創作編 中学
私は男性である。
中学生時代、なぜか、女子が苦手だった。
女子の方にも、私から苦手呼ばわりされるいわれはないのだが、申し訳ないことに苦手だった。
なぜかと言っても本当になぜか分からないわけではない。
小学生の時、私が姉とケンカした折に、顔面に爪の傷をかなり大きく三本ほどつけられたことがある。
それを見たクラスの女子の一部が「クナリくんはお姉さんとケンカしてコテンパンに負けたのよ」「クナリくんは女子より弱いのね」と、大きな声で楽しそうに何日も何日も吹聴していたことだったと思う。
つまらないことではあるものの、やはり人前で笑いながら恥をかかされる体験というのは年齢を問わずこたえるもので、同時に「なんでそんなことを楽しそうにできるのだろう」という疑問が沸き起こった。
男子は男子で特別理解が容易な生き物ということはなかったのだが、そこは同族、なんとなく理解できている気がしたのだろう。
また、頭のどこかで、「男というのは基本的に愚かであり、どんなにしょうもない生き物だったとしても、それは特に騒ぐほどのものでもない」という定款のようなものがあったとも思う。これは私自身がしょうもない人間だったわけだから、そう考えるのも無理はない。
その反面、女子というのはほとんど異星人のように思えた。
こうなると私こそ愚かなもので、クラスの女子の悪い面ばかりが目につく。
具体的な例は、本当に細かいことなので割愛するが。
・女子は、叫ばないでいいようなことで叫ぶ。
・わざわざ秘密を作っては、そこにわずかでも近づかれると大騒ぎする。
・興味のないことは道端で干からびたオタマジャクシでも見るような目で見ているが、自分がいいと思うものを絶賛しない者には容赦しない。
・都合のいい時だけ男を利用する。
などなど、そんなことで女子を嫌悪しようというお前の方に問題があると言われれば、反論の余地もない。
ただこちらも自分の視野の狭さくらいは自覚しているので、「たまたまそう見えるだけだ。お互いに気に食わないのだから、近づかなければいい」と思って距離を置いた。
もともと異性間の交流が活発ではなかったこともあって、当然、どんどん女子から疎遠になっていった。
男女交際に憧れがなかったわけではなかったのだが、自分には遥か手の届かないものだと思った。
自分はきっと、一生恋愛とか結婚だとかもしないのではないか、と思っていた。




