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クローゼット・ダンジョン 〜ある日、おうちにダンジョンが湧きまして〜  作者: あかね


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6/6

それからそれから

 芙実は自家用車のタイヤを変えるときに季節が変わったなと思う。

 例年は冬タイヤは倉庫でおやすみするのだが、今年は場所もなく、預かりサービスを利用することになった。


 冬に沸いた魔窟は地味に稼ぎをあげて、固定資産税と来年の税金まで払えるくらいには貯蓄が出来た。

 そして、クローゼットの移動と納屋の設置についての検討にはいったのだが、光る尾の家については考えていなかったのである。


 魔窟暮らしも慣れたものでいまさら外なんてというが、生物として外に出ていただきたいということと問題が一つ。

 外に出れないモノは原生生物として討伐対象になりかねず、ちゃんと家を持って暮らすのが大事らしかった。

 異界からの落とし物は都会に多く、この地域ではほとんどいないため情報の入手が遅れたのだ。市役所も把握していなかったのだから、よほどないらしい。

 芙実たちは馬一匹養う家を要求されたのである。住宅ローン二倍と五郎は白目を剥いていた。


 ひとまずは外に出さなきゃというわけで大型の納屋を立てた。駐車スペースを犠牲にして。

 結果、押し出された車がご近所の空き地にいる。屋根がないので色々不安だが、冬が来る前には何とかなっている予定ではある。


「……にしても違和感ありまくり」


 一軒家に庭がついているのが普通だが、大きな納屋があるのは普通ではない。

 その前にくつろいでいる馬、ではなく、ケンタウロス。ご近所さんはぎょっとして見上げるが、光る尾はにこにこと手を振っている。

 ご近所の子供たちに人気である。お散歩についてこられて困るというが、芙実が子どもであってもついていくだろう。確かに、その尾は光ってきれいだから。


 芙実が見ているのに気がついたのか光る尾が手を振ってきた。芙実はそれに振り返した。


 結局、芙実は週末冒険者をはじめた。冒険者協会に属する新米錬金術師である。コート分はすでに回収した。それどころか、魔窟産のダウンコートを作ってしまった。ニワトリという名のコカトリスが湧いたときにはやってやろうかあのカピバラと殺意みなぎったが、羽毛は暖かかった。使えるまでの作業が無限だったが。

 カシミヤヤギ(大)に後ろから突撃されぶっ飛んだときも、あのカピバラ! くってやんぞ! と思ったりもしたが、今もカピバラは生存している。


 七海は本業冒険者になろうかなと検討中らしい。安定した職を捨ててはならぬと芙実は言っているが聞いているのかは不明であった。

 五郎は早期退職! と訴えて、却下されていた。もちろんサユリにである。そのサユリがパートの日数を減らしたというので、ちょっと揉めたので夫婦できちんと話してほしいと芙実は思う。


 まあ、概ね平和な昼下がりであった。

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― 新着の感想 ―
うっかりも度が過ぎるとねー そのうちカピバラ討伐されそう(笑)
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