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暦君には壁が居る  作者: 二核


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プロローグ 

 放課後。

 もう誰一人いない静かな教室で、私こと春山美亜はるやまみあは窓を開けて、緑一色の人工芝のグラウンドを眺めていた。

 今はサッカー部を使っていて、体格の良い部員たちが声を出しながら練習に励んでいた。

 その中に、際立って小柄な部員が巧みな足さばきで、大柄な部員たちを次々と抜いてゴールを決める姿があった。

 ゴールを決めると一人の男子生徒に向かって、思いっきり抱き着いて喜びを爆発させていた。

 彼の名前は暦瑞季こよみみずき

 一年生にして我が上葉高校サッカー部のレギュラーに定着し、背番号はエースナンバー10を与えられた天才というやつだ。

 そして、将来は有望なサッカー選手として周囲から期待されており、彼自身もサッカーで世界一を目指していると豪語する程のサッカー少年だ。

 つまり、将来的にはお金持ちが約束されたような存在。

 ……なかなか良いじゃない。

 そして、可愛げのあるもみあげに、サラサラとしたクリーム色の長い髪。

 肌も白くてきめ細かく、目鼻立ちも整っている全てが完璧な誰もが羨むような美形。

 ……素晴らしい。

 更に性格も良く、部員のみならず、クラスの男子からもその美しさに嫉妬するものは一人としておらず、常に謙虚な姿勢で立ち振る舞っている。

 ……完璧だわ。

 彼の相手はこの私にこそ相応しい。

 是非彼を永遠のパートナーとして、人生勝ち組のロードを歩みたいものだわ。

 けれど、ここまで完璧なのであれば、他の女子たちが言い寄らないわけもなく。

 これまで何百人もの女の子たちがラブレターを出したらしいが、返答はおろか言葉を交わすこともなかったという。

 それもそのはず、彼は異性に対して極度のコミュ障で、話しかけてもすぐに“ある男”の陰に隠れてしまうのだ。

 その男というのは、今まさに暦瑞季がハグを交わしている相手――折節剛おりふしつよし

 服で隠しきれない筋肉と、おっさんのような老け顔に加えて一丁前に髭まで生やしている若さとは程遠い存在。

 私の意中の相手――暦君には”折節”という名の壁が居る。

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