臨機応変(ノープラン)
すけじゅーる。
1、教都で情報送信機(個体識別記号アーネ)確保
・事前に情報屋を動員して罠に誘導
・アーネに無駄金を遣わせる形で『黄金の夜明け』の資金を目減りさせる
・情報屋PCを儲けさせて人脈強化
・ついでにお小遣い稼ぎ
2、クラウンを偽情報で誘い出す
・ついでに割り込まれる大広場配置ギルドと喧嘩をさせて『黄金の夜明け』に内紛の種をまく。
あ、あと、アーネちゃんを『黄金の夜明け』内部に隔離、工作資産としてキープ。
3、クラウンと大広場で全面対決を演出しエルコレさんを介入させる。
・クラウン達に襲われてエルコレさんにクラウンを斬らせる
・『黄金の夜明け』内有力武闘派ギルド『アルゴ』を離反させれば、戦わずして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
人生はままならぬものである。
本来失敗するのは三段目であるべきだ。
ポップ、ステップ失敗とは、出オチより悪い。
「いやはや」
肩をすくめるニート。
「あたし、おっさんを見損なってたよ」
「ですです!見直しました!」
人生万事、塞翁が馬。良くもあり、悪くもある。
間違いなく言えるのは、塞さん(末期高齢者)が楽しくない人生を送った事だ。
ググればわかるが、暇な人だけどうぞ。
「わたしは誤解されやすいですからね」
ただ、予想外に良いことが起きることもある。
「この外道!!!!!!!!!!あのネーチャンとダチの筋肉をカモって利用して使い潰す気満々じゃねーか!!!!!!!!!」
「ひどいですー!」
ただ、私は見たことがないけど。
『予想外に良いこと』いずこにありや?
「わたしの狙い通りにステップして頂ければ最期は幸せになれますから」
「スゴいですー!」
「最期か!最後じゃなくて!最期じゃね――――――――――騙されんなトモ!」
鬼畜と外道を足して事実100%の嘘でラッピング。
皆様のオトモダチを自称するニートを指差し確認するクラウン。
「貴様!コイツはプレイヤーの敵だぞ!私情にかられ大儀を捨てるとは何事か!」
エルコレは手で、抑えて抑えてのジェスチャー。
「わかりました」
重々しく頷いたニート。
「私が手配されてるなら出頭し身の証を」
「お前なんか呼んでない!手配してない!用がない!来るな!」
最後まで言わせないスタイル。
「運営!貴様だ!」
涙目でイヤイヤしながら魔法使いローブの少女が、ニートの背後に隠れた。
捕まえる役目である(はず)クラウンの手勢が、ためらう。
「さっさとやれ!ギルドを捨てるか?それでまともな生活ができるか??」
クラウンの手勢が前に出た。
「命を捨てるか?」
とエルコレ。その表情にクラウンの手勢が凍りついた。
「貴様!『黄金の夜明け』を裏切る気か!」
エルコレが肩をすくめ。
「まだ、その気はねー」
「まだとはなんだまだとは裏切者!!」
『まだ』だけど『既に』裏切り者とはこれいかに。
「殺るのは俺じゃねーって」
クラウンを無視したエルコレが、ネコを見た。
「スフィアwikiみてみ?」
デス・ゲーム開始以後更新は出来ないが、閲覧は可能。
《ネコ:ハイレベルソロプレイヤーのレジェント》
・撃破モンスター数、単独部門NO1
・イベント破壊ゲーム初
・イベント破壊数、単独部門NO1
・ボスモンスター撃破数、単独部門NO1
・PK実行ゲーム初
・PK犠牲者総数、単独部門NO1
・PK犠牲者短時間、単独部門NO1
・PK犠牲者連続発生時間最長記録、単独部門NO1
・PK・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
『単独』ここ重要。
「ダメだよ!ネコちゃん!殺る時は一緒だよ」
「ちげーよ!おっさんがログインしてる時は殺らねーんだよ!」
騒がしいセイ&トモ。
ネコが眼を開けた。着ぐるみの。
ネコなら、中堅以下のPCを普通に街の外、フィールドまで放り出す。
投擲で。
もちろん、攻撃起点が安全圏ならダメージはない。
だが、着弾地点がモンスターの巣穴なら?
