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Ambassador rain  作者: 輝ぽてと
第2章 冬の悪魔
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第1話


 12月18日。今日、いつもより早い雪が降った。ナイト学園の敷地内にあるかなり面積のある広場が一面真っ白になる程の雪だ。

 そして今日の授業はないため、僕達は外で雪合戦をして遊ぶ事にした。


「おうらぁっ!」


 リスクより勢い良く投げられた雪玉が僕の顔面に綺麗にヒットする。


「リスク最低!年下に手加減なしなんて!」

「バーカ!僕が手加減なんかするわけないだろ!」

「お、おい!やめろって!」


 舌を出し、意味の分からない踊りを踊るリスク。そしてそれをなだめるカリス。


「今の聞いた?年下に手加減しない人に手加減する必要はないわ。ミカリ、やってしまいなさい」

「はい、ラルさん」


 一方ラルとミカリは当然怒り、特にラルに指示を出されたミカリはいつでも魔法をぶっ放せる体制に入った。

 因みに僕とラルとミカリで赤組、カリスとリスクで白組に分かれて戦っている。


「だから言ったのに…!」


 カリスはそう言いながら所々に作られている雪の盾の後ろに隠れた。


「いっけーっ!」


 僕がそう言うとミカリの頭上が青白く輝き、そこから多くの氷の矢がリスク目掛けて飛んで行った。


「ちょっ…やめろ!タイムタイム!」


 リスクがそう叫びながら逃げ惑うも、止むことのない氷の矢。


「雪合戦になってない!一方的魔法合戦だ!」


 一方的と言いながら合戦とか言ってる時点で相当焦っているようだ。


「おいリスク!今すぐ謝れって!じゃないとお前死ぬぞ!」


 そろそろ雪の盾も意味をなさなくなりそうだからか、カリスがリスクに叫ぶ。

 リスクは持ち前の運動神経でちょうど氷の矢が飛んで来ていない場所まで行くと、顔を雪に埋まっているのではないかというほど深く土下座をした。


「負けましたっ!ごめんなさい!」

「えーもう終わり?つまんなぁーい」


 僕は頬を膨らませた。

 しかしリスクはもう息が上がっていて勝負どころではないようだ。まぁ確かにあれだけミカリの魔法攻撃を受ければ疲れるのは当たり前だろう。


「しょうがないな…。スリク!オレと一緒に雪だるまでも作るか」

「本当に!?わーい!」


 僕はすぐにカリスの所まで行くと、小さく雪玉を作って転がした。ラルとミカリは雪だるまよりも残った雪玉をリスクにぶつける方が楽しいようだ。

 段々と雪玉は大きくなり、踏ん張って転がさないと動かないくらいまで大きくなった。


「ねぇねぇカリス!僕ここまで作れたー!」


 前で転がしていたカリスが振り向く。僕の隣には僕の首ぐらいまである雪玉があった。僕の身長は142cm。世間ではどのくらいかは知らないが、カリスとリスク…むしろラルとミカリの10才の時よりも背が低いらしい。でも僕自身あまり気にしていない。


「オレも。どうだ!」


 カリスがサッと脇に避ける。カリスの体で隠れていた雪玉が姿を現す。それは僕の雪玉の3倍近くあった。


「じゃあ僕の方が上だね。ちょっと付け足し!」


 僕はうさぎの耳のようなものを雪で作り、くっつけた。


「可愛いな。よし!じゃあつけるぞ!」


 2人で一緒に持つ。2人で持っているというのに結構重かった。


「わーい!完成!」


 僕はそう言って雪だるまの下の部分に穴を掘っていった。


「何やってんだ?」

「お楽しみ!」


 どんどん掘っていく。そしてある程度まで掘ったところで周りをペタペタと固めた。

 そして穴の中に入る。


「じゃーん!見て見てーかまくらー!」


 その時だった。上の雪玉がぐらつき、上から降ってきた。


「うわ!」

「スリク!」


 ぐしゃぐしゃになった雪の中からバサバサと這い出る。


「ふー危なかった。でも楽しかった!」


 そう言った瞬間、ぼかっとカリスに頭を叩かれる。


「危ないだろ!どこも怪我してないから良いものの…。心配させるな!」

「ごめんなさい…」


 僕は俯いてそう言った。

 カリスはぽんと僕の頭に手を乗せ、微笑んだ。


「よし、じゃあ体が冷えると困るから取り敢えず部屋に戻って前言ってたゲームでもやるか!」


 僕は大きく頷いた。

 ラルとミカリにも聞いてみたが、どうやらリスクに雪玉をぶつける方が良いそうで、先に戻ることにした。

 カリスの部屋でテレビの電源を付ける。剣のようなデザインの棒状のコントローラーを装着し、ゲームを起動させる。

 このゲームは実際に振ったように中にいるキャラが戦ってくれるというものだ。ストーリー性が高く、ストーリーの原作は何万部も売れた小説なので文句なしだ。因みに僕は小説は読んではいた。


「よし!じゃあウィンクにしようかな」


 キャラ設定画面でウィンクという銀髪の少年を選ぶ。原作の小説の主人公だ。


「おぉ、いいんじゃないか?じゃあ、決定ボタンを押し…て…」


 急にカリスの声が小さくなっていく。


「どうした…の…?」


 僕も少し遅れて状況を把握した。

 テレビの画面が段々と歪んでいっている。それだけではなく、不快なノイズと共に画面にはビリビリと小さな光の線が何本も見えた。


「カリス…怖いよ…」


 僕がそう言うと、ふと手に暖かいものが触れた。カリスがぎゅっと僕の手を握っていたのだ。


「大丈夫だ。絶対に離さない」


 じりじりと違和感が伝わってくる。

 次の瞬間、ぐるりと世界がひっくり返ったような感覚に襲われた。




 そして、自分の世界が暗闇に包まれた。




読んでいただきありがとうございました!


なんとまぁゲームの世界に入るなんて…

これはまだ小学生の時に書いたやつですね。

突拍子もないことを考えて…文章を改変するのが大変です。

ですが物語まで変えるわけにはいかないのでこのまま2人にはゲームの世界にいってもらおうと(汗)


さて、次回更新は1/3(金)になると思います。

まだ時間は決めていません。

ということで、これが今年最後の更新となります。

ここまで読んで下さりありがとうございました!

皆様、良いお年を!

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