」

「よーりゅー?」

「ドラゴンの雛ですよ!」

「ほえ?ドラゴン?」

「そうだ!このまま成長されると天災級の災害をもたらすことになるぞ!!」

「ち、ちょっと待ってくれよ!だってこいつ全然そんな風には見えないぞ?」

「ピィィ…」


俺の肩にしがみつく幼竜。


「し、しかしだな…」


困惑するアリシア。


「私たちが何をしても割れなかった卵を突き破って出てきたんですよね…」

「俺ちゃんと育てるからさ!天災じゃなくて皆の役に立てるように育てばいいんだろ?」

「そ、育てるって…正気か?」

「だってこいつこんなに懐いてて可愛いじゃん!」


「ピィィ!」と幼竜はアリシアとリリムを見つめる。


「ほわわわわぁぁ」


リリムはやられたようだ。


「しかし、ドラゴンを育てるなんて前例もないし…」

「だったら俺がその前例になればいいじゃん!ちゃんと責任持って育てるよ!まずは…よし、サバオだな!」

「ん?サバオ?」

「こいつの名前!サバオ!!」

「ピィィィ!!」

「い、いや名前の事を言ってるのではなくてだな…」

「えぇぇ!!可愛くない!!もっと可愛い名前がいいですー!!!」

「いいじゃん!サバオで!こいつも気に入ってるみたいだし!」

「ピィィィ!!」


「…やれやれ」と呆れながらも俺たちをいつもの優しい笑みで見つめるアリシア。


こうして俺は幼竜のサバオを新しい仲間として迎え入れるのであった。


「なあ、ところでドラゴンって何食べるんだ?」

「だから前例がないと言ったろう?猛獣や一部の魔物を使役している者はいるが、ドラゴンを使役している者など聞いた事がないんだ」

「うーん、そしたら調べてもわかんねぇってことか」

「とりあえず飼い主としての責任を果たすべく、ソウジさんの片腕をご飯として差し出してみますか?」

「恐ろしいことを真顔で言うな!」

「ま、まあとりあえずは畑の作物をあげてみよう。ソウジ、くれぐれもニワトリや他の物に害がないよう、よく見ててくれ」


アリシアは農作物やニワトリ小屋を荒らされるのでは?と心配だったようだが、どうやらサバオは俺の言葉を理解しているらしく、しっかり言うことを聞く。ドラゴンって賢いのかな?


「とりあえず、我々も食事にしよう」


アリシアが声をかけると、ピクっと何かに反応したサバオ。


「ん?サバオ、どうした?」


すると次の瞬間、目にも止まらぬ速さで森の方に向かって集落を飛び出していった。


「あ、あれ?サバオどこ行ったんだ?」

「…ドラゴンの生態は全くわからないからな」

「案外お腹空いたから、森の中の魔物を食べに行ったとかじゃないですか?うわぁ、食材の宝石箱やぁ!って」

「だから彦〇呂やめい!」


なんて話していると、森の中からサバオが戻ってきた。

満足そうにーー

何かを食べながらーーー


「!?」

「…明らかに魔物の脚だな、あれは…熊系の…」

「いやぁぁぁぁ!!!!」

「リリムが変なこと言うからホントにそうなっちまったじゃねーか」


サバオが心なしか少しデカくなった気がする。


挿絵(By みてみん)


とりあえず満足そうなサバオを横に、俺たちも食事を始めた。


「まあ驚きはしたが、こうやって森の魔物を駆除してくれるのはありがたいことだ!サバオ、森の中の魔物なら遠慮せず食すといい」

「ピィィィ!」


サバオは畑で獲れた作物をかじりながら嬉しそうに返事をする。


「…お野菜も食べるんですね…栄養バランス良さそう」

「魔物って栄養あんのか?」


なんて会話をしながら食事をしていると、ドアを叩く音がした。


「王都ゼニスより遣いで参りました!」


「ん?王都から?今度マヨネーズ届けるのって1週間後だったよな?」

「ああ、そうだが…別件だろうか」


アリシアがトビラを開けるとそこには1人の兵士がいた。


「突然の訪問失礼します。こちらを…」


封書を差し出す兵士。


「!?」


アリシアは驚いているようだ。


「それでは、私は失礼致します」と兵士は足早に去っていった。


「アリシアさん、どうなされたんですか?」

「国王陛下からだ…その…私たちに会いたいとな」

「えぇ!?」


何のことやらわからないが俺たちは翌日、急遽王に謁見すべく王都へ向かうことになるのであった。

忙しかったので更新が久しぶりになってしまいました。

また頑張って書きます!

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