「滞空中に備えたら、逃げ切れるかもしれませんよ」
いやいや、落下地点に先回りされたら?
「まあ、あんまりやりませんが」
やった事がある、ということ。
『ネコに踊り喰い』は画像つきでwikiにある。
しかも画像、動画が複数。
クラウンの手勢が一歩下がった。
「もういい!失せろ!」
手勢を一睨みしたクラウン。
「エルコレ!」
無言、返事無し。
「コイツは『黄金の夜明け』だけではなく、評議会の敵だ!」
ニート、ネコを指差した。
「やれ!」
「まだ、何もしてねーだろ?」
敵ってのは行き過ぎだ、っと言える訳もなく・・・・・・・・・・・・・・・・・・遮られるから。
「貴様は見ていただろうが!」
指差したまま。
「コイツ等は、私を攻撃した!『黄金の夜明け』と評議会を攻撃した!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、さっき回復薬投げたっけ、ネコが(前回のプランA参照)。
「わかった!任せろ!」
エルコレが頷いた。
「アルゴの実力見せてもらうぞ」
クラウンが重々しく同意。
「ニート、行くぞ」
怖い顔のエルコレ。
「仕方有りませんね」
諦め顔のニート。
「ふん」
鼻を鳴らしたクラウン。
「「評議会に」行きます/連行しろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・は?」
クラウンが止める。
「違う!警邏本部に連れて行け!」
は?
っという顔でエルコレとニートが睨んだ。
「当たり前だろう!評議会は取り調べ場所じゃあない」
バカを見る目で二人に言い聞かせるクラウン。
「あんな所(評議会)で何をする気だ」
クラウンは、やれやれ、っと肩をすくめた。
「評議会に聞くんだよ」
「私は敵ですか?ってね」
「何を言ってる!」
キョトンとした顔で答えるエルコレとニート。
慌てるクラウン。
「お前が言ったんだろ」
「評議会を攻撃したってね」
確かに、言った。
ニートに構う気は無かったが、邪魔なニートを排除する為に、あえてその非を糾弾した。
クラウンは少し考える。
「好きにしろ!」
邪魔なニートが居なくなれば、それもよし。
クラウンは我慢した。
彼なりに、いつも我慢しているが、特に我慢した。
アルゴのメンバー(一人)に連行されるニートを見送った。まあ、正確には、居なくなるのを見届けただけだが。
「さ、メシくって待ってな。お兄さんはニートと行くからな」
「何をしている!」
ニート(とネコ)が行き、残ったメンバーがギルド『アルゴ』のキャンプに入ってしまった。
「さっさと、その、女を、連れてこんか!」
エルコレが笑いをかみ殺して、振り返った。
「なんで?」
「運営を・・・・・・・・・・・・・・・・・・連れてこい!それは議長閣下の命令だ!」
捕らえろ!と言いたいが
『捕らえろなんて言われてねーな』
と言葉尻をとられたら、また、引き延ばされる。ゆっくりと、正確に、上げ足を取られないように言い直した。
「アタシっす?」
魔法使いローブを降ろした少女。
「どもども!」
明るい栗毛のセミロング。さっきまでは間違いなく、黒髪ロングのフミノ、と同じ姿だった。
テントの上に飛び上がり、アイテムを開いた。
「皆々様!ギルド『GG』にてユエ様にお仕えせし七人が一人!」
花火、分身が広場中に現れた。
ニヤリと笑う、悪い笑み、のC。
エルコレは顔面崩壊を起こしている。
「Cと申します、以後末永くお見知りおきを!」




