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プロローグ
かがみ
【鏡】
1.
光の反射を利用して顔や姿をうつして見る道具。
2.
手本。模範。
?
別世界への入口。本物と偽物の境界線。
*
──2つの影が、剣の交わりを表していた。
1人は、騎士団所属のリディオ。真っ黒な短髪に、少し切れ長のエメラルド色の瞳。そして、真っ白な騎士団のマントを風になびかせていた。もう一人は……。
「やっぱりな……俺だ………」
息が上がっているリディオは、吐息混じりにぼそりと呟く。
「…………」
その瞬間、相手が剣を引いた。
「まぁ………。バレるよね。全く。上はどうして上着を羽織って戦えと言ったんだろう。顔を見られないようにするにも、今みたいに正面から戦ったら見られちゃうのに。それにひらひらしていて邪魔だし。はぁ……。理解できないなぁ」
自身と全く同じ声。唯一違うのは口調くらい。彼はこんなに丁寧な話し方をすることができない。したくもない。
「君と同じ名前は少々気が引くから、僕はリディオという名前を少し変えてリオと名乗らせてもらうよ」
名前はリオ。そう言いながら、頭のフードを外す。予想はしていたが、鼓動が大きく脈打った。唇を噛み締め、汗が滴る。
「俺の偽物……か」
鏡が、そこに立っていた。




