20話 仲直りしちゃいました。
それから定期的に話したり仲の良かったサルーン様が顔を合わせてもぷいっとして何処かに行ってしまう様になりました。
話しかけようとしても足早に去っていきます。
午後のカリキュラムも今は一緒じゃないし。
そーいえばレイチェルになってから誰かとこんな状態になったのは初めてだ!
前世の時は友達と喧嘩などした事ありますが…
その時はLINEで謝ったり電話で謝ったりしていたがそーゆーツールがない場合はどうしたらいいのか…
そうだ!手紙がある!っと思い謝罪の手紙を書いてサル君に託しました。
サルーン様からきた返事は要約すると
《怒っていない。ただ、暫くは顔を合わせづらいので気にしないでくれ》
みたいな事が書かれていました。
うーむ。怒ってないならどーゆー事なのか…
アーサーとテトに相談したら時間が解決するとか言われるし、お兄様も同じ事言うし…
キャロルとアンナとは恋話を後日して
とっても可愛くて癒されました!
恋話ってこんなに盛り上がるんですね…今までは食べ物の話しか興味なかったですが新しく恋話というジャンルが私の中に追加されました!
サルーン様の事はうーんとアンナ達も悩んでるくれたのですが、解決法は見つけられなかったです。
いつもの様に夜、寝たふりをして抜け出して離れに行くとサルーン様とサル君が居ました。
夜に居た事ないのに…これは私が来る事を知っているアーサーとテトの策略だなっとすぐに気付きました。
ドアに耳を当てて盗み聞きしちゃいます。
「言っとくけどお嬢は察するとかいう能力皆無だから諦めた方がいいよ。」
「何故か話そうと思っても恥ずかしくなって逃げてしまうんだ。」
「それが無駄だって言ってんの!なっ?」
「仲良くなるとレイ様は距離感が可笑しいからもう諦めるか耐性をつけないと一緒に居れないよ?」
なんか…アーサーとテトに悪口言われてる気がするのは気の所為かしら?
「お嬢は今だに俺の寝床とかテトの寝床で寝ようとするからね?」
「「え??」」
ダブルサルーンで凄い息が合っている。
「何か暗殺者が来る気がするからとか雷が怖いからって言って忍び込んでくんの!凄いビックリするから!」
ぎゃーーー!私の恥ずかしい話してる!今すぐ出て行きたい!!
「後、疲れた時とかよく俺を抱き枕にして寝てるよ。」
2度目のぎゃーーー!私の恥ずかしい恥ずかしい秘密を!
なんでそれをダブルサルーン様に言うんだ!辞めてー!
「そんな事が…ではこの一年はもっと忍耐をつけないといけないって事なんだな?」
「そうだよ!初月でそんなんでどーすんだよ!って事でお嬢入って来なよ!」
アーサーに呼ばれたのでおずおず入っていく。
ぇ?このタイミングで?
「慣れるしかないんだよ!もう諦めろ。そーゆー人なんだよ!」
凄いアーサーが説得してる風だけど凄い失礼な事言われてる気がする。
サル君は何か可愛そうな子を見る目で私とサルーン様を見ている。
何なんですかー!
サルーン様が意を決して私を見る。
私はサルーン様が久しぶりにこっちを見て逃げないので凄い嬉しくなって笑顔で近寄って行く。
「くっっ。」
何故かサルーン様は苦しそうに胸を押さえた。
「耐えるんだ!慣れるんだ!大丈夫!サルーンならやれる!」
アーサーが励ましてる。
テトも応援してる様だ。
この4人の仲良し具合本当なんなの?前凄い殺伐としてたじゃん…。
「えっと…直接謝れてなかったので…私が無神経でごめんなさい。これからは気をつけますから仲良くしてくれると嬉しいのですが…」
「嫌、レイチェルが謝る事はない。私の方に問題があっただけなんだ。逆に気を揉ませてすまなかったな。」
サルーン様が久しぶりにこっちを見て笑ってくれました!
うわー!良かった!!最近の心のしこりが無くなりました!
思わず抱きつきましたがサルーン様は微動だにしないで受け入れてくれました。
頭の中は大人でも身体が子供だと所々身体に行動が引っ張られるみたいで子供の様な事をしてしまいます。
抱きついたり、テトを抱き枕にしたり、雷が怖くてアーサーのベットに潜り込むのもその影響だと思います!
思っています!きっとそうです!
だって私前世だったら雷とか怖いって思った事ないですもん!
アーサーもテトもサル君もまたやれやれって顔で私を見ています。
そこへ外に気配がすると思ったらジャンが乱入して来ました。
「これどんな状況?やっと仲直りできたんですか?」
「うん!はぁ~、最近の悩みが解決出来て凄い嬉しい!今日はいつもより頑張れる気がする!!」
私は自分の部屋に行ってワンピースに着替えて身長を大きくさせて、今日は髪の毛を赤毛にする。
最近の悩みが解決してウキウキだ。
仲直り出来て本当良かった。
赤毛に身長の伸びた私が部屋を出ると5人はうんうん頷き合ってる。
「寝床に忍びこむなど恐怖でしかないな。」
「テトの方が可哀想だろう。ぎゅうぎゅうに抱きしめられるんだぞ!」
「あの無意識に一緒に歩く時、手を繋いでくるのは何なんだろうな?」
「後、身長を伸ばした時に夜の街にいる時どれだけ自分が狙われるのか無意識なのどーしてなんですかね…。」
「あれで前は一人で出掛けてたんだから怖すぎるよな。」
「何でカイル様もその辺は指摘しないんですかね?」
「前聞いたら面白いからって言ってたぞ。その辺の勉強は大人になってからで良いんじゃないかなって笑っていた。」
「ぇ?でもレイ様…。あのアンバラスなのどーにかなりませんかね?」
また私の悪口で盛り上がってるらしい!テトもなんてショックだ!
「ちょっと!私の悪口で盛り上がらないでください!」
全員が振り向いて同じ様にため息をついた。
「今日は何処に行くんですか?」
今思ったがいつものメンバーにプラスでダブルサルーンがいるのに私この格好で会った事あったけ?
「今更気にしてもサルーンもサルもその姿のお嬢と何回か会ってて気づいてたんで気にしないで良いですよ。」
「あれ?そーだったの?!」
「14歳になったらどーなってしまうんだろうな…」
まるで凄い怖い話の様にジャンが恐怖で顔を引き攣らせた。
それに全員が力強く頷いた。
おーーーい!どーゆー意味だ!
お子ちゃま過ぎるって事か!いいじゃん!
まだ身体は5歳だもん!